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反カラーバス効果 Anti Color Bath Effect

心理学の有名な効果にカラーバス効果(Color Bath Effect)というものがある。

カラーバス効果とは、特定の物事を意識し始めると、その物事に関する情報が無意識に集まるようになる心理学効果のことだ。

例えば、「朝家を出てから学校に着くまでに赤色のものがいくつあったかを数えて」と言われると、普段見慣れている景色にどれだけ赤色がありふれていたのかに気付かされる、といったものだ。

問題解決や、日々の生活にインサイトを与える上でカラーバス効果は非常に有用に働いていると考えている。

例えば、株式投資を行うようになると、普段何も意識しないで消費していた食べものに対して、その企業がどのような戦略でその食べ物を生産し販売しているのかを考えるようになる、といった具合だ。

心理学をちゃんと勉強していないので、上の例はカラーバス効果の例として厳密には間違っているのかもしれない。しかしここでは、「特定の物事が意識されると、普段は無視していたその特定の物事への意識が集まる」という意味でカラーバス効果を使用しているので勘弁願いたい。

そして、個々人の意識がフィルターとして働き、同じ対象を観察していても得られる情報が異なるということこそが「インサイト」なのであり、そのインサイトの積み重ねが人類を発展させてきた。


しかし、ここで反カラーバス効果もカラーバス効果と同等程度に有用なのだということを提唱したい。

反カラーバス効果とは、「自分の注意」をあえて逸らしてみる、変えてみることによって、自分の中の精神的ストレスを軽減できる、という効果(仮説)だ。

カラーバス効果は人にインサイトをもたらす反面、ネガティブな情報も集めてしまうこともあると思う。

例えば、少し賢くなると、人の言動の裏まで汲み取れてしまうようになり、前までポジティブに受け止められていたことが、急にネガティブな印象を持って目の前に現れる、といった具合だ。

より具体的な例を出すと、人の気になる言動や態度を意識的に無視する、あるいは口に出さないことによって、それからの注意が軽減され、自分への精神的ストレスが減るのではないかという話だ。

そして、「意識的に意識しない」ことは練習により体得できると思うし、その効果は絶大なのではないかと考えている。

カラーバス効果の有用性と同様に、反カラーバス効果の有用性に気づき、体得することが、この複雑な現代社会において大切なのだと考えている。


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