【法務】リモート下でのオンボーディングの方法
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【法務】リモート下でのオンボーディングの方法

伝えたいこと
変わり続けるために、学び続ける
リモートだからこそ図々しく
一対一、少人数のコミュニケーションを大切に
会社を知る、事業を知る、仲間を知る
雛形、利用規約、よくある質問を把握し、理解する

1.入社して1ヶ月が経ちました

私は、今IT企業の法務室でインハウスロイヤーをやっています。弁護士登録して、1ヶ月が経ちました。
担当は事業法務と知的財産です。
少し振り返ってみようかなと思います。
よかったこと、うれしかったこと、失敗しちゃったなーってこと、難しいなと感じたこと、、色々な感情が生まれました。
リモートから始まった、新しい環境でのチャレンジ。修習の同期もきっと様々な環境で頑張っているんだろうなと想像しながら、今記事を書いています。

2.フルリモートでの新しい環境での勤務についての不安

正直、最初ものすごく怖かったです。
会社にはどんな人がいるんだろう、どんな仕事があるんだろう、忙しいのかな、、やはり一番の不安はどうコミュニケーション取っていったらいいんだろうということでした。
前職の法務部時代には、困ったり迷ったら、すぐ担当者のところに行って話を聞いたり、担当者が困っていたらフォローしたりしていたので、直接で自分の強みの機動力や共感力みたいなところを発揮できるんだろうか、、と思っていました。

結論をいうと、何とかなりました!

ここからは周りがどうフォローしてくれて、自分がどう挑戦したのかを書いていきたいと思います。

3.オンボーディングの大切さ

オンボーディングってなに?って方もいると思います。入社して聞くまでは、私は知りませんでした。

オンボーディングとは、新しく入ったメンバーが早期に活躍できるように組織としてサポートすることを意味します。

本当にオンボーディングプログラムを用意していただいおかげで、うまくチームに馴染んでいくことができました。法務室のメンバーに支えられた1ヶ月でした。

どんなオンボーディングだったか。
①人事部門によるオンボーディング
・中途入社組の入社研修
→グループ会社全体の中途入社組の入社研修が実施されました。約5日間の研修でした。
基本的には、ミッション・ビジョン・バリューの理解、事業理解のための研修、社内各部門の役割の説明、入社時に必要な対応について、社内制度の説明などが実施されました。
基本的には、経営層、本部長クラスが直接で講義をしてくれました。経営者が今なにを考えていて、彼らに直接質問をぶつけることもできて、本当に贅沢な時間だったと思っています。
どの講師も、熱量がすごくて、こんな人たちと働けるのかとすごく刺激をもらえました。
また、社長ともランチ会を通じて、新入社員からプライベート質問も含めて様々な質問をさせてもらって、交流する機会がきちんと用意されていました。

ランチ会では、社長からこう言われました。

俺もただの人だから、それを知って欲しい

前職では雲の上の存在で話をしたこともなかった。
ここはそうじゃないんだ、経営層にぶつかっていってもいいんだ!って実感を持つことができました。

・採用担当者によるWelcomeLunch!
私の採用について、支援してくださっていた人事のご担当の方が、入社してすぐに連絡をくださったり、WelcomeLunch!を設定してくれたり、会社全体でオンボーディングを実施してくれていて、とても嬉しかったです。

②法務室でのオンボーディング
・法務室長からのミッション・ビジョン・十戒の説明
うちの会社では、法務室にミッション、ビジョン、十戒が定められてます。法務室の他部門や事業への貢献の方針、行動指針が定められてます。
こういうのがあると原点に帰れるというか、自分の拠り所ができるので、私はありがたいです。部内の意識統一にも繋がりますよね。
内容を公開はできませんが、大切なことばかりです。
近しいものだと、日清HDさんの法務の十戒があるということで参考にリンクを貼らせていただこうと思います。

・法務室内の雛形、利用規約などの説明
当社は利用規約や約款を用いた契約を主としています。そのため、当社では利用規約や約款の内容について、よくある質問などをFAQという形でナレッジを蓄積しています。
まずは、FAQを用いて、当社の契約の構造を把握することが大切だと説明してもらいました。
その上で、イレギュラー対応で利用したり、日常よく利用する雛形の保存先などの説明を受けました。

・メンター制度と1on1MTGの文化
法務室ではメンター制度をとっています。
いくら実務経験があっても、会社のことを知るまでは仕事がなかなかうまく回っていくことはありません。そのため、うちの会社ではメンター制度を導入しており、慣れるまでの間毎日30分夕方に1on1での相談ができるようになっています。案件の相談でも構いませんし、会社で困ってること、雑談でも何でも構わない自由な時間をもらえています。
このように相談窓口が一本化されており、入社直後に誰を頼っていいか分からないという頻発する悩みを解消しています。
しっかり、夕方までに案件についての疑問を整理しておけば、30分でその日の案件の疑問は解消されるので、すごくいい制度だと思っています。
もちろん、その他の時間でもメンターや先輩たちにはフランクに連絡してよく、疑問質問を投げる用のSlackチャンネルも用意されています。
この施策を支えてるのは、間違いなくうちの会社にある、1on1文化だと思います。
私が入社して、3日以内には、役員クラス含めて部内のみなさんとの1on1が終わりました。ゆっくり30分から1時間程自己紹介を兼ねてお話させてもらいました。みなさんから、心待ちにしていたよーと言ってもらい本当に嬉しかった。
入社直後は、新入社員が自己紹介を一方的にすることが多い中で、お互いに自己紹介をし合うことで、コミュニケーションのハードルを下げることを徹底して行っていると強く感じました。

・歓迎会
うちの会社では、入社前から二回試験の合格のお祝い会を実施してくれていて、入社前から滑らかなオンボーディングが実は始まっていたんじゃないかなと思うほどです。
入社してからもオンラインで歓迎会を実施してもらい、私のことを知ろうと色々な企画をしてもらい楽しい会になりました。

・その他
他部門との連携のための顔合わせの時間をいただけたり、ハブになってくださる各部門の方のご紹介を受けたりもしました。
また、経費精算などの社内ルールの説明も丁寧に実施してもらいました。

4.個人でのチャレンジ

次に、私が1ヶ月意識して行動していたことをお伝えしたいと思います。

・会社の事業理解
私が法務の仕事で一番大切だと思っているのは、徹底した事業理解です。現場がどこに向かっているのかを知らないと、正しい方向に背中を押してあげられない。
入社してからは中途社員研修の資料の読み返し、わからない言葉や略語を調べて、辞書を作るってことをしていました。
あとは、会社のブログの読み込みなどをしていました。どんな人がいて、どんなことを考えていて、5年後10年後100年後どこに向かっていくのかを知りたいと思い、こつこつやっています。

・利用規約や約款、雛形の徹底的な理解
上にも書いた通り、事業法務を担当する上で、一番大切なのは、事業理解です。それを支えているのは、契約だと思っているので、まずはそこを理解しようと利用規約や約款、会社で使われてる雛形を読み込むようにしました。暇な間にやる方がいいと思い、始業後1時間と空き時間は読み込みに時間に当てていました。疑問があれば、FAQで調べ、先輩に聞いていました。
このおかげで、現場からの質問も何となく当たりがつくようになったと思っています。
あとは、Slackの各チャンネルを追いかけて、どんな案件が走っているのか、どの部門とどう連携したいるのかなども確認していました。

・関係法令やそれに関するガイドラインの理解
事業会社で働いていると事業ごとで様々な関係法令やガイドラインが存在していると思います。ここを押さえておかないと検討漏れが発生する。

どこまでやるねん!

そんな声が聴こえてくる気がもしますが、そこは先輩たちにどんなガイドラインがあるのかを聞いて、勉強の対象を絞りました。そうすれば、漠然としていた勉強対象が明確になります。複数人が大切だと言った共通項から始めていく。あとは、MTGで出てきた関係法令やガイドラインはメモしておいて、後で調べてみる。
そうすれば、自ずと会社を取り巻く法律関係の全体像が見えてくるかと思います。

・図々しく電話!Zoom!
ほんと、最初は怖かったんですが、現場の担当者でも法務の先輩でも図々しく電話やオンラインMTGをするようにしていました。

1月からジョインしたところなので、よかったら事案と事業のことを理解したいので、MTGさせてもらえませんか?

と丁寧に伝えたら、断る人は一人もいませんでした。またいきなり電話しても、嫌がる人は一人もいませんでした。

むしろ、現場から

丁寧なフォローありがとうございます!
迅速な対応ありがとうございます!
本当に助かってます!

と感謝の言葉をいただくことが増えてきています。

リモートワークの中で、コミュニケーションが減っているため、いつもより少し多めのコミュニケーションを取る意識で、丁度いいんだと実感することができました。
法務の先輩たちも、電話してもMTGセットしても嫌がる人は一人もいません。いつでも優しく、何でも相談してねー!困ったら、すぐ電話でもDMでもくれたらいいからねー!と言ってくれてます。忙しい時はきちんと断ってもくれますし、おかげで遠慮なく相談することができます。

・案件のレスポンスは1日以内に実施

一次回答は1日以内に送信する。

これは法務室の共通認識です。
先輩たちがこれを実践しているからこそ、自分もやらないと!と思い、心掛けていました。
おかげで、上の現場からの感謝の声に繋がったのではないかなと思います。

5.おわりに

私の中で安心して働くことできている要因を最後に書いておきたいと思います。
一つ目が、上司からの言葉です。

最初の3ヶ月は、環境変わったところで、生きた心地しないのが普通だよ。息して、体調崩さずに、1ヶ月働けただけで120点だよ!

1ヶ月が経ったタイミングでこのような声かけをしてくれました。環境が変わったところで、好奇心旺盛な私が頑張りすぎることについて、気にかけてくれていたおかげで自分なりに調整して、仕事やプライベートを充実させてることができました。

もう一つは、私の好きなミッションとビジョンです。会社のミッション、ビジョンは全て共感しているのですが、3つ取り上げたいと思います。

Mission
新しい可能性を、次々と

Vision
価値あることを、正しくやろう
変わり続けるために、学び続ける

この想いが会社全体に流れ続けています。
ミッションとビジョンを我々が体現しようという強い想いを日々業務を通じて感じているところです。

法務部内でいうと、一人一人の働き方や仲間の思想や思考を否定することなく、それぞれの強みを活かしていくことを大切にしています。
法務室長は、

人には適材適所がある。
マネジメントが働きやすい環境をいかに作ってあげるかが大切なんだ。
だから、何でも相談してほしい。

と言ってくれます。法務室内でも、かなり働きやすいという言葉を発してられる方が多くいます!
自分たちの仲間や事業の可能性を信じて、社会にその想いを実装しようとしていることにものすごく共感しています。

価値あることを、正しくやろう!
この文化のおかげで、法務はすごく仕事がやりやすい。理屈と関係法令の背景を説明さえすれば、事業部が次にどうしていくかを法務と一緒に議論してくれる。ワンチームで、社会にとって、ステークホルダーにとって価値あることを正しくやれる土壌がここにはある。

私は、勉強や学ぶということが好きな人です。
部内でも、日々勉強されて自己研鑽を積まれている方が多くいます。学びな人との出会いを自分の夢やキャリアを切り拓いている先輩が多くいるのは、励みになる。
また、部内でも定期的に重要な論点について、勉強会が実施されています。
学ぶことを止めない、成長することに諦めない文化があることに感謝しています。

最後に、私は昨年司法修習に参加していたため、10ヶ月も入社まで待ってもらっていました。粘り強く、コミュニケーションを取ってくださり、滑らかなオンボーディングを実施してくれたメンバーには感謝が止まりません。ありがとうございます。
環境が変わったところで大変ですが、新しい仲間と一緒に、新しい未来を作り続けたいと思います。

-おわり-

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自分なりのいいやつを突き詰める! 大阪大学法科大学院卒→2017年司法試験合格→2019年まで東証一部上場企業(メーカー)で法律の仕事(ビジネス法務・知財法務)→司法修習生(73期)→2021.1〜IT企業法務部