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JR西日本最長片道切符(出発まで:その1)

JR最長片道切符というものがあるらしいです。そういう名称の切符があるわけではなく、最も経路の長い乗車券のことなのですが。
それはさておき、一番最初にその存在を知ったのは宮脇俊三の「最長片道切符の旅」という本からでした。宮脇俊三は当時の国鉄全線を乗りつぶし、次に何をやろうかと考えて日本一の遠回りの鉄道旅を思いつきます。これにより最長片道切符という概念が誕生します。最長片道切符の経路は北海道・広尾から鹿児島・枕崎までと検索してわかったのですが、最短経路だと2764.2キロで済むものの、最長片道切符のルートだと13319.4キロだとわかります。

最長片道切符の旅-新潮文庫-宮脇俊三

当時と現在では、国鉄(JR)の路線で廃止されたものや新設されたものがあることや、JR各社に分割民営化されたためのルール改訂などもあり、現在の最長片道切符の経路長は当時よりも2000キロほど短くなっているようです。そして、この経路が本当に最長なのかを検討するプログラムを書くことに注力している人もいるらしいです。そのような人たちの貢献により「おそらく最長であろう」という最長片道切符が現在あります。これを「集合知」と呼ぶのか「マニアは親切で誠実」と呼ぶのかはわかりませんが、多分どっちも正解です。

この最長片道切符を使った鉄道旅を実行したというネットの記事やYoutubeの投稿動画を見る限り、実行しようと思えば少なくとも延べ30日以上かかる旅となるようです。最長片道切符の有効期間は運賃計算キロから察するに60日弱なので、土日だけの細切れの旅行では到底おぼつきません。平日仕事をしている身としては年休を使い果たすぐらいの覚悟が必要です。ということで、机上の旅行だけで済ませるのが健全かなと思っていたのだが、ふと頭をよぎったことがあります。

JR旅客鉄道会社は6社に分かれている。特定のJR旅客会社限定で最長片道切符を作ってみてはどうだろうか?それならゴールデンウィークぐらいで何とか始末が付くのではないだろうか?

折しも、手元にJR西日本の株主優待券がありました。これを使えばJR西日本限定という縛りは生じるけど最長片道切符が半額で手に入ります。ということで、その摩訶不思議な鉄道旅を実行するかどうかはさておき、JR西日本限定での最長片道切符の経路検索を始めることにしました。そして、検索を続けていくうちにいろんなことに頭を悩ませることになります。

「最長」とするべきは運賃計算キロ?営業キロ?はたまた実キロ?
最長片道切符ってどちら向きでも利用できないといけないの?
JR西日本限定って株主優待が使える最長ってこと?
など。

このあたりのことを、ぼちぼち書いていきます。

なお、余談ですが、JRが「きっぷ」と表記するのは「乗車券類」であり、乗車券、指定券、特急券、グリーン券、寝台券などです。一方「切符」とは、旅客関係以外で現金を収受する時や、内部帳票のようなものを指します。なので、「最長片道切符」という表現は厳密には正しくない表現なのですが、このネタの範囲内では、発案者の宮脇俊三さんに敬意を表し「最長片道切符」という表現を使います。

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