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本人が好きなことを否定せずに支えて

Bさん 男性 鎌倉市在住
法定後見支援歴10年  
現在33歳
 
グループホームからの相談  
保護者がいない知的障害の男性。知的障害者が暮らすグループホーム(以下GH)に入所している23歳。母親は数年前に死亡。父親も亡くなり保護者になる親族がいない。行政に相談したところ成年後見人の選任を勧められた。
      
本人の状況
本人は若く健康でGHで暮らしながら週日は通所作業所に通って軽作業を真面目にこなしている。GHから作業所まではバスで通っているが、いろいろなことに興味があり、寄り道をして遅刻することもある。注意されるとそのときは素直に聞く。寄り道の途中で集めたもので部屋が乱雑と世話人から指摘あり。
 
後見開始後の支援
・行政の協力も得て鎌倉市長申立でやすらぎが成年後見人に選任された。
・相談事業所、GH、通所作業所等、Bさんに関わる関係者と定期的に情報共有の場をもち、日常生活の問題にどう対応するか話し合う。まだ若いBさんに対して後見人としての役割とともに保護者としての役割も求められる。
・まずBさんとの間に信頼関係を作ることから始め、約束を守ること、遅刻をしないこと、部屋の整理整頓をすることなど、何度もBさんと話し合う。
・ただ工事現場で拾ってきたがらくた、お小遣いで古道具屋などから買い集めたもの等が部屋にあふれる状態はなかなか改善されない。しかし、他人から見たらがらくたにしか見えない物でも本人にとっては大切なものだということを理解し、徒に物集めを禁止することはせず、本人の意思を尊重しながら、お小遣いの使い方、部屋の整理の仕方など、本人が納得できるよう繰り返し話し合ってきた。
 
 
 
担当者の想い
「日々の生活を楽しいと感じ、生き生きと生活する」このことを大前提に支援している。ですから、好きなことは決して否定せず、まず、Bさんの意見をしっかりと受け止める、そして、その考えが、周囲に迷惑にならないかを話し合う、この作業を面会時に続けている。
 フレンドリーな性格のBさんは、周囲の意見や雰囲気に惑わされることも多いので、しっかり自分の意見を持つことを目標にし、今後、年若いBさんの後見(支援)を次の世代の方に引き継いでも、Bさんが自分を見失うことのないよう、しっかりと成長を支えていきたいと考えている。