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より多くの人にプロジェクトストーリーを伝えたい!“Insight Magazine”ができるまで

こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。
シフトブレインのnoteでは、昨年10月から“Insight Magazine”をスタートさせました!

“Insight Magazine”とは、成果物のビジュアルや写真、動画だけでは伝えきれないプロジェクトの内側に焦点を当て、掘り下げていくマガジンです。
実際にクライアントやパートナーを招いて、シフトブレインのメンバーとプロジェクトの紆余曲折やその後の効果・影響についてお話しいただきます。

Insight Magazineは、シフトブレイン広報が運用するオウンドメディア内の企画です。この記事では、企画の立ち上げから1記事目の公開までの道のりについて、お話したいと思います。


1.なぜInsight Magazineをつくったのか

シフトブレインは、ブランディングとデジタル領域のクリエイティブを強みとする制作会社です。これまで制作実績はWebサイトが中心で、各SNSやコーポレートサイトでビジュアルをメインにご紹介してきました。

しかし、近年のシフトブレインはWebサイトの制作にとどまらず、上流のブランディングから手がけることも多くなっています。その場合、最終的な制作物やそのビジュアルにフォーカスした実績紹介だけでは、制作にいたるまでの重要な経緯が抜け落ちていると感じていました。

それぞれのプロジェクトには必ず、クライアントが依頼するに至った様々な課題があります。その課題に対して、シフトブレインがどのような提案・制作を行ったのか、より具体的に社外の皆さんへお伝えする必要があると考えたのです。

またシフトブレインでは、ひとつのプロジェクトにつき、半年から長ければ1年ほどかけて制作をします。決して短い期間ではありません。
そのようにクライアントと大切に育てたプロジェクトなので、「制作が終わったら、プロジェクト終了」ではなく、チームでプロジェクトを振り返る機会もつくりたいと考えていました。そして、その振り返りをクライアントと一緒にできたなら…...これほど嬉しいことはありません。

「シフトブレインの制作の中身を、もっと具体的に伝えたい」、「大切に育てたプロジェクトを、しっかり振り返り今後に活かしたい」という思いから、2021年の春に本企画は動き出しました。

2.Insight Magazineのルールづくり

Insight Magazine企画の初期に決まっていたこと、ブレストをして決めたことが6点あります。 

(1) 掲載媒体

シフトブレインnote
当初はnoteではなく、既存のコーポレートサイトの実績紹介ページに紐づけて作ればいいのではないか?という議論もありました。最終的には、「より多くの方にプロジェクトストーリーを知ってもらう機会をつくりたい」という思いから、既存のシフトブレインnoteのマガジン機能を利用し運用することに決まりました。

(2) 記事内容

初回は、クライアントを招いたオンライン対談記事に
コロナ禍のため、対談はオンラインで実施をすることになり、直近のプロジェクトからご協力いただけるクライアントを探すことにしました。

(3) トーン&マナー

Insight Magazineの人格、文章のトンマナを設定
将来的な運用や更新頻度も考えて、初めにルールを決めることに。誰が記事を制作しても一定のルールがあれば、運用面でも楽になると考えました。ルールの作成にあっては、シフトブレインCSO(Chief Storytelling Officer)のジョンさんに全面的に協力をしてもらいました。

(4) 取材・制作方法

フルリモート体制の運用
シフトブレインは、現在フルリモート体制です。関東圏以外にもスタッフがいるので、対面でのインタビューや対談が難しい場合もあります。
初回記事はオンライン対談を想定していたので、企画自体も当面はオンライン前提での運用を基本として考えていこうと決めました。

(5) デザイン

社内アートディレクターをアサインする
オンラインで取材を実施するにあたり、いくつかの懸念点がありました。

  • 記事の見出し画像をどうするか

  • 各自の回線状況に依存することで、記事内の画像の品質を保てない恐れがある

また、シフトブレインのnoteはすでに沢山の記事が公開されていたので、他の記事とInsight Magazine記事の差別化も必要でした。
この課題についてはデザインの力が必要と判断し、社内のデザイナーにアートディレクションをお願いすることに。社内で相談した結果、デザイナーの宮坂さんに協力してもらえることになりました!

宮坂 亜里沙(Designer)
【制作実績】
スタディサプリBrand Site+SHIFT Brand Site
ICS×MDX×DYU JOINT GRADUATION EXHIBITION

(6) マガジン名

名前は看板となるものなので、慎重に決めたい。でも、早く決めなければデザインに入れません。悩んでいたところ、広報チームから「コーポレートサイトの実績紹介ページで使用している”Insight(インサイト)”がいいのではないか」というアイデア出ました。

コーポレートサイトの実績紹介ページでは、クライアントに「どのような課題があったか=Insight」と設定した項目を設けているのですが、Insight Magazineの記事もその点から掘り下げていきたいと考えていたので、マガジン名を『プロジェクト インサイト(仮)』と決めました。

実績ページの”Insight”

3.デザイン制作

企画の大枠が決まったところで、Insight Magazineのアートディレクター(以下、AD)宮坂さんへ企画内容を共有し、デザインのトーン&マナーについて考えてもらいました。その際、広報チームからは追加で3つの要望を伝えました。

●広報チームの要望

  1. Insight Magazine ヘッダー画像のデザインが欲しい
    『インサイト(INSIGHT)』の文字のみでOK。

  2. 記事の見出し画像のデザインが欲しい
    案件の特徴をうまく出しつつテンプレで運用できると嬉しい。

  3. 写真素材について
    オンライン実施を想定し、一定のクオリティを担保できるよう考慮した提案をしてほしい。

ここからは、広報チームの要望に対する宮坂さんの提案を紹介します。

●BRAND IDENTITY

宮坂さんは、『インサイト(INSIGHT)』の企画名からブランドアイデンティティを考えてくれました。また、このブランドアイデンティティを深掘っていく過程で、この『インサイト(INSIGHT)』には、シフトブレインが2021年に新たに掲げた『SIGHT RENEWAL』というスローガンと共通点があることが分かりました。

SIGHT RENEWALとは
プロジェクトが始まるたびに思うことがあります。世の中は素敵な企業やサービスであふれている、と。しかしその魅力を伝えられていない、あるいはその魅力にすら気づけていない企業の、なんと多いことかと。

私たちは、クライアントの真ん中にある価値を見つけ出し、磨き、しかるべき人へ届けます。気づきや再発見があったり、驚いたり、ワクワクしたり、ドキドキしたり。受け手の景色が変わるようなクリエイティブを、関わるすべての人と楽しみながらつくり続けたい。そう思っています。

シフトブレイン コーポレートサイトより
提案資料/スローガンとマガジン名の共通点

✍️ AD 宮坂さん
見方や視点を変えていこうというスローガン『SIGHT RENEWAL』と、内側からの視点でサイドストーリー的にみるマガジン『INSIGHT』偶然にも繋がりのあるキーワードだと気づきました。
Insight Magazine自体がプロジェクトのビジュアル面では見えない制作ストーリーや裏側を見せていきたいという思いで始まった企画なので、この2つの言葉にはとても繋がりを感じました。

当初、仮で「インサイト」とつけた企画名が、実は今のシフトブレインに適した名前だったのか…...と広報チーム全員がはっとさせられた瞬間でした。この時点で仮称だったマガジン名が、正式に『INSIGHT』に決定となりました!

●BRAND STORY

宮坂さんはさらに言葉の意味を掘り下げてくれました。
『INSIGHT』のもともとの単語の意味は「洞察力」。「物事の本質を見抜く」という意味があります。

✍️ AD 宮坂さん
見えている“顕在しているもの”が表層の部分で、その内側には“潜在しているもの”が隠れています。ここでいう「本質」とは、そこからさらに下の深層心理を指します。
最下層にあり自分自身も認知していないかもしれないけれど、物事の一番中心にあるもののことです。

提案資料/インサイト(insight)という言葉について

✍️ AD 宮坂さん
調べていくうちに「本質」とは、“樹木の年輪のように真の本質は中心にあり、すべてはそこから広がっていく。覆い被さっているので表層からはぼんやりとしか見えないが、よく見てみると一番大切で、一番温度のあるもの。”であり、一番その人の温度が感じられるものだなと思いました。

そこで、メインのビジュアルは中心から感情を持って広がっていくようなデザインにしました。それに合うように滑らかな曲線のあるフォントを使って、『INSIGHT』のタイトルを作りました。

提案資料/『INSIGHT』メインビジュアル

●記事の見出し画像

✍️ AD 宮坂さん
メインビジュアルとプロジェクトの象徴的な制作物を合わせるデザインにしました。提案資料では、サイトの画像やロゴのイメージを入れていますが、オフライン実施の場合に写真を挿れても成り立つデザインです。

提案資料/提案時の見出し画像デザイン
提案資料/カバー画像、記事見出し画像の使用イメージ

●タイプフェイス

提案資料/日本語利用時も想定してくれました

✍️ AD 宮坂さん
メインビジュアルにも使用している欧文フォントで、aやgに特徴的な形があってビジュアルの曲線とも相性がいいTangerineを採用しました。
日本語フォントを利用する場合は、シフトブレインのコーポレートサイトでも使用しているモリサワのA1ゴシックを想定しています。

●記事内の画像

提案資料/写真のトーンについて

✍️ AD 宮坂さん
はっきりと綺麗に写しすぎず、色味を抑えて淡く暖かい思い出のように見せる方が今回の企画に合ってると考えました。
“ぼんやりとしか見えないが、よく見てみると一番大切で、一番温度のあるもの。”、記事を読む人に対して感情の生っぽさを写真のトーンを通じて伝えられるのではと思います。

●オンライン用背景

提案資料/オンライン用背景

✍️ AD 宮坂さん
オンラインの場合は画面キャプチャを利用するしかないですが、トーンに関してはそのほかの写真と合わせてフィルムカメラ風に加工すれば統一できると考えています。
背景はシフトブレインメンバーと社外の方用で分けて設定すると、記事上でもわかりやすくなるので良いのではと思い2種類用意しました。

インタビューや対談の場合、参加者の顔写真があるとわかりやすいのですが、全ての人がプロフィール写真を持っているわけではないため、素材の用意については、企画時にも懸念していた点でした。そのため画面キャプチャをメインビジュアルに合わせることで、トーンの統一ができるのはとてもいいなと思いました。

そして、画質のばらつきについては1番懸念していた点だったので、「フィルムカメラ風に加工することで、画面キャプチャの画像が荒くても目立たないようにできる」という狙いについても、納得感がありました!

さらに、将来的にはオフラインでの実施も.…..という話をしていたので、宮坂さんはカメラについても提案してくれました。

●カメラ

✍️ AD 宮坂さん
もしオフラインで実施ができる場合、フィルムカメラを活用できるのではと考えました。複雑な設定がないので、広報チームでもうまくトーンを統一していけると思いました。
オンライン実施の場合でも、もし社外の方がリモート勤務でなければフィルムカメラを送って撮っていただくなどの工夫もできます。

シフトブレインはフルリモート体制ですが、社外の方がそうでない場合、送ったカメラで写真を撮ってもらうのは有効な手段だと思いました。一方、フィルムカメラはその場で撮影した写真を確認できない点がデメリットなので、「フィルムカメラ風のスマホアプリでも、念の為に何枚か撮影してもらった方がいいかもしれません。」とのことでした。

短い期間でデザイン提案を行ってもらったにも関わらず、宮坂さんはInsight Magazine全体のブランディングを通じた運用方法までしっかりと考えて提案をしてくれました。

記事の見出し画像について、多少のデザイン修正を依頼したものの、それ以外は提案してもらったデザインがそのまま採用となりました!

4.取材・記事制作・公開

企画〜デザインののち、クライアントへの取材を経て、第1弾の記事を公開しました。

FOURDIGIT(フォーデジット)さんの20周年プロジェクトについて、両社の代表とアートディレクターに対して、オンラインでのインタビューを実施しました。

今回のマガジン企画は初めての試みだったので、実際に制作を進めると、想定していなかった課題にぶつかることもありました。
個人的に1番想定外だったのは、人によってカメラに映る構図が異なる場合があるということです。もともと、オンラインミーティングではカメラに向かって正面に向いて映ると思っていたので、参加者の正面向きの画像が並ぶことが当たり前だと思っていました。しかし、記事を見ていただくとアートディレクター藤吉さんの構図は想定と少々異なることに気づかれると思います。実は、クライアントも開始直後は会議室全体を映した状態でオンラインミーティングに参加されました。普段使用しているカメラの位置は人それぞれ違ったり、全面リモートワークではない企業では、必ずしも正面の構図ではないことを実感し、取材当日は開始早々冷や汗ものでした。

事前準備はしっかりと行ったつもりでしたが、やってみないとわからないことも多くありますね。オンラインの場合は特にネットワーク環境やPC内臓のカメラの性能によって、画質が変わってしまうこともありますし、録画データから画面キャプチャで良い表情を切り出す作業も結構大変でした。一定のクオリティを担保するためには、顔写真はオンライン背景を使用して個別に撮影してもらうなど、最初から参加メンバーに依頼をしておくとよいかもしれません。

5.今後の運用

1記事目の経験を活かしつつ、今後も運用は随時アップデートしていく必要がありそうです。
シフトブレインが関わるプロジェクトは関東以外にも広がっていますし、日本中にシフトブレインのメンバーがいるので、引き続きオンラインでの実施は活用していきたいと思います。

一方、緊急事態宣言が解除されたこともあり、対面での対談やインタビューを行える可能性も考えられるようになりました。ここまでご紹介してきた通り、基本はオフライン前提の企画で始まりましたので、対面での実施に向けて感染症対策や写真周りのディレクションなど、追加で決める必要があることも増えました。

現在第2弾の記事を企画中なので、今後のInsight Magazine更新もお楽しみください!

読者のみなさんももっと知りたい、気になるシフトブレインのプロジェクトがありましたら教えてくださいね。

これからもInsight Magazineを通じて沢山のプロジェクトストーリーをみなさんにお伝えしていきますので、よろしくお願いいたします!


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