見出し画像

【ノンフィクション 】R5予備試験論文式試験の超直前期と試験日の実況再現

 R6予備試験試験はいよいよです。受験生のみなさま勉強は本当にお疲れ様でした。
 直前期は不安になりやすく、ストレスがたまりやすい時期で、さらに孤立化しやすいのですごく大変な時期です。他の受験生はどのようにどんな気持ちで過ごしているのか?が知りたい人もいると思いますが、中々知ることができないでしょう。そこで、私の去年の直前期と試験日の実態について、紹介したいと思います。当時の出来事を最大限再現して、そして、当時自分の心理状況もできるだけ紹介したいと思います。
 少しでも不安解消に役に立つと嬉しいです。
 


試験の直前まで

受験票の到着から

受験票は8月21日に届きました。会場は渋谷の住友不動産渋谷ファーストタワーでした。届いた時の気持ちは興奮と緊張半分ずつの感じでした。そして、試験日は週末でもあって、ホテルのび太混雑が予測されます。当日にホテルを探して、予約を済むようにしました。

当時は渋谷周辺の東急のホテル三軒を検討しましたが、会場までの距離を最優先事項として考慮し、渋谷ストリームエクセルホテル東急にしました。(予約当時は後2室ぐらいしか残っておらず、かなり埋められている感じです)
その後はいつもの通りの勉強を続くようにしましたが、8月27日に中央ロー入試があって、ロー入試対策のため、25、26日は論証暗記に使いました。そして、中央ロー入試は特にホテルに泊めることもなく、家から電車でアクセスして、受験しました。
中央ローは倍率との関係で落ちることは絶対ないと思って、なんのストレスも感じることもなく、ほぼ模試感覚で受けました。(結果は全免合格)
そして、中央ロー入試の触感がよく、その後ロースクールタイムズの出題趣旨の予想をみて、ほとんど正解筋だったことが分かりました。(ここは予備試験の2週間前)

慶應ロー入試

 慶應ロー入試はちょうど中央ロー入試の一週間後で予備試験論文試験の一週間前でした。
 当時私は予備試験合格を目標とし、ローは保険として受けました。ただ、ロー入試について、特別な勉強をしなかったです。(予備の勉強でロー入試は十分カバーできます)
 中央ロー入試後から慶應ロー入試までは6日間で、その最初の4日間は予備試験の勉強をしました。2日間で予備論文の10科目を一週する感じでやりました。また、超直前期のため、起案は実務と行政法のみで、しかもフル起案はせず、書く内容を処分性、原告適格、準備書面、事実認定に絞りました。それ以外の勉強は過去問の復習と論証の復習です。また、民訴は少し不安だったため、判例勉強も強化しました。
 具体的な勉強法は下記の記事を参照してください!RTすることで無料に読むことができます。

 慶應ロー入試前の2日間は論証と条文の暗記に使いました。
 慶應ローは第一志望だけど、中央ローの体感が良くて、そして予備試験論文受験生ならどこのロー入試のペーパーテストもオーバーキルできるため、特にストレスを感じたことがなく、平常心で受けました。
 慶應ローでは中央ローと似ているような問題が出題され、憲法以外は概ねよく書けていると思います。

ラスト一週間

 慶應ロー入試が終わると、予備試験まで勉強できる日はわずか6日間です。私は会場の模試を受けたことがなく、慶應ローと中央ロー入試を乗り越えたことはすごく有益な経験だと思います。そこで、自分の筆力と現場思考力がどれぐらいか、そして、不足の点が何かがわかるようになりました。
 そこからの期間は慶應ローの直前と同じような時間配分で勉強しました。
 ただ、最後の最後ですので、全面的な復習が必要となります。論証暗記も、ロー入試より高い精度にしなければなりません。
 最初の4日間は家だけど、最後の2日はホテルですから、実際になんの不自由もなく勉強できるのは最初の4日間だけでした。
 そして、何より体力の温存が必要なんで、たくさん勉強してインプットするというよりは仕上げて心の準備を整えるのような感じでした。
 また、慶應ロー入試の翌日は9月3日です。それはなんの日みなさんはご存知ですか?
 
正解は















ドラえもんの誕生日です!

勉強が忙しいけど、ドラえもん誕生日スペシャルは忘れずにみました!試験は当然大変ですが、定期的に息抜きすることも大事です。

いざ!出陣

渋谷到着

 ホテルの環境に慣れるまでの期間を考慮して、チェックインは試験の二日間前でした(4日3泊)。
 そして、ホテルに着くと、受付は外国人の従業員で、最初は日本語ではなく英語で話しかけてくれました。日本のホテルでは初めてのことでした。料金の支払いもチェックアウトの時に会計するではなく、前払いで払うことになります。
 手続きが終わると、ようやく部屋に来ました。

部屋の中の感じ
部屋で勉強するのを考えて、窓が大きな部屋を選んだ
緑のビルが試験会場

部屋の雰囲気は写真の感じです。ホテルはの設備は新しく、部屋もとてもきれいで大きかったから、気持ちよく過ごせることができます。
 そして、空がまだ完全に暗くなる前に、試験会場まで行って、ルートの確認とかかる時間の測定をしました。(これは重要です)
試験の日に必要な補給品も購入しました。
 ホテルにはルームサービスがなく、レストランもなかなか口に合わないため、晩御飯は外で済みました。
 最初の日でもあって、たくさん勉強をせず、早めに寝ました。まだまだ慣れなかったとはいえ、すぐ入眠できました。
 また、温泉はなかったが、入眠に役立つのとストレス解消のため有効だから、ホテルにいる日はドラえもんから源静香ちゃんに変身して、だいたい一日中二、三回お風呂に入ります!

お風呂はたくさん入れましょう!

ラスト24時間

 翌日は勉強したいため朝早くおきました。朝はお風呂、朝食、勉強の順で過ごしました。
 試験会場に近いホテルで宿泊者に受験生がたくさんいると思いきや、受験生どころか。日本人すら一人もいなかったです。
宿泊客の八割は白人、たまたまアジア人の顔が見られても、それは日本人、中国人、韓国人のいずれでもなく、私が全くわからない言葉で会話しています。ホテルの従業員も半数以上が外国人で、挨拶もまず英語です。
このようなまるで外国みたいな雰囲気はとても刺激的で、ストレスの解消に一定程度寄与したと思いました。
(ちなみにこのビルではGoogleジャパンの本社が入っています)

 日当たりの良さを考えてそのホテルにしましたが、あいにくその日は雨でした。

期待した日照権は保障されませんでした…しかし、それにしても、最後の一日中はちゃんとやらないといけないと思い、論証、自作のノートの確認などをしっかりしました。
時間配分について、2日目の民事は量が多く、そして初日で問われませんから午前中でやって、翌日に問われる公法系刑事系と選択科目を午後で勉強しました。
 昼は雨のため、ホテルの出前サービスを利用しました。

ロボットがフードを届けてくれます!

不眠の72時間

 試験の前の日の夜は早めに寝るようにしました。そして念のため睡眠薬も飲みました。しかし、興奮のためかそれとも緊張のためか全く眠れなかったです。午前三時ぐらいになったらまずいと思って、もう一度睡眠薬を飲むことにしました。そして、その時はとても落ち着きなかったです。
 「こんな状況で臨んだらもう落ちるじゃないか」「めっちゃくちゃまずい」と考えてどんどんネガティヴになってしまいました。
 そこで、気分転換のため、ドラえもんを見ることにしました。ドラえもんをみたらもう4時ぐらいでした。
 ちなみに試験直前の日で入眠できなかったことはかつて起きていなくて、全く想定外のことでした。
 
 そして、起きたのは7時ぐらいで、実際に2時間ぐらいしか眠れなかったです(そもそも本当に入眠できたかは記憶が曖昧でよくわかりません)
 こんな状況で朝食も全く美味しく食べられません。そもそもこのホテルの宿泊者に日本人がいないためか、朝食のメニューも西洋人向けで、中々慣れなかったです。
 私はパンとコーヒーだけ摂取して、その後試験会場に向かっていきます。
 私の席は1番前で、座ったらまず睡眠打破を飲みました。すごく興奮しているためか、眠気はあまりしなかったです。最初の科目は公法系で、憲法はご存知のように法令違憲ではなく、三段階審査は中々使えない事案です。ただ、民訴にはその判例の論証があるのは覚えていて、その論証を思い出して書きました。ただ、憲法の条文は一個も思い出せず、憲法のことノータッチでした(めっちゃ心配したが、審査基準とあてはめはちゃんとできたためか結果はBでした)
 憲法はちょうど70分で出来上がり、その後の行政法はいつも通りでした。設問1の判例は知らないが、原告適格の一般の処理手順で処理し、設問2は頑張って条文を拾って要件該当性を丁寧に検討しました。その結果、行政法はAでした。
 午後の刑事系も順調で、刑法70分、刑訴法65分で出来上がり、残り五分は誤字脱字の有無の確認に使いました。問題の難易度は普通で、体感的にはよかったです。(結果は刑法B刑訴A)
 そして、1日目の最後は選択科目です。封緘シールを破って問題文を読み始めると、難易度がR4の問題よりだいぶ上がってきたことに気づきました。しかし、国際私法は司法の過去問ほぼ全部起案して、難化と言っても手応えが悪くないです。司法で一度ぐらいしか出してないバイスタンダーの論点もうまく処理しました。
 書き終わると、国際私法は絶対Aが来ると思いました。(実際もAでした)
 1日目の試験が終わると、ホテルに戻り、お風呂に入って来ました。その後ご飯を食べにいき、食べたのはホテルの付近の餃子でした。本格の水餃子でとても美味しかったです。ご飯を食べながら友人と情報交換しました。
 1日目の成績を下記の通り予想しました。

実際はBABAA

 その後、ホテルに戻り、翌日の科目の復習を軽くしました。(特に刑事訴訟法の条文)
 22時ぐらいに寝るようにしました。念のため睡眠薬も飲みました。そして、前日の失敗を踏めて、今日は先にドラえもん見ることにしよう!と思い、ドラえもんの映画を寝る前に見ることにしました。
 しかし、興奮のあまりか、ドラ前置主義をとって睡眠薬飲んでもあまり効果が感じられなかったです。。午前2時半ぐらいなってもまだ起きているままです。2日目連続の入眠失敗でかなりストレスを感じ、慌しくなってしまいました。そこで、なんとか落ち着こうと思い、またドラえもんを見ることにしました。3時半ぐらいになったら再び寝ることにしました…

見えざるダメージ

 翌朝また7時までに起きました。2日目連続睡眠不足で精神的にきつかったはずだが、意外と元気でした。
 ホテルのレストランで朝食を食べ、周囲外国人しかいない雰囲気はもうなんとか慣れました。睡眠不足で朝食もそれほど食べられず、同じパンとコーヒーぐらいで済ませて、早く会場に向かいました。
 2日目の最初の科目は実務基礎です。刑事実務では細かい条文が問われるおそれがあり、開始前はずっと刑事実務のレジュメ(条文の記載あり)を復習しています。
 実務は民事→刑事の順番で書きました。民事は保全執行の問題でつまずいて、三分ぐらいかけて条文探したらもう無理だなと思って諦めました。結局民事は85分ぐらいで終わらせて、刑事に入ってきます。
 刑事の最初は事実認定で、ひたすら書いたら少し筋違いに気づきました。しかし、時間がないため、そのまま次の設問に入ってきました。身柄解放の手段の問題では逮捕の場合、保釈はあり得ないのも気付かなくて、保釈の要件を丁寧に検討してしまいました。その結果、時間が足りなくなり、最後の設問は完走できなかったです。
 模試の時の実務の成績が悪くないから、当時の予想民事A〜Bで刑事C〜Dで総合Bとなります。(実際はE)
 事後に正解筋を知った後は予想を民事B刑事Dで総合Cと下方修正しましたが、それでも実際の成績の方がもっと低かったです。これは予想の中で唯一実際が予想より悪かった成績です。しかも合格者の中で実務Aの人が多いなか、実務Eは間違いなくハンデとなります。

決着の時

 実務が終わると、少しカフェインとブドウ糖を摂取して、すぐ民事系の論証の復習を始めたのです。民事の論証の量は多いため、100%暗記はできず、詰め込みをするしかなかったです。
 当時は実務のミスと崩壊的な成績を知らず、主観的にBぐらいだと思い込んだので、全く緊張感がなかったです。
「最後の科目を乗り越えればもう帰られる」みたな気持ちで臨みました。
 民事系はいつもの通り民法、商法、民訴の順で解いています。民法は問題文を見ると、原始的不能を気づいたが、415条で書くか、それとも536条で書くかは迷っていた。最初は415条中心に書いたが、途中から書いた内容を消して、536条の方向にしました。すると、設問1だけで50分以上かかってしまい、設問2は時間不足になってしまいました。でも、幸いのことは即時取得の条文と要件は事前に既に暗記していて、法文を見ずに書くことができています。おかげで、民法は80分以内で出来上がり、あてはめは理想的なできじゃなかったが、要件検討は漏れなくできています。
 商法は民法の時間オーバーの影響で、最初からハイスピードの突貫工事で進む方針にしました。
 答案構成はすぐ脳内で終わらせ(そもそも答案構成の習慣はない)一秒も早く書くことにしました。普段、条文と要件の暗記のおかげで、法文は可能の限り見ないことにして、時間短縮作戦がなんと成功しました。条文、要件を検討を不足なく検討でき、あてはめも相当頑張って来ました。結局商法は55分で3.5枚で完成しました。

本番での経験を踏まえて、その後は条文と要件を中心で展開した商法論証集を作成しました。今回の司法試験でもそのおかげで385条などをすぐ特定できています。
当時は条文と要件を暗記できなかったら絶対に55分以内に書けないと思います。民事系のオールAの成績も取れないはずです。
 商法で時間節約したい人はぜひ直前期に条文と要件の暗記に頑張ってください(民法も同じことがいえます)

歴史を決めた瞬間

 商法で時間節約できたおかげで、民訴に残る時間は75分です。民訴通常書く内容が少ないから、少なめの時間でも足りますので、75分は十分すぎるといえます。
 しかし、設問1を3回読んでも、何を聞きたいか分かりません。信義則と思ったが、こんなところで信義則が出るはずはないだろうと思いました。そこで、先に設問2を書くことにしました。設問2は和解の諸問題で、論証貼り付けでほぼ解決できるところです。設問2が終わると、後50分ほど残っています。
 設問1の配点は3分の2で、もし崩壊したら多分D評価以下になるのが確実です。そう考えると、めっちゃ緊張して、問題文の文字が中々頭の中に入って来なかったです。
 でも、もうここまで来たから、この設問1は最後の最後で、これさえ乗り越えれば!と思い、深く息をしました。
10分ほど考えましたが、「変更」と「却下」のキーワードから訴えの交換的変更は旧訴取り下げと新訴提起の併合行為から訴え取り下げによる再訴禁止効の二つの論証を思い出しました。
 正解筋かどうかは断言できないが、直感でそれしかないと考え、この二つの論点を組み立て解答を書きました。


民訴設問1の出題趣旨

 試験完了の五分前に全部出来上がりました。
結局民訴の解答は正解筋で、民事系の成績はAAAでした。
楽勝ではなかったが、日々の努力と決断力でベストを尽くしたと思います。

終わりに

 最後まで読んでいただきありがとうございます。直前期も試験日も大変ですが、大変だったのは決してあなた一人だけではありません。自分を信じて、最後まで諦めずに戦ってください!桜は絶対咲きます。
 次はの戦いは【夢の国 法務省新浦安センター】です!
 
 また、私は2024年9月14日にイベントバーABEERの1日店長となり、司法試験・予備試験お疲れ会を開きます!

ぜひ論文試験を乗り越え、バーでお会いしましょう!頑張ってください!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?