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【本レビュー】幻想の肖像 渋澤龍彦

こんにちは、シフクです。
アクセサリーブランド、Faciata(ファシアータ)を運営しながらフリーランスでアパレルブランドをお手伝いしています!


きっかけ

最近のマイブームで渋澤龍彦の本を片っ端から買い読み漁っているのですがその中の1冊です。

戦後に活躍した小説家、フランス文学者になります。詳しくはこちらで

この方の何がすごいってエログロの探求が凄まじいところです。現代だと中野京子さんが絵画の裏ストーリーを書かれていて読まれていますが、この方はもっとダークサイドの煌びやかさとは全く逆の世界観をお持ち。そこがとてつもなく唯一無二で勝手に憧れています。かの三島由紀夫も賞賛したとのことで筋金入りです。

今回はその方が書いた中から、ヨーロッパ絵画にも詳しい彼が肖像画を切り口に色々と語っているエッセイになります。

ここでは気になった箇所をいくつかかいつまんでお話しします。


マグダラのマリア カルロ・クリヴェルリ

マグダラのマリアというと書かれているものは、悲劇のヒロインというかあまり煌びやかに書かれているものはそんなにないという印象でした。

しかも聖書の中では、あまり出てこないサブキャラです(有名シーンはキリストの足を洗って長い自分の髪の毛で拭いたところ)。しかし絵画や映画などで多く取り上げられおひれがつき、身もふたも無い言われがされているようです。

噂ってほんと怖い。。

この絵画はイタリア、ルネサンス期に書かれたものです。単純に絵画を見ての感想ですが、とても気品溢れて美しく描かれているなと。あとこの細長いキレた目つきと凛とした表情が、キリストを崇めている目つきとは全く違う、気がする。

おそらくはこの描かれたカルロさんの頭の中で、いい女風に書き換えられ表現された、なんというか願望、自分の理想の女性の顔がそのまま表現されている絵なのではないかと勝手に推測しました。それにしても美しい。。

この作品は、アムステルダム美術館にあるそうです。原画の大きさも人間の大きさほどなので実物見てみたいですね。

女友達 グスタフ・クリムト

クリムトは金ピカの絵が多いイメージだけど、この絵は背景にキジとか花とがありジャポニズムを少し感じます。そしてふらふら、よろよろと肩を寄せ合うように仲睦まじく歩くような中良さげな2人。

女友達という題名ですが、おそらくはパートナー同士だと。

左側の女性は裸なのだが、体の線が人間のものとは思えないくらいに変に凸凹している、波打っているというか。目もキョトンとした感じで悦に入ってるというか、焦点があってるかわからない感じ。

一方右側の女性はこちらに目配せをしながらも何か友愛さというか、大きな愛(母性のようなもの)を感じさせる顔立ち。

この絵にエロスはあまり感じないけど、それよりも右側の女性に母性的なものを感じるなと。どことなく聖母マリアの宗教画に感じるような母性愛みたいなものをこの絵から感じました。

とは言っても仲睦まじいレズビアンが描かれているという批評がとても多いので、ボクのの解釈は的外れです。。参考にはならないかと。1つの観点から見た感想です。


ユディット ルーカス・クラナッハ

一眼見た時に惹きつけられた。生首と綺麗な女性。コントラストがすごい。これはどうゆう事かを、、どうゆう経緯でこうなったのか気になるもの。

この絵の題材、物語の経緯は上のリンクに任せるとして、、この絵の女性もほんと美しい。強さはもちろん感じるのだが、ちょっと口角が上がってるところを見ると、してやったり顔にも見て取れる。

目線の先には何が見えるのだろうか、ものすごいクールな目つき。これは軽蔑の目なのだろうか、仕止めるまでの過程で何か気に触ることはあったのだろうか。騙してやったぞという感じがありありと感じられる絵です。

初見では見た最初の印象は美しいと思ったのに、まじまじと見ていくうちに恐ろしさを感じる不思議な絵でした。


まとめ

ここまで説明した3作品以外にもたくさん紹介されています。女性の肖像画という括りでセレクトされているので、日本でさほど有名でない画家さんもたくさんいる。旅行に行くと必ず博物館とか美術館にいく身としては、それぞれの保管美術館に訪れたい、1つのきっかけになりました。

最後に告知

です。
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ここまで読んでいただきありがとうございました!




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