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JR西日本最長片道切符(出発まで:その2)

前回は、この摩訶不思議な鉄道旅を思い立ったところまでを書いておりました。今回からはいよいよ、具体的なプランを立てるところから書き始めます。

まず最初に「最長」って何が最長なのだろうか?という疑問が。
何を言ってるんだ?経路が最長に決まっているじゃないか!と思う人が多いのかもしれないです。でも、JRの経路の指標って複数あるんです。

「運賃計算キロ」「営業キロ」「実キロ」

3つも出てきてしまいました。このうち「営業キロ」は在来線の道のりを示すもので、実際にそれだけ移動したんだから、それに基づく料金が発生するというわかりやすいルールがあります。これに対して「運賃計算キロ」は、実際の道のりは確かにそうなんだろうけど、よんどころない事情で料金はこういうルールに従って計算しますよという長さを示します。よんどころない事情として「換算キロ」「実キロ」が出てきます。

「換算キロ」とはJR各社が利用者の多い路線(幹線)とそうでもない路線(地方交通線)を連続して乗車する場合の運賃を計算する上で、幹線と地方交通線の間で賃率が違うことから、地方交通線の営業キロをそのまま当てはめるのではなく、営業キロに割り増しした運賃計算用の数値(運賃計算キロ)を指します。JR四国やJR九州では「擬制キロ」と呼びます。

地方交通線とは、「幹線鉄道網を形成する営業線として政令で定める基準に該当するものを除いて、その運営の改善のための適切な措置を講じたとしてもなお収支の均衡を確保することが困難であるもの」と定義されています。ただしこの定義は国鉄時代の1981年のデータで決められているので、現状には合っていません。ただ、国鉄時代からその分類が変えられた路線はありません。

現時点で「地方交通線」に定義されている路線は、一般的な月刊の冊子で売られてる時刻表に記載されている索引地図では青の太線で表示されています(幹線は黒)。JR西日本では、「換算キロ」となる運賃計算キロは営業キロに10%を上乗せさせたものとなっています。つまり「利用者が少ない地方のローカル線なので、運賃は1割増しにした営業キロに基づいて計算します。」ということです。

更に「実キロ」という難しい問題があります。「実キロ」とは、バイパスとして新しく作られた路線の実際の道のりを言います。しかしながら、バイパスを利用する際に発生する料金は、バイパスから見たら冗長的ともいえるもとからあった路線の営業キロに基づいて計算されます。「距離が短くてなおかつ速く移動できるんだから、料金はこれまでと一緒でもいいよね。差額は速達料金とみなしてもいいよね」ということです。JR西日本だと、山陽新幹線の区間が該当します。

ということで「最長」って何なのかと考えますと、

実キロが最長
営業キロが最長
運賃計算キロが最長

の3つが出てきます。さて、どれを選ぶべきか。

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