見出し画像

日本一調整給の割合が高い私立学校

こんにちは。

これまでに日本一年収が高い私学、日本一定時が早い私学を取り上げてきましたが、今回は日本一調整給(固定残業代)の割合が高い私学についてです。

給特法において公立教員は給料月額の4%分「教職調整額」として支給される代わりに「時間外勤務手当及び休日勤務手当は支給しない」と規定されています。

画像2

              (日本経済新聞参照)

一方、私学の教員は給特法の対象とはならず、残業代については一般的な労働者と同様に労働基準法が適用されます。とは言え、実際は公立学校にならい一定額の手当を調整給として支給する学校が殆どです。その際、本給の何パーセントが何時間分の残業代として支給されるかは学校ごとに異なります。例えば勤務校は基本給の15%が月20時間分の残業代として支給されています。

そんな中、調整給40%という公立の10倍もの調整給が支給される私学をみつけました。東京都の八王子学園中学校・高等学校です。以下はその教員募集要項(H31年度) です。

画像1

給与欄を見てみると、本給195,980円の40%にあたる82,012円が時間外勤務手当として支給されています。また、42歳時では本給412,037円の39%にあたる160,421円が時間外勤務手当として支給されています。この手当は所定労働日ごと2時間分として支給されているので、八王子学園の場合、「本給の40%が月40時間分の残業代として支給されている」ということでしょうか。

また、「所定労働日ごと2時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対し割増賃金を追加支給」という記載もあり、時間外労働に関して募集要項にここまで載せる学校は初めて見ました。因みに賞与も年間6.5カ月と非常に高い乗率です。

八王子学園では公立の10倍もの調整給が支給されており、私が見聞きした調整給の割合では日本一だと思われます。こういった点も私学の魅力の1つと言えるでしょう。勿論以下の私学(調整給3.5%)のよう4%より低い私学もあります。

画像4

それどころか要項に記載もなく、実際に調整給が支給されていない私学もあり、問題になっています。こうした問題の背景には多くの学校で、タイムカードが導入されていないなど労働時間管理が適切に行われていない実態があります。

画像3

              (讀賣新聞参照)

公益社団法人「私学経営研究会」が2017年に実施した「私学教職員の勤務時間管理に関するアンケート調査報告書」では、私立高校332校のうち出勤簿に教員の出勤時刻を記入していない学校は208校に及びました。

全国の教育委員会が教員の働き方改革を進めている中、私立学校の働き方の問題は公になりにくいのが現状です。募集要項を見る際にも、提示されている基本給が調整給を含んだ数字なのか、それとは別に調整給が支給されるのか、可能であれば何時間分の時間外労働として本給の何%が支給されるのかまで確認すべきでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?