『藤原仲麻呂政権の基礎的考察』、発売です。
志学社選書第四弾となる、木本好信先生の『藤原仲麻呂政権の基礎的考察』が発売になりました。
今回は日本古代史、そして論文集とかなり専門性が高いのですが、入手困難になっていた名著の復刊です。
天平宝字八年(764)九月、孝謙上皇によって御璽と駅鈴を奪取された藤原仲麻呂(恵美押勝)は失脚・滅亡し、ここに仲麻呂政権は終焉を迎える。最終的に皇権者との対立によって滅び去ったが、そのことはとりもなおさず、仲麻呂政権が「天皇専権」と対立するものであったこと──つまり、真の意味で「貴族専権」であったことを示唆する。それでは、仲麻呂が目指した「貴族専権」国家とは、具体的にはいかなるものであったのだろうか。本書では、①仲麻呂と孝謙上皇、淳仁天皇、②仲麻呂と光明皇后、③仲麻呂と官人、④仲麻呂の民政、⑤仲麻呂と仏教、⑥仲麻呂と神祇の各視点から、仲麻呂政権の特質を明らかにし、奈良朝における「天皇専権」と「貴族専権」のせめぎ合いの実相に迫る。復刊にあたり、史料の釈読を一部改めたほか、補註、旧版刊行後の研究動向を書き下ろしで収録。
もともとは1993年に今はなき高科書店さんより、函入ハードカバーで刊行されたもので、そのときの本体価格は6,000円でした。
復刊にあたっては志学社選書の造本に合わせたこともあり、本体価格を3,600円まで引き下げることができました。
また、新規原稿のほか、全編にわたって木本先生が細かく手を入れてくださっております。
奈良朝研究を志す若い皆様にお手に取っていただけましたら幸いです。
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