見出し画像

災害におけるアレルギー疾患の対応(その5)

アレルギー疾患がある方は「要配慮者」です

アレルギー疾患のための災害への備えと対応」の解説を続けます。内閣府の「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取り組み指針」では、アレルギー疾患のある方は「要配慮者」に位置付けられています。すなわち、アレルギー疾患の悪化を防ぐ環境整備、アレルギー対応食、ミルク、薬剤等の準備、避難所の食事に関する配慮などが必要であることが明記されているわけです。どうしても災害の時は「他にも大変そうな人が居るから」と、遠慮してしまいがちですが、自分がアレルギーを持っていることを行政の担当者に伝え、対処をお願いすることは、決しておかしなことではありません。行政には要配慮者に対応する責務があります。もう少し先になりますが、われわれが作成した行政向けのパンフレット「自治体のための災害の備えと避難所運営の手引き」について、説明する予定ですので、また参考にしてください。

アレルギー疾患がある方は「要配慮者」です

アレルギー対応食の家庭備蓄は2週間分

アレルギー疾患の有無にかかわらず、災害に備えて食料を備蓄しておくことは大事です。災害の種類にもよりますが、災害時には物流が滞ることが予想されます。大規模災害だと物流が完全に途絶えるかもしれません。特にアレルギー対応食品などの特殊食品は、手に入りにくくなります。東日本大震災後の調査では、アレルギー対応食品が1週間以上入手できなかったと回答した方が半数以上を占め、中には1ヵ月以上入手できなかったと答えた方もいらっしゃいました。自治体の中には積極的にアレルギー対応食品を備蓄しているところもありますし、その数も増えていますが、備蓄してない自治体も決して少なくありません。アレルギー対応食品やアレルギー用ミルクなどは、2週間分備蓄しておくと安心です。

アレルギー対応食の家庭備蓄は2週間分

ローリングストック法を活用しよう

備蓄食料を常に確保し、一定に保つためにはどうしたらいいでしょうか。1つの方法が、ローリングストック法という方法です。ローリングストック法とは、普段から使っている食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限の古いものから消費し、消費した分を買い足すということで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つための方法です。常温保存が可能でそのまま食べられる缶詰や、レトルト食品等の加工品など、日持ちする食品をストックしておくと、災害時に利用することができます。もちろん、これらの食品はアレルゲンが含まれていないものを選びます。わからない場合はメーカーに確認しても良いでしょう。その他、最近は賞味期限が長い災害対応の食品も販売されています。その4の家庭備蓄の項で記載した「大規模災害に備えた食品の家庭備蓄のすすめ」や農林水産省の「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」(パンフレットにURL、QRコード掲載)にも詳しく書かれているので参照してください。その6に続きます。

ローリングストック法を活用しよう

その4へのリンクです。

アレルギーポータルのリンクです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?