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峠の登り歩き(ロードバイク) 風張林道編

 急に長文が書きたくなったのでロードバイクについて書く事にした。ロードバイクというと機材に拘る人も多いが、僕は機材収集癖は無いので主に登った峠とどんな事を考えて登ったのか美味しいご飯があったら付け加えて書く事にする。つまり、自転車で悲鳴を上げながら山を登り、お腹が空いたらご当地グルメを食べるといった感じである。

 初回からいきなりの風張林道レポ。風張林道とは奥多摩周遊道路と呼ばれる風張峠に連なる林道で車の通り抜けはできず、奥多摩周遊道路との境までは自転車で通行している人が一番多いだろう。峠の全長は約6.5km、この間に700m登り、その平均斜度は12%。その長さと斜度から東京でも”最上位級のヤバい坂”と言われている。よく登っている陣馬山和田峠を2本ぶっつづけで登るのと同じ位と予想していた。豚のくせしてよくそんな坂を登れるなと思う人も多いかもしれないが、走破タイムを気にして登らなければ登れるものである。一番軽いギアでひたすら耐える登坂。ちなみに某トライアスロンチームも風張林道の途中にあるきのこセンターまでを往復するらしい。ちなみに僕は水泳が嫌いなのでトライアスロンをやるくらいなら自転車200㎞で勘弁してもらいたいと思う。あと風景については、その都度写真を撮っていると時間がかかってしまう為、やむなく割愛した。

 風張林道の概要は、檜原村役場からふもとの藤倉まで15㎞の上り基調、藤倉からきのこセンターまで約3㎞平均斜度12%最大斜度18%、きのこセンターから終点まで約3km、序盤14%台の斜度が続くが5%以下の部分もあり徐々に緩やかになっていく。藤倉から終点までは八王子の陣馬山和田峠を2本ぶっ続けで上るようなイメージ。

 檜原村役場から出発地点となる藤倉の橋まで15kmの上り基調。1時間掛けて脚を温存して藤倉に到着。心肺は使っても脚は使わない。特に乳酸が溜まらないように進む。次の写真がその藤倉の写真である。東京都檜原村の最深部の入り口である。ここまで来るのに既に3時間自転車を漕いできたのである。何故、好き好んでこれから何百mも登らなきゃいけないのか自分でも理解できない。

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 いざ藤倉をスタート。いきなり斜度は8%台へ。ちなみに山を通る国道は大体斜度5%で造られているが、その3%の差が大きい。斜度5%は車でも自電車でも走りやすい。お酒に例えるとビールと日本酒のアルコール度数くらい違う。勢いよく飲んだら即泥酔である。都内で飲んでたのであれば即高尾へ寝過しが待っている。僕は貧脚クライマーの上、更に体重が重いという二重苦を背負っているので一般の人より辛い思いをしながら登るのである。兎に角、トルクをかけないように、脚に乳酸が溜まらないように漕ぎ進めていくのだが、斜度が12%を超えてくるとそうも言ってられない。乳酸地獄である。そういやSASUKEで古館さんが第3ステージの事を『二の腕の乳酸地獄。』と言っていたのでこれは『大腿二頭筋とハムストリングスの乳酸地獄。心拍数は常に160台。生前どんな悪行を重ねてきたのか。』と言われそうである。アルコール度数で言うなら、焼酎30度である。泡盛である。先日沖縄で潰されたのは泡盛のせいであるがここでは触れないでおく。まして、ここは坂なので水で割る事はできないので斜度は薄まらない。

 しばらく進むと、きのこセンターまで残り1.5kmの看板があり、そこがつづら折りとなっている。ここが風張林道の入り口である。乳酸地獄の入り口。このあたりから斜度も14%を超えてくる。ところが、坂の先に橋がありそこが平坦に見えるではないか。砂漠で見つけたオアシス。そこで一息入れらるの大きかった。ウイスキーのストレートを飲んでたところに出てくるチェイサーくらいありがたかった。ここで心拍数を150台まで落とす事ができたが、またすぐ坂。ここからきのこセンターまでは14%以上と一番キツい区間。そして最後の最後に18%という和田峠の最大斜度と同じで、それより更に長い区間が待っていた。何でここ真っ直ぐの道にしたんだよ。蛇行させて欲しかった。この区間はそんなに長くは無いので立ち漕ぎで一気に登り切る。坂道の一気飲み。ふざけんな!お酒にしたらこんなのテキーラショットだよ。はしご酒を重ねた後に出てくる頼んでもないテキーラショットには殺意を覚えるでしょ?僕はこの道を設計した人に殺意を覚えたよ。

 ちなみに檜原村のきのこセンター(http://www.yykinoko.com/)とは舞茸を栽培しているところである。その舞茸は肉厚でとても美味しい。ちなみに僕はきのこセンターの回し者ではないので安心して食べて下さい。

 きのこセンターをこえてもまだ全行程の半分、テキーラショットを飲んだけどまだまだ倒れる訳にはいかない状況。ただ周囲の環境は木々に囲まれた道になりいよいよ林道だなといった趣に変わる。道がほぼ日陰という事もあり直射日光に焼かれて体力を消耗しないのは大きい。標高500m以上になると直射日光が平地よりも強く日差しが痛くなってくる。そのせいもあって日なたの体感気温は平地とさほど変わらない。時折、心拍を落とせる平坦部をこなしながら斜度12%以上の坂道をひたすら耐え続ける。テキーラショットで一度限界を迎えたにも関わらず、泡盛を飲み続けているような状況。トルクをかけなくても溜まる乳酸。つづら折りのカーブは外の傾斜が緩い部分を通ったり、坂道でやりすごすスキルを繰り出していく。

 きのこセンターをこえて20分くらい登ったところだろうか、東京のマチュピチュと言われる絶景が目に飛び込んでくる。ただ頭が酸欠で感動している感情を全然消化できない。しかも、直射日光により景色が良い区間はとてつもなく暑いのである。残りの1㎞を一度登り切ってからマチュピチュ区間まで戻り、おにぎりとカロリーメイトのチョコ味を食べる。自転車の素晴らしいところはすぐにお腹が空くところで、お腹が空いていれば大体の物は美味しく感じられるから凄い。空腹すごいよ空腹。今度はコンロ、鍋、水、インスタントラーメンを持ってきて作って食べたい。サッポロ一番味噌味を。

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 その後は、檜原村郷土資料館近くの深山さんで蕎麦と舞茸の炊き込みご飯を。写真撮り忘れたけど鴨の燻製が美味しかった。え?さっきおにぎり食べなかったかって?それは補給食、これはお昼ご飯で全然違うんだよ。補給食と3食は別腹です。

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 早めのお昼を食べた後は払沢の滝の入り口から登っていく時坂峠へ。こちらも風張林道ほどの絶景ではないものの中々良い景色なのでオススメ。こちらは上まで車で行けてお蕎麦屋さんもあるので一般観光にもおすすめ。

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 今回は景色の良い峠を2つ登ったので写真も映えたけど、これがまた全然映えない峠も多いので、その時は本当に文字だけになりそう。

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