研修(勉強会)カリキュラムの作成、実施のための7つの確認ポイント

ありがたいことに、これまで、ワークショップや企業研修を経験させてもらった。

主催したり、顧客と作り込んだり、その経験の中から研修(勉強会)などのカリキュラムを作成、講師や事務局として実施する際の確認ポイントを7つにまとめたので、メモ程度に残しておく。

みなさんの参考になれば幸いです。


①目的

まずは目的をしっかり設定しましょう。

主催者であれば研修を開催する目的を具体的に持つ必要があります。

講師であれば研修を提供する目的を持ちましょう。

研修において、講師の目的は伝える必要はありませんが、主催者とのすり合わせはとろも大事です。

研修全体の目的(主催者、講師)の目的が定ったら、提供するカリキュラムに応じて各セッションの目的も明確にしないと行けません。

研修で提供される場面は大きく分けて4つです。


インプット(知識習得)

シミュレーション(擬似体験)

アウトプット(表現)

リフレクション(内省・振り返り)


この4つの場面にもそれぞれ目的があります。研修全体の目的と照らし合わせて場面を組み合わせたり、目的を設定する必要があります。


②つながり

4つの場面の他に、研修全体を見渡すと、アイスブレイク、チェックイン、チェックアウト、自己紹介、休憩、昼食時間、などなど研修内容の目的から少し離れていそうなセッションがあるのも研修です。

しかし、これにもとても大事な要素が詰まっています。

例えばアイスブレイク。これは緊張をほぐす、はじめて同士の関係性を構築するなどの目的を持って実施します。

その観点でみると、いつもの仲間との勉強会ではアイスブレイクはそんなに必要が無かったりします。むしろいつもの関係性を壊して、新しい関係性が生まれるような仕掛けが必要であったりします。

研修で提供される4つの場面に対してどのように意識してつなげるのか、その繋がりを意識しましょう。

昼食や休憩のタイミングや取り方、時間の設定も同じように大事です。

各セッションの繋がりを残す必要があるので、前後の説明や「問い」の投げ方がとても大事です。

もちろん提供されるセッション(場面)についても大事です。それぞれのセッションが目的に向かっていることを前提として、それぞれが目的に向かって繋がっているか、あえて繋がりがないのか、こんな意識も大事ですね。


③「問い」の質

私は研修を提供する中で一番大事なところが「問い」だと思っています。

いくら最新の情報を提供しても、受講者が使えるようにならないと提供する意味がありません。使えるようになるためには、提供した情報、擬似体験、事例に自身の経験とつなげるひつようがあります。

それが「問い」です。

つまり、受講者の過去の経験や知識につなげてあげるということです。

「問いの質=研修の質」といっても過言ではありません。

問いの質を高めるためには、受講者の現状をよく把握し、「問い」を考えるための範囲や条件を適切に示す必要があります。

適切に示すことができれば、過去の情報や経験と新しい気付きやこれからの行動にフックがかかって、行動変容が起こる「気付き」になります。

「問い」とても大事です。


④学びのバランス


提供する場面は主にインプット(知識習得)、シミュレーション(擬似体験)、アウトプット(表現)、リフレクション(内省・振り返り)とお伝えしました。

研修全体の時間を通して、そのバランスをしっかり考える必要があります。

インプット中心の研修もあります。しかし、受講者の目的は情報をインプットすることではなく、情報を使えるようになることです。なのでシミュレーションを通した擬似体験があったり、事例でイメージしやすくすることが多いのですが、これだけでは使えるようにはなりません。

考えたこと、気づいたことをアウトプット(表現)する場面や自身でリフレクション (内省・振り返り)する場面があることでインプットした情報を使う時に有効的です。

アウトプットやリフレクション の時間を必ずどこかに入れておく、そして研修の外にも入れておくとバランスのインプットやシミュレーションから自身の経験に結びつく研修になります。


⑤環境設定


環境設定もとても大事です。研修や勉強会は短くて60分、長いと1日、数日におよぶ場合もあります。ストレスなく集中して学べる環境が整えられているか確認しましょう。

たとえば、声。きちんと全員が聞こえる環境でしょうか。

プロジェクターで表示された文字は会場の一番後ろから見えるサイズでしょうか。

その他にも室内の温度、席の配置、プロジェクターの見え具合、ホワイトボード(マーカーの太さ)、ワークショップ的なカリキュラムを入れる場合はポストイット、マジック、模造紙などの道具。

マジックの太さや色にも気を使いながら環境を設定します。


ちなみに私が研修会場に到着してまずすることは、空気の入れ替えです。


⑥人材像

そして提供した研修を通して、受講者がどのように成長していくのかイメージを強く持つ必要があります。

このイメージがないと、研修を提供する目的が明確であったとしても目的に向かうトルクがかかりません。

目の前にいる受講者を成長させるための研修ですので、その後の姿をしっかりイメージしておく必要があります。


⑦主催者・講師としての本気度

そして、最後になんといっても必要なのは、主催者・講師としての本気度です。

研修を通して受講者に成長してもらいたい熱意がどれだけあるか、これがないことには、良い研修を作る、実施することができません。



どうでしたか?

参考になりそうでしょうか。

最初メモ程度に書いてありましたが、意外と反応があったので、きちんと行間を埋めるように書き直しました。


研修を主催したり、講師として提供する際の何かしらのヒントになれば、そして私も振り返ってチェックする時に使いたいと思います。


※研修を提供する前提として
受講者の現状(モチベーション、役割、立場、権限、年齢)を把握する必要があります。
また、受講者が成長するために、将来のありたい姿(予め会社が設定する場合もあれば、自身で明確にさせる場合もある)を確認して進める必要があります。

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