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バンピック(Pick&Ban)の戦略性

バトロワ系以外のFPSゲームやLoLなどのeスポーツシーンを観戦している方にとっては、馴染みがあるであろう、バンピック。


これの戦略性について話をしていこうと思う。


バンピックとは?

バンピック とここでは統一して表記するが、まず表記自体が様々だ。

Pick and Ban 、バン&ピック、バンピック

ただ、Ban :禁止する。
Pick:選択する。

というのは共通している。

これは、対戦において使用するマップやエージェント・キャラを対戦者同士できる限り公平になるように決定していくための方法である。


行うゲームタイトルごとに細かいところは異なっているが、


先に、この対戦で使用しないマップ・エージェントを指定し(Ban)

残った中からマップ・エージェントを選択(Pick)していく。



どういったところに戦略性が出てくるのか?


戦略性というのは、どういうところで出てくるのか。


それは、自身と相手とで基本的には交互に行動することになるため、相手がどうしてくるかということを考慮にいれた上で、有利になるように自身の選択をすることになる点だ。


この上の話というのは、経済学分野におけるゲーム理論で扱う事象そのものである。

ここでは、ゲーム理論に基づいた話をすると、話が脱線してしまうため、気になる方は自身で調べてほしい。
”ゲーム”とついているが、テレビゲーム、PCゲームなどのゲームとは別物。

ただ、考え方については幅広く扱える有益な学問ではあります。


選択肢

バンピックを進めていくことで、選択肢は絞られていくことになる。

それは、単純に自身の得意・不得意や相手に有利・不利を基準に行うのが基本になるだろう。


そのため、相手の研究を進めるほど、その判断基準は明確になってくる。
そうなると、相手の選択予想ができるようになる。


FPSゲームであるValorantの頂点を決めるVCTでの配信では、バンピック結果が発表される前に、実況解説が事前予想する一幕があるが、
これも何回も試合が行われることでデータが集まるため、予想できることなのだ。


得意を押し付ける

バンピックは、互いに選択していくことで選択肢が段々減っていくのだが、
単純に自身が得意・有利なマップ・エージェントをバンする回数以上持っておくことで、
相手に必ず一つ以上は、自分の得意・有利な土俵で戦わせることができる。

もちろん、バンできる回数が多いとその分、相手がバンして勝負を避けられるため、それはそのゲームの事情で異なるが、シンプルが故に嫌な戦略であり、
これを前提に練習することも立派な戦略である。


対策・練習時間の分配

これは、上と重なるところも多いが、ある程度相手の選択が予想できるのであれば、それに集中して事前に対策・練習を割り振ることができる。

また、別の観点で言えば、バンピックを行う以上、必ずこちらはバンすることができる。
それを利用し、全く練習・対策をしないものを定めて、バンピックでは真っ先にバンをして、その分余ったリソースを他に分配してしまうのだ。


(補足)

バンピックの戦略性は以上だが、これはあくまでも

相手が合理的にものごとを捉え、情報を得ていることが条件になる。


つまり、相手が何も考えていなかったり、得られる情報が少なすぎて判断材料が乏しい状態では、上のような”戦略性”は出てくることはない。


例えば、即席混合チームで、相手の傾向がわからないといったことがこれに該当する。

このような場合は、バンピック自体が戦略的な選択というよりもランダム選択となる。




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