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感受性が強いということ

 七條は明るい文章を書く、が、七條という人間は暗く、弱い、とても暗く、弱い。
 さらに七條という人間は傷つきやすく、(重度の)人間不信だ。
 なぜ生きているのだろうか? 生きていられるのだろうか? と自問することが多い七條君。
 つらい、しんどい人生だ。
 電話をかけた直後や、電話後に「ああ、このタイミングで電話をかけるべきではなかったな……」と後悔の念に苛まれ、抑うつ状態に陥る。
 また、相手の些細なリアクションから相手の気持ちを勘ぐり、勝手に傷つく。
 メンヘラと言われたらそれまでだ。
 だが、違うような気がする。


 ところで、かつてとある方に「七條さんは感受性が強いですね」と言われたことがある。
 そう、七條は感受性が強いのだ、とても。
 感受性が強いから、他人の言動に一喜一憂する。
 感受性が強いと書き、ふと思った。
 感受性とは何ぞや? と。
 感受性という日本語の意味が気になった七條君、大辞泉でこれの意味をさっそく調べました。

かんじゅ‐せい【感受性】
アクセント かんじゅせい○  
1外界の刺激や印象を感じ取ることができる働き。「―の強い人」 「―が豊かだ」
2病気にかかりやすいこと。例えば、麻疹はしかや風疹などの感染症に対する免疫ができていないため、感染した場合に発症する可能性が高いことをいう。

引用:大辞泉

 なるほど、感受性という日本語には病気にかかりやすいという意味もあるのね。
 外界からの刺激を受けやすい、よって、病気にかかりやすい。
 このように解釈すると、腑に落ちるわね、感受性君よ。
 日本語は面白い。


 それはさておき、今とあるエピソードを思い出し、自分の感情性の強さを自覚した。
 ヘッドフォンでミオヤマザキの「絵空事」という曲をリピート再生で聴いていた時のことだ。
 これをリピート再生で聴いていたあの日、亡父のことを思い出し、あの瞬間、心が悲しみに支配され、号泣してしまったのだ。
「絵空事」という悲しい曲をリピート再生で聴くなよ、そして、20代、しっかりしろよ。
 ……。
 つらいね、七條君、生きづらいね、七條君。
 しかし。
 感受性が豊か、だから、物語を書ける、このように解釈すると、この感受性の強さをどうも嫌いになれない。
 もう一度言う。
 七條は明るい文章を書く、が、七條という人間は暗く、弱い、とても暗く、弱い。
 嫌なことがあると、煙草に助けを求める情けない愛煙家だ。
 こんな私だが、強くなりたいと願い、日々もがいている。
 なので、七條を見放さず、温かい目で七條を見守ってほしい。
 これが七條の切なる願いだ。


 追記する。
 鷺沢萠が旅立った理由が分かる気がする、なぜだろうか? 彼女が旅立った理由が分かる気がするのだ。

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