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同人誌を出しました #文フリ東京36

先日、初めて短歌の同人誌を出した。

高校時代に、部活で漫画や短編小説を集めたものを学祭で売っていたようなことはあったけれど、即売会での頒布は私にとって初めての経験だった。今回参加していたのは「文学フリマ」という文芸作品専門の即売会(要するにコミケの文芸オンリー版みたいなイベント)で、まず何より目の前でたくさんの人に手に取ってもらえたことが嬉しかった。同人メンバーの橋爪志保さんが開催前からしきりに「私はお店屋さんごっこが好きで——」とテンションを上げていたが、何となくその感覚もわかった気がする。即売会の空気には、どこか楽しい「ごっこ感」が漂い続けている。

今回創刊した同人誌『ジングル』は、上記のリンクからアクセスできるように、通販でも取り扱っている。橋爪さんのBASEから購入できるので、今回会場に来られなかった方もぜひチェックしてみてほしい。今のところ今年9月開催の文学フリマ大阪でもブースとして出店予定なので、そちらを楽しみにしてもらっても大丈夫そう。(私自身は参加できるかまだ未定だけれど……)

そもそも、いくらブームが叫ばれているとはいえ、「短歌」自体に馴染みのない方もやはり多いだろうか。これに限ってはとにかく口語(喋り言葉)の形で編まれたわかりやすく短い詩ぐらいに受け取ってもらえばまずは全然よくて、何が言いたいかといえば、とりあえず気にせず読んでほしいということ。特に今回の同人だと、貝澤駿一さんの詠まれる歌が作品としての「磨き上げられ方」みたいなものが何より綺麗で、第一に読んでほしい。なんなら、私の作品はまずどうでもいいまである。

今回のこの同人メンバーは、しょっちゅう一緒に遊んでいる仲とか特にそういうわけではなくで、元々は歌会で何度かご一緒になったぐらいの関係だった。そこをなべとびすこさんがメンバーに声をかけて集めてくれて、今回本を出すまでにいたったわけだ。進行だったり組版だったりも担当してくれていたので、まさに屋台骨といった感じ。

実は、なべとびすこさんは過去にQuizKnockでもお世話になったことのある方だ。YouTubeチャンネルが開設してから1年目ぐらいの、昔の企画ではあるのだけど、これらの動画を見たことある方いるだろうか。

この動画で遊ばれている「オリジナル四字熟語制作ゲーム 漢々楽々」「短歌カードゲーム ミソヒトサジ〈定食〉」の制作者さんが、つまりはなべとびすこさんだった。
この頃のQuizKnockって、チャンネルの規模どれくらいだ? 同じ2018年の5月に「登録者数20万人記念動画」が出ているから、本当に20万人ちょっととか、それぐらいだ。そんな頃から力になってくれていたなべとびすこさんは(実は他の同人メンバーも)QuizKnockの動画や記事を今も見て応援してくれていて、これも本当に感謝しかない。そんなメンバーと本を作れただけで勝ちみたいなところがある。

ここで扱われている短歌カードゲームは「57577(ゴーシチゴーシチシチ)」のタイトルでリニューアル版が幻冬舎さんからリニューアル版も発売されている。こちらは度々Twitterでバズっているのも見かける。「ヤッホホゴリラ」に出会いたければこっちだ。

そして今回の文フリで何が1番良かったかと言えば、手売りの形で直接人前に顔を出せたことだった。

自分はQuizKnockでは動画や記事に時折出るくらいのものなので、そもそも表に出ること自体がレアなこと。コロナ禍のこともあったので、人前に出たのはもしかすると2019年末の「感謝祭」か、2020年頭の「アリス展」のトークイベント以来だったかもしれない。それから随分と月日も経ったけれど、今回の文フリではずっと応援してくれている人も、新たに知ってくれた人も遊びに来てくれて本当に嬉しい限りだった。サインは割とノリノリで書いていた。
ずっと見ていてくれ、みたいなことは言いたくないし言わないつもりだけど、とにかく今後も記事なり本なり(動画も?)、次の何かを出し続けていこうという思いだけは固まっている。気が向いた時だけでも、振り返ってくれたらそれは僥倖。ってか、文フリが楽しすぎてもう個人誌出したいぐらいの気持ちにはなっている。

そういえば、今回は他のブースの本をあまり買うことができなかったことだけが心残りだ。隣の完全に壁サーと化した「胎動短歌」とか物凄かったのに。通販ででも気になったものは買い漁りつつ、感想もまたどこかで書き残しておきたい。