変わらない強さ Libalent Vertex 〜CoDプロ対抗戦を終えて〜

日本のCoD eスポーツにおける1つの区切り、プロ対抗戦 Summerシーズンの最終日が7/25に行われた。

最終戦を振り返りつつ、今シーズンの日本のプロシーンについての感想を話していきたい。


プロ対抗戦Summerシーズンの最終日おさらい

最終日については、結果から言えばLibalent Vertex(以下 LV)とRush Gaming(以下 Rush)が中心であった。

最終日前では、国内公式大会10連覇中の絶対王者LVがSummerシーズンのリーグ戦において最終順位が2位以上が確定しており、シーズン王者を決めるGrand Final(GF)への進出は決まっていた。そのため、LVが11連覇を決めるのかというところの注目が1つ。

そして、GF進出のもう一つの切符を争う形で、Rush、CAG、SCARZの3チームが数ポイント差でひしめく混戦となっており、LVへの挑戦権をかけた争いがもう一つの注目であった。


しかし、最終日第1試合から波乱の幕開けとなる。

2位争いのRushとCAGの直接対決。Summerシーズン第2回では、3-0でRushが下していたが、まさかのCAGが3-0でRushに勝ってしまう形でスタート。

CAGは、勝ち点争いにおいて、Rushにポイントを渡したくない中、今シーズン最高の出来でRushをスイープ。一気に2位争いでCAGが優位に立つ展開に。


第3試合、RushとRejectとの試合では、3-1でRushが順調に勝ち点を積み上げるも
第4試合、CAGとSCARZとの2位争い直接対決でも、CAGが3-1で勝利。

この時点で、2位争いはRushとCAGの一騎打ちとなり、残り試合は両者1試合で、勝ち点はRushがわずか1ポイントで有利。
しかし、Rushの相手は絶対王者LV。対するCAGはシーズン最下位のFAV。


この展開から、CAGは勝ち点3ポイントを確実に積み上げてくる予想。そのため、Rushは最低LVから2ポイントをもぎ取らなければ、2位になれない状況。


そして、運命の試合が始まる。


日本CoDの2つの中心 LVとRushの激突

ここでは多くを書けないため、さらとまとめてしまうが、
この第5試合は間違いなくベストバウトだ。ちゃんと試合を観てほしいところ。

無敗の王者LVにRushが土をつける!

決まった瞬間のRushメンバーの喜びようを見れば、如何に困難で高い壁だったかがわかるであろう。


前シーズンMWでの日本代表決定戦で言えば、SCARZが一番LVを追い詰めていたが、それでもMC2-3にするのがやっとであり、GFではコテンパンにやられてしまっていた。
そのため、どんな形であれ公式戦でちゃんとLVに”勝った”ということが、とてつもなく大きな”価値”があるのだ。


そして、窮地のRushはLVに勝ったことで、2位以上を自力で勝ち取り、”王座”に挑む権利を獲ったのである。


この2つの意味でも、Rushはとてつもないことをやってのけたのだ。
このことで、CoDを大騒ぎとなり、Twitterトレンドに載るほどになったのだ。

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無敗の王者に土をつけたことで、皆が期待するLVの11連覇の阻止をして、Rushが栄冠を掴むという期待。


そんな中、LVとRushのGFへと進んでいく。


ただ、LVが今まで無敗を重ねてきたこと、国内公式大会10連覇の厚みに偽りはなかった。

eスポーツプレイヤーであったことなど一度足りともない私が、僭越ながら申し上げるのであれば、

”同じ相手に2度負けない”

だけの、メンタリティー、修正能力、局面を抑えるだけのチーム・個両方の強さというのをまたしても見せつけられることととなった。


王者は、”王者たる”資質と積み重ねがある。


ここに、LVの11連覇が達成されたのだ。


変わらない強さ LV

結果だけでいえば、LVの11連覇という大方の予想通りとなった。

ただ、必ずしも"絶対的"ではなくなったのは事実でもある。


そもそも、プロ対抗戦が始まる前の前哨戦となるコミュニティー大会では、LVがCAGに敗れるといったことがあり、

プロ対抗戦に合わせて調整してくるであろうという予想はしていても、何かまだ噛み合わないままBOCWシーズン最初期は不安のある状態であった。

ただ、しっかり合わせてくるのが、LV
Springシーズンは、対抗馬であるCAGを一切寄せつけず、優勝。
いつも通りというところではあった。


ただ、Summerシーズン。

最終日以外にも、波乱はあった。

Summerシーズン第2回において、度々大番狂わせをするRejectが、プロ対抗戦で初めてLVから2マップを獲ったのである。

それだけではなく、今回のRushの勝利。


MWシーズンを含めても脅かされることが出てきた。
しかし、"絶対的"ではないにしても、”同じ相手に2度負けない”強さは変わらなかった。

それは、4人全員がエースとなれる個の強さだ。
LVだと、Inaba UR選手が日本ではずば抜けて強いことは周知の事実だ。

ただ、Inaba UR選手以外でも1つのマップでエース級の活躍ができる。そのため、Inaba UR選手だけを止めようとしても、他の選手にやられてしまう。

誰かが不調でも他でカバーできる。それがエースであっても。


普通のチームはエースが抑えられると勝てる見込みがぐっと落ちてしまうが、LVにはそれがない。全員に狂いがなければありえないのだ。


LV以外のチームでは、キルが取れるエース級の選手は大体2人だ。

CAGで言えば、Nicochaaaaaaaann選手とNgt選手。weekmoke選手は、爆発力は随一だが、安定しないことが欠点であり、CAGがノッているときは、Nicochaaaaaaaann選手とNgt選手が揃って調子がいい。

Rushで同じように該当するのは、今シーズンから加入し名実ともにエースとなったSirius選手とリーダーGorou選手だろう。


エース格の選手の数から違う。それがLVの強さである。
ただ、最終日はそれが崩れかけた。

LVのxAxSy選手が本人が認めるほど終日不調だった。これでも、エース格は3人。
ただ、CAGだとweekmoke選手が、Rushは時に応じてWinRed選手・Current選手がエース格の力を見せたのだ。

そのため、LVとRushの正面の強さは、五分五分であったのだろう。ただ、勝負を分けたのが、経験や戦術といったところなのだろう。
LVはGFにおいて、五分五分のところを勝ちきったのだ。


最後に

LVの連覇更新で幕を閉じた、BOCWシーズンのプロ対抗戦。

”LVの無敗記録をRushが止めた”

という事実が、重要になってくるかは、これからの2チーム次第。


もしかしたら、大きな転換点を私達は目撃したのかもしれない。ならば、これからもCoDのeスポーツシーンをしっかり見届けていこうではないか。

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