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いつまでも愛される『ニュートラル』を|cucumuのニットができるまで 2/4

こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。
プランナー浦川さんの記事から、バトンを受け取り“cucumuのニットができるまで”第2回をお送りします。

本企画は、シフトブレインとクライアントの寺田ニットさんとで立ち上げたオリジナルのニットブランド『cucumu』を掘り下げる全4回のシリーズ記事です。今回はアートディレクター藤吉さんへのインタビューを通じて『cucumu』のデザイン全般について深掘りしていきます。

もし「前回の記事、まだ読んでいないよ!」という方がいましたら、プロジェクトを立ち上げるに至った経緯をプランナーの浦川さんが紹介していますので、ぜひ1回目からご覧ください!


コンセプトを体現したロゴ

まずは、ブランドの主語となる『cucumu』のブランドロゴのお話から。

ブランドネーム『cucumu』が採用された理由のひとつに、『c』『u』『m』がニットの網目に似ていることがあげられます。ブランドコンセプト『つねにやさしく』にあるとおり、ビジュアル面でも引っかかりがないよう『u』の棒の部分をはずされたそうです。ロゴも編み地っぽさを感じられるように表現されているんですね。

3つの『u』にも思いが込められています

藤吉:
『cucumu』の語感のころころっとした感じが『つねにやさしく』と共通しているので、ロゴ自体の佇まいもやさしくあるように意識しました。
その上で、可愛さとカチッとした雰囲気のバランスを調整しています。

ブランドを構成する3つの柱

藤吉さんは『cucumu』を提案するにあたり、ブランドの構成要素として商品に「かたち」「色」「サイズ」の3つを設定したそうです。

1 - かたち

寺田ニットさんは高い技術力を持っているので、凝ったアイテムを作るのが得意です。ですが、藤吉さんはあえてその技術力をシンプルに落とし込み、長く愛されるスタンダードなアイテムを販売していく提案をしました。

藤吉:
かたちに加えて『cucumu』は環境にやさしい天然素材を使うことにもこだわっています。いい素材を使い、時代の変化にも耐えうるニュートラルさや芯の太さを持たせたシンプルなかたちを目指しました。

2 - 色

『cucumu』の商品は、定番色を作り全体の色味を揃えています。色の選定は、寺田ニットさんに送っていただいた糸見本から行いました。商品だけではなくキービジュアルに使用する色数も絞り、ブランドの世界観を作り上げていきました。

初期の提案資料

藤吉:
ECサイトなどで見た時に、色合いだけで「cucumuだ!」とわかってもらえるようにしたかったんです。最初に定番色をいくつか決めて、その色数でずっとやっていきたいと思っています。シーズンによって、1〜2色追加していくという考え方です。また、色数を絞ることで糸が余ることも防げます。

3 - サイズ

3つ目は、商品のサイズ展開。100サイズ(3歳くらい)から大人サイズを設定し、男女問わず幅広い層に着てもらえるブランドとしました。

藤吉:
子供から大人、おじいちゃんやおばあちゃんまでお揃いにできるようサイズを決めました。もちろん各サイズ全く同じではないのですが、寺田ニットさんの技術力で同じデザインに見えるように調整しています。
『cucumu』はユニセックスサイズ展開なので、Mサイズは普通のメンズのMサイズよりは小さめだったりします。なので、男性が購入される場合はいつもより少し大きめのサイズで購入するのがおすすめです。

『つねにやさしく』に立ち返る

『cucumu』を作り上げていく上で大切にしているのがコンセプトである『つねにやさしく』です。
特に商品開発は寺田ニットさんとの共同開発のため、業界は違えど判断軸が言語化されていることはやりとりを行う上で大きな指標となります。

素材選びや商品開発以外にも、梱包資材、語り口などブランドを構成するもの全てにおいて「これは優しいかな?」と、常にコンセプトに立ち返って考えていきました。環境にも優しく作り手も受け手も優しい気持ちになれる商品をつくることが『cucumu』を構成していく上での拠り所であり、判断軸となっています。
※コンセプトについて詳しくは、1回目の記事でもご紹介しています!

シフトブレインは商品開発においてもアドバイザーとして関わらせていただいています。とはいえ、ニット商品の開発は専門領域外。寺田ニットさんに編み方の種類や素材などを教えてもらい、学びながらのスタートでした。

藤吉さんと浦川さんは出来上がったサンプルの着心地を確かめながら、寺田ニットさんとの商品開発を進めています。(2人でオンライン試着会もしているそう!)

オンライン試着会の様子(着替え中です!)

ボタンなどの細かいパーツに関しても見本帳から『cucumu』らしい素材のボタンを検討、選定しています。ここでも『つねにやさしく』が一貫した軸となるそうです。

カーディガンのボタンに関するやりとりを資料化したもの

ブランドの姿勢を、世界観で表現

コピーに合わせた『cucumu』の世界観を商品写真以外で伝えるために、『cucumu』のECサイトでは1つのイラストが提示されています。

このイラストは版画作家の花松あゆみさんの作品。もともと藤吉さん自身が版画制作をしていた経緯もあり、ずっと好きな作家さんだったそうです。ですがこのイラスト、実は『cucumu』のために描いてもらったものではありません。

藤吉:
花松さんが2014〜2015年の間に自主制作されていた小作品のシリーズがありまして、その中にニットのあたたかさが感じられるものが沢山あったんです。今のイラストは、その中でもいちばん『cucumu』らしさを感じて「これだ!」と思い採用させていただいたものになります。

このイラストは商品と共にお届けするコンセプトカードにも利用しています。このカード自体も手漉きの羊毛紙で『cucumu』ならではのこだわりが詰まっています。このお話はまた別の記事で詳しくご紹介する予定です。

また、コンセプトカードにはシーズンごとにテーマを表現するポエムもついています。『cucumu』商品のカラー名が少し変わっているのは、このポエムの世界観を引き継いだ名前だからです。これも『cucumu』の世界観をつくる上でのひとつの工夫となっています。

2022-23A/Wのポエム
商品のカラー名『ALPS』『MORION』『MAKIBA』など

『cucumu』が理想とする未来とは?

すべてに対して『つねにやさしく』を考える、寺田社長の想いや決意から生まれた『cucumu』。ブランドを育てていきたいと語る藤吉さんに『cucumu』の今後の展望を聞いてみました!

藤吉:
細かい話ですが、ゆくゆくは梱包材などもブラッシュアップしていきたいと考えています。リサイクル可能なプラスチックバックや再生原料100%のビニール袋など、環境に配慮したものにアップデートしたいです。

もう1つ考えているのが、購入してもらって終わりではなく購入後の商品ケアのフォローをしていくことです。天然素材の商品なので洗うとどのぐらい縮むのか?や適切な洗い方について。現在はリーフレットを同梱し説明を添えていますが、今後はより商品を手にとってくれた人にとってやさしいブランドになっていきたいです。

ニットブランド『cucumu』は通常の案件とは異なり、寺田ニットさんと一緒にブランドを作りあげていくプロジェクトです。藤吉さんにとって、ブランドの立ち上がりから関われる『cucumu』はいつもより“自分事化したプロジェクト”になっているそう。
これからも商品やパッケージ、売り方など、ブランドにまつわるすべてを大切に育てていく未来を描いています。

次回は、一緒に『cucumu』を立ち上げた寺田ニットさんのインタビューをお届けします!


▼ cucumu ECサイト

▼ cucumu note
cucumuに興味をお持ちいただけた方は、ぜひ公式noteも覗いてください!


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