見出し画像

法務のタスク管理と対応のコツ♪

伝えたいこと
案件をざっと振り分けてみる
自分でボールを止めない
顧客の期待値を適切に調整する
ナレッジを共有する

法務歴が3年弱のビギナーの私ですが、ありがたいことに、さまざまな案件を事業部から相談してもらいます。そんな中で、案件を対応するにあたって、私が工夫していることをお伝えできれば、いいなと思います。

案件をざっと振り分けてみる

納期に余裕があるもの/ないもの
案件の額が高いもの/低いもの
契約書作成が難しいもの/優しいもの
リサーチが必要なもの/不要なもの
打ち合わせが必要なもの/不要なもの
他部門への共有が必要なもの/不要なもの
上司のレビューが必要なもの/不要なもの
etc...

私は、上に書いたパターンをなんとなく頭に浮かべてみて、対応にかかる時間を想像しています。

打ち合わせをしてみないと分からないこと、契約書を作ってみないと分からないこともあると思います。そんな時は、その時に優先順位や対応を考えればいい。

大切なのは、まず自分の中で、
5分で終わる案件
30分で終わる案件
1時間で終わる案件
2時間で終わる案件
それ以上かかる案件
などの区別の基準を持つことが大切だと考えています。

そうすれば、1日の中で打ち合わせと作業時間がある中で、隙間時間でやれることから順番にぱぱっとやれるようになります。

自分でボールを止めない

自分でボールを止めない。
私はこれを座右の銘にしたいくらい大切にしています。

わ!知らん間に10件もたまってるやん!

こんな時ありませんか?
私は繁忙期によくあります。ゾッとします。
期日までに回答間に合わんのちゃうかなと不安になることもあるかと思います。
こんなときに、
①相談者である事業部が何をしたいのか
②質問事項や確認事項はないか。期日がいつか。
③これにはどのくらい時間がかかるのか
を相談内容を確認し、考えてみます。
その上で、質問がある場合には、それぞれの案件について質問を投げてしまいます。また、期日が不明確な場合には期日を確認します。
そうすれば、質問への回答を待っている間に、別の案件の対応が可能になります。
もちろん、質問がなく、すぐに解決可能な場合には、回答を戻してしまいます。
こうすれば、実は手持ち案件にも余白が生まれるのです。

期待値を適切に調整する

件名 急ぎで対応をお願いします!
本文 〇〇会社との契約書を作ってください!
過去にも同様の契約を結んでいるので、大丈夫だと思うんですけど。
添付 なし

こんなメッセージがあったとします。
よく見るメッセージかなと思うのですが、あなたならどうしますか?

・別の案件が片付くまで、返信しない
・とりあえず返信だけして、回答期日とその期日である理由と過去締結した契約書をもらう

どちらが事業部は安心するでしょうか?
すこし極端な例になってしまってますが、返信があったほうが安心しますよね。

お客様にも回答の目安をお伝えできるし、事業部内での調整もできると思います。

自分にとっても、期日を聞いておくと、対応の優先順位が決められるので、安心できますよね。

難しい事案なのに、急ぎと言われてしまったら、内容を確認し次第、
・対応のために、なにをしないといけないか
・通常どのくらいかかるのか
を伝えておけば、事業部門も理解してくれることが多いと思います。質をきちんと担保できる作業期間を確保することもプロとしては重要だと思っています。
きちんと対話をして、相手のニーズを適切に満たすことが大切ですね。

優先順位ってどうやって決めるの?

対応期限✖️事業インパクト

私はこのように考えています。
しかし、対応する順番は、

①5分で終わる仕事
②対応期限✖️事業インパクトが高いもの

という感じで考えています。
深く考えたり調べなくてもいい仕事から、まず終わらせてしまって、重要な案件な時間を割くようにしています。あとは、優先順位が同列の場合には、空いている時間で終わらせることができる案件を順に対応するようにしています。

自分なりのTodoリスト

みなさんは、どうやって案件管理されていらっしゃいますか?

私は、会社で案件が一元管理されているので、自分の手持ちの案件が基本的には一覧になっています。
その上で、各案件のステータスを、処理中/相談者への質問中/解決済みに分けて管理しています。

もちろん、社内のチャットツールで連絡や質問が来ることもあるので、そんな時は漏れがないように気づいたときにリマインダーの設定とブックマークをするように心がけています。

事業部からの問い合わせ以外にも、法務室でのPJ、全社的なPJ、経費対応や採用活動などの業務などがあると思います。

私は法務相談ではないものについては、PCの付箋機能を使って、Todoリストを管理しています。

Todoリストのコツは、リストを作ることにこだわりすぎない。無理に一つにまとめなくても、効率よく案件さえ漏らさなければいいのです。

あとは、朝に今日やる仕事をざっと想像してみて、夜は簡単に日報を書いています。予習と復習ですね。復習がナレッジの共有につながってきたりします。

ナレッジ作成・共有

私は、①よく質問のある法令やそれに関するガイドラインをブックマーク・読み込み②よくありそうな質問事項を、過去の先輩の回答や自分の回答をベースにして、FAQで整理しています。

何より大切なのは、法令、ガイドライン、自社雛形・利用規約などに関するインプットを怠らず、それを発信することだと思います。

私は、事業部門への法務情報の発信、法務メンバーへの法務改正情報などのシェアなども実施してます。

こうすることで、ナレッジを法務内に限らず、お客様から質問を受ける事業部門の皆さんにも共有することができます。

よくある質問について、事業部門と共有できれば、回答スピードがあがりますし、業務効率化のためのオペレーション変更などにもつながってくると思います。

個人的には、事業部門へのナレッジ共有/法務でのナレッジ共有/自分の中でのナレッジ作成と考えて整理しています。

全体への共有:雛形の共有や利用方法の説明、よくある質問についてのFAQなど
法務内での共有:法改正情報、イレギュラー対応の処理方針、行政のガイドライン、有益な書籍やサイトの情報、社内でのはじめての対応事例など
自分の中でのナレッジ:よく参照する本やサイト、先輩の過去の回答の整理など

ナレッジを蓄積するのはとても大切です。

すぐに回答できる案件=ナレッジがある

という状態だと考えています。
汎用性がありそうな事案については、できる限り保存し、法務メンバーにもシェアすれば、案件を非常に効率化できると思います。
少なくとも私は、先輩が作成していたナレッジやFAQを参考に回答することができたので、すごく助かりました。

おわりに

ついつい、自部門だけが忙しいと思ってしまったり、自分だけが忙しいと思ってしまうことがあると思います。
けど、会社での仕事は役割分担をしているだけで、それぞれの持ち場をしっかりと担ってくれています。
例えば、契約書を作るのが法務/契約交渉は営業さん、ブランドを考えるのがブランド担当/商標登録するのは知財担当などですね。

役割分担でみんな精一杯やってるんだなーと思えるようになってからは、心がすこし軽くなったように思います。こう感じられたのも営業さんと対話して、営業資料や営業ルールを把握して日々どんなことをしているのか想像ができるようになったからだと思います。

この前、リーガルフォースさんのセミナー「法務ビギナーズデイ」でも、Airbnb様の渡部さんやサントリー様の明司さんが

社内には敵はいない
同じ目標に向かってる仲間です

とおっしゃっていましたが、私もその通りだと思います。仲間と共に、未来を作っていきたいと改めて感じられるセミナーでした。

こうやって役割分担を適切に果たしていけば、目の前の事業は確実に成長するし、事業成長に貢献できない部門なんてありません。

現場からはすこし遠い存在の法務かもしれませんが、事業を推進する法務を実現していきたいと思っています。

今日はこの辺で。

-おわり-

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?