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2年後にリーダーとなるキミに伝えたいこと。

こんにちは。森(@hiro0524)です。前回のnoteで、未経験から運用型広告の仕事を始めてなんとか踏ん張るまでに僕が行ったことをまとめました。

今回は、未経験からリーダーになるまでに僕がどんなことを考えていたか?を振り返ってみました。

このnoteは、僕自身の備忘録を兼ねてます。なのでこれを伝えたい人の具体像は、入社直後の自分自身だったりします。ただ、入社直後の僕は本当に右も左もわからずの危機的状態でした。2年後の自分がどうなっているかなど、想像をする余裕もなかった記憶です。このnoteの内容をあの頃の自分に届けたく思う一方で、淡々と事実を並べるだけでは、当時の自分は恐らく聞く耳を持たないだろうな...とも考えました。

なのでこの記事は、当時の自分に向けた手紙風の文章でまとめてみました。決して他人事じゃあなく、自分ごととして話を聞いてくれよ、2016年の自分。との思いを込めて。

はじめに

2016年の自分へ。僕は2020年の君自身だ。まだ新しい仕事を始めたばかりで余裕のない君は夢にも思わないかもしれないが、2年後の君はリーダーの立場で、独り立ちをしている。自分でチームメンバーの採用に挙手をして、チームで受け持つ仕事の全てに責任を持つ立場だ。お察しの通り、その間に君が経験することは決して楽しいことばかりでない。しんどいこと経験もすることになる。ただ、安心して欲しい。僕が今こうしてコレを書いているように、君はその全てを乗り越える。この記事には、いまから2年間で君が考え続けるべきことをまとめた。最初から全てを理解してもらうことは難しいかもしれないが、少しずつ立ち止まりながらでも目を通してもらえると嬉しい。

代表や先輩の思考を追い続けよう

今の会社に在籍されている先輩たちは、全員がもれなく運用型広告の経験者だ。広告運用だけじゃなく、何十何百というお客さんのビジネスに触れてきて、その何倍もの人数のお客さんとコミュニケーションを経験されている。それでいて、今現在も運用型広告やマーケティングに関する多くの知見を毎日欠かさず追い続けている、すごい人たちだ。

そのすごい人たちに共通する、すごい部分が、一つある。それは新しく得た知見を、毎日のように外部に発信し続けてくれることだ。自分の頭の中だけに知見を溜め込むことをしない。気になった業界ニュースや重要なアップデート情報、ご自身の業務中に上手くいったこと上手くいかなかったあらゆること言語化をして、社内チャットやSNSで発信をし続けてくれている。

最初は、先輩たちの発信する情報をただただ追うだけでいい。何も知らない君には多くの理解ができないだろう。でも、それでいい。まずは情報を追い続けることが大事だ。情報を追う際に気にしておきたいのは、先輩の投稿する内容を見ると同時に、先輩はなぜこのタイミングでこの情報を発信したのか?の背景まで妄想すること。それを続けるだけで自然と仮説検証のトレーニングになるし、先輩が見ている世界を少しずつ理解できるようになる。もし先輩と雑談をするタイミングがあれば、気になる情報を発信した背景について直接質問をしてみてもいいと思う。そこには必ず理由があるし、先輩たちはその理由を喜んで教えてくれるはずだ。幸いにも君が所属するチームは、上司が毎日、必ずチームミーティングの時間を作ってくれる。質問をするチャンスは十分にあるはずだ。

慣れてきたら次は、先輩が投稿するであろう情報を先読みしよう。「先読み」の具体的な方法はこんな感じだ。

・先輩がよく投稿するニュースサイトをRSSやブックマークに登録する
・個人で毎朝をそれらのサイトを見に行く習慣を作る
・新着記事の中から先輩が興味を持ちそうな記事に目星をつける
・先輩がどの記事を社内/Twitterなどに投稿するかをウォッチする

やることはこれだけだ。幸いにも君の先輩たちは、その情報のどこに対してどう感じたか?を添えて投稿をしてくれる。先輩の感想と自分の感想が近しい内容だったら自分に100いいね。全く見当違いの感想だったら、自分の思考を見直して次に活かす。という感じだ。

これを半年間も続けていれば、先輩が考えていることをちょっとずつイメージできるようになってくる。これは余談だが、君のよく知る大先輩は、毎朝100の独自購読リストに目を通していらっしゃるそうだ。まだまだ自分は未熟だと痛感した。

組織の顔になろう

会社の特徴でもある「一気通貫体制で、1人の担当者が施策立案も広告運用もレポーティングも全て担当する」を、お客さん側の視点に置き換えてみるとどうなるだろうか?君は会社の窓口であり、代表であり、お客さんが会社のことについて君に質問をすれば何でも分かる人、と思うのではないだろうか。一言で言えば、君は組織の顔そのものなんだ。

君の仕事は、お客さんから広告運用以外の質問をもらうことも多い。実際に入社間もないころから、広告運用以外にもビジネスに関わる多くの質問をいただくことになる。例えば、「御社は新しく入った人が戦力化するまでの期間がすごく短い印象なんですが、採用や教育ってどうしてるんですか?」や、「新しく店舗を出店しようと思うんですが、成功の見込みはどれくらいと思いますか?」などなどだ。

会社に関わることや広告運用以外の質問は、最初のうちは、打ち合わせに同席してくれる上司が答えてくれるだろう。ただし次にお客さんから同じ質問があったとき、質問に答えるのは上司ではなく、君だ。上司はどんな言葉で、どんな表現で会社のことをお客さんに伝えているのか。できれば、声の抑揚や言葉を発するペースまで記憶しておくことをおすすめする。合わせて、上司がそれを言った前後のお客さんの反応をよく覚えておくことだ。これは、初めての打ち合わせからずーーーっと続けることをおすすめする。「リーダーになったらその時に教えてもらえばいいや」では遅いんだ。

あとは上司の打ち合わせに同席をして直後、可能なかぎり、上司をお茶か飲みに誘うことをおすすめする。業界に入って間もない君と、既に幾つもの修羅場を越えてきている上司とでは、同じ打ち合わせであってもそこに見えている世界が違う。ざっくばらんに会話ができる場で、直前の打ち合わせでの上司の言葉や振る舞いについて、質問をしまくろう。上司は喜んで教えてくれるはずだ。よく、「一次情報を取りに行くべし」と言われるが、この仕事においてお客さんとの打ち合わせは、何より貴重な一次情報源だ。

ちなみに、上司からは「もう直帰の時間だし、1杯だけ飲んでいこうか?」と誘われると思うが、結局いつも3杯以上はお酒を注文して、じっくり話を聞けるお時間をいただける。その3杯を嗜む間の時間は、仕事の価値に換算すると、お酒100杯以上にとても貴重な時間になる。お酒の席で上司から聞いたあらゆる話題が、後々の君にとって大きな財産になるからだ。

お客さんとの「初めまして」から「今まで本当にありがとうございました」までを妄想し続けよう

この会社の「リーダー」の役割は、会社から降りてくる指示を全うとすることじゃない。自分で挙手をして仕事を取りに行き、初めましてのお客さんとの契約締結から、今までお世話になりました...!と、お互い前向きに別々の道を歩み始めるまで、全てを1人で担当する権限を任されている。つまり君が先輩たちから学ぶことは、広告運用の方法だけじゃない。初めましてのお客さんがどんな状況にあって、どんな課題を持って相談をしてくださるか。僕たちはどんな解決策を提案できるのるか。仕事の引き受け方によってどんなお付き合いとなるか。もし僕たちだけで解決できない課題と判断をした場合には、いったいどうすべきか。...などなど。いうなれば、お客さんのビジネスに関わるであろうあらゆる考え方を学ぶ必要がある。先輩たちはそれをいとも簡単...とまでは言わないけれども、時には悩み苦しみながらも、本気でお客さんに寄り添いながら、それをやってのける。そこにシビれる、憧れる。

話が逸れたが、ここで伝えたいことをまとめる。お客さんから初めましての問い合わせを受けた直後、まっさらな状態から、先輩がお客さんとどんなコミュニケーション取るかを追い続けよう。幸い、社内では先輩とお客さんとのコミュニケーション内容はメールも提案資料も、全てがオープンになっている。ログを見に行くか行かないかは、君次第だ。

新しいことに挑戦し続けよう

君は入社した直後、既にある程度の成果が出ていて、会社を信頼してくださっているお客さんの担当を任される。君からすれば「(大先輩が既に様々な広告運用施策を実施し尽くしたビジネスだ。その仕事を引き継ぐのだから、未経験ペーペーの自分なんぞが新しく思いつく施策なんて、もう存在しないだろう...)」という気持ちだろう。4年の経験を経た僕からすると、その考えは半分正確で、半分は正確ではない。大先輩(※当時は10社ほどを1人で担当していた)には無くて、入社直後の君にはあるもの。それは、1社のお客さんにじっくりと向き合える時間だ。

まずは先輩が過去に試した施策を全て振り返って、レポートも全て読み返そう。先輩とお客さんとのチャットも全て見直そう。見直しながら、まだ先輩が試していない方針を探すんだ。ターゲティングでも広告メニューでも広告クリエイティブの訴求方針でも、何でもいい。極端なことを言えば、まずは成功しても上手くいかなくてもいい。上手くいかないこと自体は良いこととは言えないが、うまくいかなかったことを糧にしてもっと良い方法を探し続ければ、失敗はしない。諦めたらそこで初めて失敗になる。

自分の頭で仮説を立てて、自分の手で新しい施策を実装して、自分の目でその結果を見る。そこまでやって初めて自分の経験になる。これを繰り返すことで、ようやく自分の頭で考える癖が身についてくる。

先人の積み重ねた発見に基づいて何かを発見することを、西洋では「巨人の肩の上に立つ」と表現することがあるそうだ。君が入社した社内には、先輩巨人たちの貴重な痕跡が至るところに残されている。先輩巨人たちの肩に登った上で、先輩は挑戦していない施策にチャレンジしよう。

もうひとつ。社内における「新しいことへの挑戦」として最たるものが、初めましてのお客さんとのやりとりだ。当然ながら、初めましてのお客さんとの過去のやりとりデータは社内に一切存在しない。つまりそのやりとりは、1から100まで全てが君の知見になる。

予め言っておくと最初の頃の君は、ありえないくらいにビビりながら、初めましてのお客さんの対応をすることになる。(まぁ今でも毎回緊張するけれども)。お客さんからの問い合わせへに対するメール1つを作成する際は、内容に誤字脱字、分かりにくい質問や表現がないだろうかまで、一言一句を何十回も見直す。送信アドレスが間違っていないか、社名やご担当者さんの名前の漢字に間違いがないかも見直す。最後は指先を震わせながら、送信ボタンを押す。誤字脱字がなかっただろうかと、送信完了メールボックスも欠かさず見に行く。

お客さんの前で初めて会社サービスの説明をする際、緊張をしすぎた君は頭が真っ白になり、言葉に詰まる。同席してくださっていた先輩が焦った様子で全力でフォローをしてくださって、なんとかお客さんの笑顔を見ることができる。全部が貴重な経験だ。ただ、慣れない対応を繰り返しながら、君は少しずつ違う方法を試し続ける。全く同じ内容のサービス説明は2回としなかったのではないだろうか。それくらい、毎回新しいことを取り入れていく。そうした理由は、圧倒的に成果を出している上司がいつもそうしていたからだ。

全ての新しい経験が、君の糧になる。

いま振り返ると僕が上司からリーダーに推薦していただけたタイミングは、これらの初体験を一通りすべて通り過ぎたあと、ようやく地に足が着いたような感覚を自覚しはじめた頃だったように思う。僕自身の内面の変化までよく見てくださっていて、ありがたさの極みだ。

失敗を経験しよう

君が想像をするよりもかなり早いタイミングで、上司からリーダーへの昇進を打診されるタイミングが来る。結論から言うと、君は一度リーダーへの昇進を断る。ただ、それは後ろ向きな断りではなく、次の半年間でもっと変化するために覚悟を決めるための準備期間だ。不安だろうが、その選択は間違いなく君にとってプラスになる。

リーダーへの昇進を打診されるタイミングは、入社をしてからずっと感じていた君の不安が頂点に達するタイミングでもある。なぜなら君はすでにいくつもの仕事を任されている一方で、未だに自分の足で、自分の実力で、しっかりと地面に立っている感覚を持つことができていないんだ。その理由は2つある。

ひとつは、君が心のどこかでいつも「何かあったら先輩が助けてくれる」と甘え続けていること。もうひとつは、未だにこの仕事で大きな失敗を経験したことがなく、「失敗したときに踏ん張る方法を知らない」ことだ。

君は昇進の打診を断り、上司に「失敗を経験させてほしい」と伝える。自分のチームを持つのであれば、その前に君自身が失敗を経験しておかねばならない、と考えたからだ。未来の自チームのメンバーが何らかの失敗を経験した際、メンバーを支えるのは君の上司でも代表でもなく、君自身だ。失敗を経験したことのないリーダーの言葉には、チームメンバーはきっと耳を貸さないだろうと、君は考えた。ただ安心(?)して欲しい。次の半年間で、君は入社してから初めての大きな失敗を経験することとなる。

正直に言うとそれは、君にとってかなりしんどい経験になる。ただその経験を経ることで君は、ようやく自信を持つようになるんだ。ふと振り返れば、過去の仕事でも同じ経験を重ねてきたことに気付くだろう。BtoBの法人営業もBtoCの整体業も、いくつかの大きな失敗とその瞬間の踏ん張り方を体験することで、やっと全ての仕事を一人で対応できるようになった。トラブルに直面したときの対処提案までできるようになってからこそ、仕事は面白くなってくるものだ。

おわりに

上に挙げた項目は、あくまで僕が考えていたことの一部でした。決して、ここで挙げたことが全てではないです。世の中には、いろいろな経緯を経てリーダーやマネージャーになられた方がいらっしゃいますし、個人的にはリーダー、マネージャーの方々が、みなさんどんな考えやご経験を経て今の立場になられたのかを、詳しく伺ってみたいところだなぁと。

もしよかったらぜひぜひ。

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