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災害におけるアレルギー疾患の対応(その6)

日頃からアレルギー疾患の状態を良好に保ちましょう

アレルギー疾患は、どの疾患も日頃からコントロールを良好にしておくと、いざというとき悪くなりにくいです。たとえば気管支ぜん息は、慢性的に気道でアレルギーによる炎症が起こっていると言われてますが、この炎症を抑えておくと、多少環境が変化しても、風邪をひいても、発作が誘発されにくくなります。アトピー性皮膚炎では、皮膚を良好な状態に保っておくと、皮膚のバリアがしっかり保たれるので、悪くなりにくくなります。

日頃からアレルギー疾患の状態を良好に保ちましょう

食物アレルギーでも、原因食物がはっきりしない、あるいは原因はわかっているがどこまで食べられるかわからないなど曖昧な状況だと、非常時に安心して食べられる食物が限られてしまいます。食物経口負荷試験などにより、正確な診断を受け、食事指導を受けておきましょう。

共助で備える

いざ災害時に1人でやれることには限界がありますし、相談できるような仲間がいないと不安になります。普段から地域の方々とつながりを持ち、互いに助け合う関係を構築しておくと、災害時に助けとなります。

共助で備える

そのためには、普段から地域の防災訓練に参加する、患者会など地域のグループなどを介して患者さん同士でアレルギーや備蓄などの災害対策に関する情報を共有しておくことなどが良いと思います。今回の研究での患者さんへのアンケートでも、患者さん同士や患者会による支援が災害の時に役に立ったと答えた方は多かったです。TwitterなどのSNSが助けになったと答えた方も少なくありませんでした。ネットを通じてグループに参加しておくのもいいかもしれませんね。ネットの情報は信憑性が問題になる場合もありますが、自ら知識を蓄えておいて判断できるようにしておくことも大事でしょう。日本小児アレルギー学会は、発災時に相談窓口を開設しておりますので、もしもの時はご活用ください。

自分の住んでいる地域の公助について知るには

自分の住んでいる街にどのような備蓄がされているか、特にアレルギー対応食品が置いてあるか知る事はとても大切です。今回の行政へのアンケートで分かったことですが、必ずしも多くの自治体で、避難所にアレルギー対応食品が置いてあるわけではありません。備蓄の情報については、とてもわかりやすくホームページなどに記載してある自治体もありますが、情報公開していない場合や公開していたとしてもわかりにくい場合が多数ありました。また、自治体によっては役所の部署間で情報が共有されていない場合もありました。いざという時に情報を探してもなかなか見つからない場合も多いかと思いますので、日ごろから情報を集めておきましょう。また、行政に頼りすぎず、自助としての家庭備蓄をしておくことは大事です。

自分の住んでいる地域の公助について知るには

もしもの時のために… お薬・水・食糧 備蓄できていますか?

これは掲示用(ポスター用)の資料です。診察室、役所、学校など各所に掲示していただけるとありがたいです。備蓄のすすめ、非常用持ち出し袋の内容の参考例、アレルギーポータルのリンクが簡潔に示されています。

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