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雇用率という数字のパズル??

あけましておめでとうございます。
2023年卯年。
うさぎのように跳ねる…と言われて、軽やかに~というよりは「うさぎ跳び」の根性論的発想に傾くあちこです。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

私、うさぎ跳びはウォーミングアップ、水分補給は禁止された根性の時代を生き抜いてきたのですが…。その後社会人になってからも、どこかで最後に自分を支えるのは「根性」ではないか??とか「働くということは~」「お金をもらうからには~」…

我慢せねばならぬ…
四の五の言わずに、やらねばならぬ…

という「ねばならない思考」の私がどこかにいるのですね~。
そんな、自分の成育歴的なところに触れる、無意識のバイアス。
気を付けたいものです。
今日は、障害者雇用率と組織のカタチについてノゾキミレポ~トします!


障害者雇用率制度

日本には障害者雇用率制度というものがあります。
従業員数の2.3%は障がい者を採用してくださいね~というお約束です。
2.3%って言うのが、「法定雇用率」つまりよく言う「雇用率」です。
私が根性論で仕事をしてたころは確か1.6%位だった気がします…。

従業員数43.5人に1名以上

2.3%ってどういうことかというと…
43.5人の従業員がいる会社は、1人以上は障害者手帳を持っている人を採用して下さいという事です。
「手帳」とは身体障害者手帳・療育手帳(愛の手帳等知的障害の方の手帳)・精神保健福祉手帳のどれかです。

ということで、従業員数が多いほど、手帳を提示して働く(いわゆる障がい枠)で働く人数も多くなるのですね。

特例子会社という存在

特例で、子会社の雇用人数も、親会社の雇用人数にカウントしてもいいですよ~という仕組み。

厚労省の資料を抜粋するとこんな感じです。
事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立して、一定の条件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用しているものとみなして、実雇用率を算定できることとしている。

「一定の条件」というのは株の比率とか、意思決定権とかそのあたりですが、今日は割愛させていただきます。似たようなワードで「グループ適用」もありますが、それもややこしくなるので割愛…

特例子会社の2つの側面

雇用という視点で見たとき、2つの側面というべきか、多面性というべきか…悩むとこですが、あえてわかりやすく2項対立にしてみた…私の根性の悪さ。水分補給禁止の影響だとかそうじゃないとか…。

①障がいのある人が働きやすい環境や、取り組みやすい業務内容をまとめることで、障がいのある方が安心して働ける環境を準備しています。
②別の場所で完結できれば、それが良い

これ、どちらもあると思うのです。

厚生労働省の資料(H30)によると、特例子会社の数は486社約23,500人の人が特例子会社働いていると…。
ちなみに、わたくしが根性論で仕事をしていたころは150社程度…約4,000人の人が特例子会社で働いていたようです。

15年位ですげー増えてる…。(あ、歳がバレる)

雇用率が増えているので、そのお約束をきっちり守ってる企業が多ければ多いほど、そんな仕組みを使ってみようかと思うでしょうし…。
以前は、設備投資に使える助成金などもあったという背景も…。
国としても、雇用率を上げるからにはその手立てを準備し、
企業の皆様も始まりは、お約束を守りたい…だったと思うのです。(あちこ説)

特例子会社ってどうなの??説

上記のように15~20年ほどの間に、増えていった特例子会社に賛否両論あるわけです。

「障がい者だけ集めるってどうなの??」
「数字を稼いでるだけなんじゃないの??」

確かに…。そういう側面もある。
最近の言葉で言う「インクルーシブ」とか「ダイバーシティー」とか、つまり「ごちゃまぜ」とは対極にある組織でしょう…なぜなら、障がいのある人を集めてるので…。

でも本当にそうでしょうか??
私の前職は、ハロワの障がいの方の窓口でした。
そこには、けっこういましたよ。
「特例子会社で働きたいです」
「特例子会社って何ですか?良ければ行ってみたい」
「特例子会社で働くにはどうしたらいいですか?」

「特例」というワードに「特別に配慮されている…」という意味を含んで感じている方の場合には、その意味正しく伝えるなどし、ホントのトコロをヒアリングしていくわけですが、共通点としては、「情緒・体調の安定を優先して働きたい」という感じを受けていました。

そうなると、どうでしょう…。
ある程度、求めている人がいるのです。
そして、事実、安定して安心して、長くお勤めしている人もいるのです。

組織のカタチよりその中身

「みんなで仕事をする」会社

そこで、ご紹介したいのがこちらの会社。
NXトランスポートサービス株式会社会 様
特例子会社ではありませんが、たくさんの障がい者の方が働いています。
あくまでも、あちこ感覚ですが、もはや特例子会社では??と思ってしまう人数でした。

物流のお仕事の現場(撮影、掲載許可済)

広々とした場所で、フォークリフトも走り回る現場です。

整理整頓されてわかりやすい!


行き先をわかりやすく表示

「ココでは、みんなで仕事をするんです!」「役割は違うこともあるけどね…障がい者だからこの仕事、健常者だからこの仕事」という分け方はしていないんです」と話してくださったのは、奥村社長(取材当時)

奥村社長は、以前は特例子会社の取締役のご経験もある方です。
であれば、なおさら、特例子会社に組み込んでも…という発想もあったかもしれませんが、社長が目指したのは「みんなで仕事する世界」であったようです。

「人間だもの~、ミスすることはあるよ~。それはみんな一緒だよ」
「それが起きたら、どうするか…って、わかりやすくしていけばいいんだよ」と、優しい笑顔でお話しして下さるうちに、私もほっとしてきます。
ほっとしすぎて、社長のお写真撮り忘れました…すみません。

引継ぎや安全確認の様子

中には勤務時間が週20時間に満たない方も…つまり「雇用率には実質カウントされない」働き方です。雇用を単なる数字のパズルだとすると、これはなかなか成立しません。

「信じることにしたんです。それしかない」と、奥村社長。
好きな事があるっていうから、そのために仕事する…そこを信じると。
そして、彼がいないと困るんだ…とも。
週20時間行かないから、戦力ではない…というような端的な見方ではありません。

そうすると、応えようとします。
休みたいと思っても、踏ん張って出勤する!
すると、10時間(超短時間)…20時間と達成していきます。

信じてくれる人がいるかどうか…
信じられる人がいるかどうかより、大切かもしれません。

それを働くことを通じて学べる職場。
私が経験してきた職場で、こんなに大切な事を学んだ職場環境はあっただろうか…??ふと考えてみて…。
記憶が定かではないということにして、ノーコメンと…ゴニョゴニョ。

カタチじゃないよね…。

特例子会社という組織でなくても、たくさんの障がい者の方が働きやすい職場があるのです。≒みんな働きやすい職場になる。

特例子会社の形で「みんなで仕事する」スタイルの会社もあります!
※ココもいつかノゾキミレポートしたいと思ってます

そして…
いわゆる一般企業の障害者枠でも、役割分担とは別に「障がい枠」は別で…という環境もあるのです。

つまりはその在り方

数字で見るのか?人で見るのか?

雇用率ありきの思考では、雇用率にカウントできない人を雇用してもね~…説になりがちです。この視点で言うと、基本的には週20時間に満たない労働時間の人は採用は難しいでしょう。

「みんなで仕事する会社」で、人を見て考えたからこそ、できることにフォーカスして採用できたのかもしれません。

働いているのは人です。数字ではありません。
時に喜び、時にもがき、悩み、笑いながら人が働いているのです。
そして、その人と人が向き合って、懸命に働く現場があるということを伝えたい!!障害者だけを集めればいいんだ…という発想ではなく、「みんなで仕事する」。当たり前の様で、なかなか難しい事です。

シチロカSDでは、これからも忖度なく、共感できる取組をしている企業を紹介していこうと思います(^^♪

雇用率達成を目的化すると…


雇用率達成を最終目的にしちゃうと、
そうなるなぁ~と改めて思ったのです。

シチロカSDが考える雇用率達成は
「多様な人が多様に働ける社会になるための手段」です。

そして、そこを大切にして取り組んでいくことで、ファンが増えます。そうすると採用がうまくいくようになるのです。

シチロカSDは、障害者雇用に真剣に取り組む企業に本気で向き合う会社です。その仕組みづくり、ぜひご相談ください。

最後に、近年、爆発的にできてる「サテライトオフィス」とか「農園」というスタイルでの雇用率達成について…。
これこそ、雇用率達成を目的化してる!!!!という目であちこは見ています。これを語ると、なが~くなるので、また改めて…。

最後までノゾキミありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
では、また~(^^♪