世の中の半分が平均以下という事実とSNSの炎上

IQ(知能指数)というのは正規分布に従うとされており、平均値は100,中央値も100だというのは誰もが知っていることだ。
IQの標準偏差は10とする場合もあれば15とする場合もあるらしく、ただひとくちにIQ120と言っても、どのような方式で算出するかでもその相対的水準は異なる。

ただ、いかなる場合でも真実なのが、IQ100に満たない人間は世の中のちょうど50%の割合でいるということだ。

街を見渡しても、ショッピングモールを見渡しても、成人式に集まった若者を見渡しても、半分は平均より知能が低いというのは改めて考えると非常に衝撃的な真実だ。
そして、多くの平均以下の人間は自分が平均以下であることに気付いていないというのも厄介だ。(もちろん、この議論において私自身が平均以下である可能性も含まれている)

これは民主政治において致命的であるように思える。特に平均以下の知能を持つ人間の傾向として「右に倣え」的な行動をとるという特徴がある。これは理にかなっていることで、他人と同じような行動をとれば自分で考えなくても、あるいは自分の判断が誤っていようとも生き残れるという生存戦略だからだ。
愚かな人間であっても、この「右に倣え」ができるだけで危険のある場所から遠ざかることができ、ある程度合理的で生存確率の高い選択をすることができた。その結果、他人と同じ行動が取れないのに愚かな人間は死に絶え、愚かでありながらも他人と同じ行動ができる遺伝子だけが生き残った。

それはさておき、昨今のSNSでは次から次へと取るに足らない話題が「炎上」することがあるが、これも平均以下の人間が「右に倣え」を繰り返した結果なのだと思う。平均以下の人間は「偉そうな人が言っていたから」とか、「みんなが言っているから」という理由で主張しがちだ。
もちろん、「みんなが言っているから」という理由で主張するということは先述のとおり、人間の生存戦略としては間違っていない。
「みんなが悪人だと言っている」人は当然裁かれたし、それにより一定の悪人は確実に減少した。あるいは、「みんなにとって利益となりそう」な法案は手段を選ばず主張されたし、民衆にとって、右に倣えをする平均以下の知能を持つ人間は必ずしも悪ではない。

また、心理学的にも、明らかに誤っている答えでも自分以外が主張すれば、回答者も誤っている答えに変えてしまうということが実証されている。万人が主張すれば、黒いカラスも白くなるというわけだ。

しかし、人間の本能はSNSの普及で無意味な「炎上」を生んでしまった。
RT数が多ければその主張が正しいと思い込んでしまったり、誰かが悪人だと言っているからという理由で炎上に薪を投げ入れてしまう。
これらの多くはIQが平均以下であり、右に倣え戦略で生き残ってきた遺伝子の仕業だ。

SNSの炎上程度であればいいが、現代ではSNSが政治に強い影響力を持っている。政治家であってもSNSが原因で失脚することがあるほどだ。
問題なのは、平均以下の人間であっても民主主義において同じ1票を持っているということだ。

IQが20以上離れていると話が通じないという(基づく標準偏差はさておき)が、分かりやすく言えば、偏差値60と40の人間は話が通じないということだ。
もしかすると世の中を神の視点で見れば、お互いに嚙み合っていない話をする2標準偏差以上離れた人間たちが的外れな議論をしていて面白いのかもしれない。

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