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旬杯 勝手に紫円賞 短歌部門

お立ち寄り頂きありがとうございます。
さてさて、まだまだ初心者の私が「好き」をお伝えしたい勝手に紫円賞、短歌部門です。

短歌も、初めてまだ半年程度です。詠む力も読む力も、鍛え始めたところです。なので作者様の意図しない読みもたくさんします。解釈違いは大目に見て頂きつつ、沢山の素敵な作品の中から私が見つけた「好き」をお伝えさせて下さい。

例によって、作者様の判らない一覧を見て、特に「好き」と心が動いた作品を、触れた順に記させて頂きます。順位はありません。
というわけで参ります。


🎆サメ様(お名前合ってますよね?)
雪山で黒氷を取り拠点で
冷蔵庫作り生肉を入れる

何だかとても涼しさを呼び起こす言葉が沢山並んでいて心惹かれました。ファンタジーの世界でしょうか。黒氷で冷蔵庫を作って生肉を……何だか世界観が気になって、このコメントを書く前に思わず記事に飛んでしまいました。ゲームの様子を詠まれていたのですね……って作者は小学生さん!? と、色々驚きが詰まっていました。
ファンタジックな流れから、下の句への鮮やかな転調みたいなものが素敵だと思いました。「冷蔵庫作り生肉を入れる」という印象的な響きが、頭の中でリピートしています。この下の句が、素敵なリズムを構成している印象です。音楽を感じます。


🎆みゆ様
梅雨晴間喪服も揺るる風の吹き
サックス響くラストステージ

旅立たれた方は、梅雨の晴れ間に送られたのですね。喪服をさらっと揺らす風が吹いて、「ありがとう」「お疲れ様」という声が聞こえてきそうだと思いました。さいごはサックスの音に見送られたのですね。
送りの場というのは、どうしても湿り気を帯びがちだと思うのですが、こちらの方はどこか、からりと、皆が笑顔で送り出したのかな、などと勝手な妄想をしてしまいました。大往生を遂げられた方なのかもしれません。天国へ向かう後ろ姿が、しゃきっと背筋を伸ばして行かれるようです。凛とした後ろ姿を想像しました。


🎆ふぅ。様
もやもやのせいで焦がした鍋磨く
自分磨きはまずはそこから

心にもやもやがあると、いつもなら何でもないところで失敗をしたりします。私はそんなことがしょっちゅうです。
何か気がかりなことがあって、うっかり焦がしてしまったお鍋を磨くのは、結構時間がかかったりして、泣きたくなったりします。けれど、なるほど自分磨きとはそういうことから始めていくものかも、と気付かされました。
小さなことや一見地味なことにこそ、磨くべきものは眠っているのかもしれません。些細なことにも目を配れる、というのは素敵なことなのでしょうね。目標に加えたいと思います。


🎆銀猫様
夕暮れの美しく赤く染まる空
浮き出る飛行機映画のようだ

美しい光景が鮮やかに脳内に広がりました。夏の大きな夕焼け空に、飛行機のシルエットが見えます。でも、浮き出る、なので、私が思っているよりももっともっと大きく見えるのかもしれません。西から東へ飛んでいくのかな、と思いました。ちなみに我が家から夕焼け(西の方)を見るときは橋が見えるので、私がこのお歌から思い描いた景色にも橋が見えます。
美しい景色と共に、綺麗な映画音楽も聴こえて来るように感じました。これは例えば「ドラマ」ではなく、「映画」に相応しい景色だと思いました。


🎆うつスピ様
一目見ていいね好きって言い合える世界
私が望んだ世界

一覧の中で優しさがきらめいている……と惹かれました。私はnoteやTwitterでこそ、こうして「好き」をお伝えするのが好きですが、でも中々、リアルなどで面と向かって「好き」を伝えるのは照れてしまったりして、伝えられないこともあります。「いいね」「好き」はとても素敵な感情なのに、中々気軽には言えない場合もあったりします。それをもっと、ぱっと言い合える世界というのは、すごく優しい光にあふれて素敵ですね。そしてそれは「みんなの俳句大会」さんの世界そのものなのでは、とも思いました。
と書いたところで作者様を確認したら、うつスピ様でした。○○句集も楽しみですね。


🎆ぽこまる(外村ぽこ)様
少しでも乗り心地が良くなるように
背中の反った胡瓜を選ぶ

精霊馬ですね。この辺りではこの風習はないのですが、TVで知ってから我が家では私が勝手に作って設置します。ご先祖様が早く帰ってこられるようにキュウリの馬を、戻りはゆっくり帰れるようにナスの牛を、でしたよね。
スーパーなどで売られているキュウリは、恐らく規格があって真っ直ぐに近いものが多い気がするのですが、ご先祖様の乗り心地を考えて背中の反ったものを選ぶ思いやりとか優しさが、とても素敵だと感じました。近所のスーパーの、野菜売り場とは別にある産直コーナーを思い浮かべました。
ご先祖様を尊ぶ想いが溢れていて、じわっと涙が滲みました。(作者様を確認して、あ、うたの日でお見掛けしている素敵な方だ、と思いました)


🎆恵子様
長崎の 広島の また沖縄の
過ち忘れず 平和を求む

日本では今年で戦後78年ですが、今の世界は平和とは言えませんね。平和について色々と考えさせられることが多いです。
夏になるといつも、「過ちは繰り返しませぬから」の碑文をテレビで見て、涙が込み上げてきたりもします。私の祖父は南シナ海で戦死していますが(私と同世代の方のおじいさんおばあさんより、もう少し上なのです)、世界情勢がこういう風になって、祖父のことに思いを馳せることもかなり増えました。そこへこのお歌はとても刺さりました。色々な価値観の違い、思惑、向いている方向……私などには分からない難しいこともたくさんあるのだとは思いますが、みんなが平和に暮らせる世界を望みます。


以上の皆様に、勝手に紫円賞を贈らせて頂きます。
素敵な世界に触れさせて頂き、どうもありがとうございました。重ねてになりますが、コメントに的外れな部分があったりするであろうことはどうぞお許しくださいませ。

賞状らしきものもご用意しました(今回は全部門共通です)ので、よろしければお持ち帰りくださいね。


ありがとうございました!


というわけで、勝手に紫円賞の短歌部門でした。
最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。

いただいたご支援は、心の糧とさせて頂きます。