これまでに発表された支援策(2020年4月8日午後2時更新)

1.これまでに発表された支援策
■納税猶予
●国税庁ホームページ『新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ』
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan.htm
・新型コロナウイルス感染症の影響により、国税を一時に納付することができない場合、税務署に申請すれば、法令の要件を満たすことで、原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められます(国税徴収法第151条の2)。
・また、新型コロナウイルス感染症にり患された場合等、個別の事情がある場合は、納税の猶予(国税通則法第46条)が認められる場合もあります。

●『収入2割減で納税猶予コロナ対策、社会保険料も』(共同通信、2020.4.2)
https://this.kiji.is/618252584483177569
・政府、与党は2日、新型コロナウイルスの感染拡大で経営が苦しくなった企業の税金や社会保険料の支払いを猶予する制度の適用要件を固めた。
・2月以降の収入が、1カ月間に前年から2割以上減少していることを条件とし、通常は必要な延滞税の支払いや担保の提供も免除する。
・売上高が急減した企業には、固定資産税と都市計画税を全額免除する方針も固めた。
・対象となるのは法人税や消費税などほぼ全ての税金と、年金や健康保険といった社会保険料。

■税制優遇
【検討段階】
●『イベント事業者の資金繰り対策で税の優遇措置へ 政府・自民』(NHK、2020.3.31)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200331/amp/k10012358841000.html?__twitter_impression=true
・収入が30%以上減少するなどした企業に対し、法人税や消費税などの納付を1年間猶予するほか、売上高の減少が続く中小企業は設備や建物にかかる固定資産税の半額か全額を免除する方向で検討
・チケットの払い戻しを求めなかった購入者を対象に、その金額を寄付と見なして所得から差し引くなど税制上の優遇措置を講じ、事業者の払い戻しを抑えて、手元に資金を残せるよう支援する方向で調整に入った
・赤字が生じた中小企業が過去にさかのぼって法人税額の還付を受けられる措置の対象を、資本金が10億円以下の大企業にも広げる
自動車の取得時にかかる燃費性能を基準とした税金は、税率が1%引き下げられる軽減措置の期限を来年3月末まで半年間延長することを検討

●『主要税の納税を当面猶予へ 中小企業の固定資産税減免も コロナ対策で政府・与党方針』(毎日新聞、2020.3.25)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200325-00000120-mai-soci
・消費税や所得税、法人税など主要な税金の納税を当面、猶予する措置を盛り込む。現行の猶予制度の要件を大幅に緩和し、対象となる企業を拡大する。→猶予期間は不明

・中小企業などには固定資産税の減免も検討し、事業継続や雇用維持につなげる。→減免幅と期間は不明

■雇用調整助成金
●『「雇用調整助成金」さらに拡充へ 政府 与党 新型コロナ対策』(NHK、2020年3月26日 )
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200326/amp/k10012350671000.html?__twitter_impression=true
・助成率を大企業は4分の3に、中小企業は10分の9にそれぞれ引き上げる→自民党内で案として検討されている段階

■生活福祉資金
●『生活福祉資金の特例貸付が本日から開始ー状況次第で10〜80万円がもらえる償還免除もありー』(藤田孝典、2020.3.25)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200325-00169705/

■現金給付
●『<新型コロナ>収入減世帯に現金給付 経済対策大枠、56兆円規模』(東京新聞、2020.3.26)
https://amp.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/202003/CK2020032602000147.html?__twitter_impression=true
・現金給付は新型コロナウイルスの影響で生計の維持が難しくなった世帯に最大二十万円を貸し付ける制度の仕組みを活用し、返済を不要とする。市区町村の社会福祉協議会で申し込みを受け付ける。金額を詰めた上で五月中の給付を目指す。政府は今月二十七日に二〇二〇年度予算が成立次第、二〇年度第一次補正予算の編成に入り、四月十日前後に閣議決定する。

・無利子無担保の融資を含む金融措置は既に一兆六千億円を確保しているが、七兆円前後増額する。

【奨学金】日本学生支援機構『新型コロナウイルス感染症に係る影響を受けて家計が急変した方への支援』
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/kakei_kyuhen/coronavirus.html

●『政府系金融機関が土日も窓口相談 新型コロナ』(NHK、2020.3.27)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200327/amp/k10012353451000.html?__twitter_impression=true
・日本政策金融公庫、商工中金、沖縄振興開発金融公庫

●新型コロナウイルス感染症関連 経済産業省の支援策(2020年3月27日時点)
https://www.meti.go.jp/covid-19/index.html
・資金繰り支援(貸付・保証)
・セーフティネット保証4号・5号
・セーフティネット貸付
・マスク生産設備導入補助事業
・生産性革命推進事業
・中小企業・小規模事業者向け相談窓口
・現地進出企業・現地情報及び相談窓口(ジェトロ)
・新型コロナウイルスの流行に伴う輸出入手続きの緩和
・下請中小企業への配慮を求める親事業者への要請
・個人事業主・フリーランスへの配慮を求める発注事業者への要請について
・新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)
・新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた就職・採用活動及び内定者への特段の配慮に関する要請
・児童生徒の学びの機会提供を行うEdTech事業者の取組支援
・新型コロナウイルス感染症対策の支援情報公開・検索サービス
・情報通信関連企業によるテレワーク導入に対する支援情報
・新型コロナウイルス感染症に伴う株主総会開催に関するお問い合わせについて
・遠隔健康相談事業:3月11日(水曜日)~3月31日(火曜日)

■事業者への給付
●「持続化給付金」
・フリーランスを含む個人事業主に最大100万円、資本金10億円以下の中小企業に最大200万円の現金を給付する。納税書などで今年1月以降の月収が50%以上減少していることが証明できれば、減収分の12カ月分を上限に支給。約130万社の活用を想定している。オンライン申請の場合、申し込みから支給まで2週間程度を想定している。
【問題点】
・支援策が実施されるのは早くても補正予算成立後の5月以降となる見通し。緊急事態宣言の発令による休業で企業業績の悪化に拍車がかかるとみられており、中小企業の間ではこの1カ月間の資金繰りへの不安が高まっている
・東京都葛飾区のある機械製造会社は、3月の売上高が前年同期比で6割減少。男性社長(68)は「政府の支援金支給まで間に合うわけがない。4月末には閉めることになるかもしれない」と話している。
『新型コロナ 緊急経済対策 企業支援、時間との闘い 現金給付は「小粒」』(毎日新聞、2020.4.8)
https://mainichi.jp/articles/20200408/ddm/008/040/115000c?cx_testId=99&cx_testVariant=cx_4&cx_artPos=1&cx_type=collabctx&cx_recsMode=collabctx&cx_testId=99&cx_placement=1000&cx_campaign=4#cxrecs_s

■無利子無担保融資
・無利子・無担保融資は3月中旬、日本政策金融公庫などの政府系金融機関が開始。新型コロナの影響で売上高が15%以上減少した事業者には無利子で貸し出していたが、申し込みや相談が殺到していたため、民間に対象を広げる。

・地方自治体が実施している「制度融資」の枠組みを活用。一定の条件を満たした事業者が自治体の認定を受けた後、信用保証協会や金融機関の審査を受ける。返済不能になった場合に信用保証協会が借金を肩代わりする「信用保証」がつけられるため、民間金融機関には貸し倒れリスクがほぼない。政府関係者は「普段付き合いのある地銀などを活用すれば、審査が早くなる」としている。

『新型コロナ 緊急経済対策 企業支援、時間との闘い 現金給付は「小粒」』(毎日新聞、2020.4.8)
https://mainichi.jp/articles/20200408/ddm/008/040/115000c?cx_testId=99&cx_testVariant=cx_4&cx_artPos=1&cx_type=collabctx&cx_recsMode=collabctx&cx_testId=99&cx_placement=1000&cx_campaign=4#cxrecs_s


■休校関連
●『休校に伴う助成金の受付開始 口頭契約のフリーもOK』(朝日新聞、2020.3.18)
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASN3L5WBNN3LULFA01T.html?iref=sp_rellink_05
・申請には発注元と結んだ契約の書面が必要だが、口頭の契約で書面がない場合でも、発注者の協力をえて、厚労省指定の様式で書面を作れば受け付ける。
・フリーランス向けの助成金は「小学校休業等対応支援金」。対象はフリーランスのうち、発注元と業務委託契約を結び、仕事の内容や働く日時、報酬の算定方法が指定されている働き手だ。働き手が自己申告し、要件を満たせば、仕事を休んだ1日あたり4100円が国から支払われる。
・申請には、厚労省のホームページからダウンロードする申請書、子どもが同居する世帯全員が載っている住民票、休校期間がわかる学校の書類に加え、発注元と結んだ業務委託契約の内容を記した文書や電子メールの写しを書面で送る必要がある。
・企業に雇われた保護者が年次有給休暇とは別に有給で休んだ場合に、1人あたり日額8330円を上限に企業に支払う助成金も18日、申請の受け付けを始めた。
・いずれの申請も6月30日までに、都道府県ごとに決められた申請先に書類を郵送する。

■療養場所の確保
●『軽症者は自宅やホテルで療養借り上げ費、補正予算へ盛り込み』(共同通信、2020.4.2)
https://this.kiji.is/618440578296808545

■教育
●『オンライン授業、標準授業時数に認める措置を検討 文科相』(教育新聞、2020.4.3)
https://www.kyobun.co.jp/news/20200403_07/

●『ネット授業も著作物の利用自由に文化庁、コロナで新制度前倒し』(共同通信、2020.4.3)
https://this.kiji.is/618746464770851937?c=39546741839462401
・利用に伴う補償金は、2020年度は免除する方向で関係団体が検討している。

■通信
●『小中学生家庭にモバイルルーター低所得対象に貸与、全世帯の2割』(共同通信、2020.4.2)
https://this.kiji.is/618442084358784097
・ただ、毎月発生する通信費は含まず、国や自治体、家庭の負担の在り方をさらに詰める。

●『携帯3社、学生の通信費負担を軽減 オンライン授業支援』(日経新聞、2020.4.3)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO57607290T00C20A4MM0000?s=3
・ただし25歳以下
・通信プランの追加料金を一部無償化する方向

■自治体財政への支援
●『政府、コロナ対策で自治体に臨時交付金』(日経新聞、2020.4.3)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO57613270T00C20A4MM0000?unlock=1&s=3
・軽症の感染者を宿泊させるホテルを確保する際の費用負担など、幅広い使途にあてることを想定している。

2.約束が破られた政策
●マスクをお届け(2020.2.12)
経済産業省ツイート「マスクを慌てて買い置きしなくても大丈夫です。厚労省や企業の皆様と連携し、毎週1億枚以上、お届けできるようになりました。花粉症などマスクの必要な時期が続きますが、風邪や感染症の疑いのある人にマスクを届けるため、ご協力をお願いします。#マスクの使い方を考えよう #新型コロナウイルス対策
https://t.co/LikIwPqi5r

3.支援が届いていない状況
●『中小の資金繰り深刻 融資実行件数、申し込みの半分』(日本経済新聞、2020年3月27日)
https://r.nikkei.com/article/DGKKZO57290230W0A320C2EA1000?s=3

●野口悠紀雄『コロナ倒産の連鎖防止「納税猶予」が有力な理由今の経済活動にいちばん必要なのはマネーだ』2020年03月29日
https://toyokeizai.net/articles/amp/340069?page=3
「アメリカ政府は、総額3000億ドル(約33兆円)の納税猶予措置を決定しました。
イギリス政府は、総額300億ポンド(約4兆円:イギリスGDPの1.5%)の付加価値税の納税の延期を決定しました。
では、日本ではどうでしょうか?
これまであった納税猶予の制度をコロナ関連にも適用することが、3月13日に国税庁の通達で明らかにされました。
しかし、これは上述のような欧米の措置に比べると、規模の点でも条件の点でも、まったく比較にならないほど限定的なものです。
猶予額はコロナによって損害を受けた額に限定されますし、申請と審査が要求されます。また、担保や延滞税を要求されることもあります。
この状態を一刻も早く転換させるため、無条件かつ大規模な納税猶予を決定する必要があります。現時点の報道によると、財務省・国税庁は、「消費税や法人税などの納付を最長6年猶予できるようにする方針」だとされます。しかし、これでは、不十分です。零細自営業者を救うため、所得税をも対象に含める必要があります。」

●『首相記者会見 首相、現金給付の意向表明』(産経新聞、2020.3.28)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200328-00000554-san-pol
「当面のキャッシュ(現金)がない人」など対象を限定する意向も示した。

●『日本人留学生受難 奨学金停止、すぐ帰国できず… 文科省「柔軟対応」転換も不安消えず』
・奨学金停止の可能性や帰国手段確保の難しさ、帰国時の2週間待機の場所・費用の手配
・「航空券やホテル、留学先でのアパートのキャンセル料など、緊急帰国のための費用は自費。経済的な問題を抱え帰国できない留学生は多い」
・「公共交通機関を使えないと地元に帰れない」「ホテルなどに滞在するお金がない」
・「帰国便や待機場所の費用は自分にはまかないきれない。日本政府などに支援してほしい」
・高松さんと有志の留学生は、現地にとどまる判断をしたり、帰国して航空券や待機場所の費用など追加の負担を強いられたりした日本からの留学生のために奨学金継続を求め、ネット上の署名サイトで21日から賛同を呼びかけてきた。日本学生支援機構などからの奨学金支給は、「感染症危険情報」の「レベル2」以上の国・地域(24日で41)で停止される規定になっていたからだ。
【今のところの対応】
・萩生田文科相は24日の衆院文部科学委員会で、奨学金について「柔軟な取り扱い」を検討すると発言した。帰国後の待機についても「サポートしていかなければならない」と述べた。
・文科省も24日、ウェブサイトで、一時帰国後もオンラインなどによる留学先大学の受講継続が確認できる場合や、速やかな帰国が困難な場合には、奨学金の支援を続ける方針を示した。留学を中断した場合、再開後は残額が支給される。
【今の対応の問題点】
・「帰国要請をされているのは今なので、『いつ、どれだけ補助される』などの具体的な指示がなければ、帰国を決定する際の判断基準にはならないと思う」
・「遅きに過ぎる、という感も強い。奨学金が今後も出ることがわかっていれば、留学を継続したのにという学生もいるだろう。帰国した学生の多くは、一時帰国か留学の完全断念かの選択を迫られたはずで、この判断も奨学金があれば変わっていたはずだ。文科省から判断の大枠は示されず、大学、学生に丸投げだった」

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