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ほめる=叱らない、ではない。自立できるようになる 良い叱り方をしよう

最近は、ほめる育児がもてはやされています。
でも、子育てをするうえで、ほめてばかりいたら正しく育たないのではないか、と心配に思うお父さんやお母さんがいらっしゃるかもしれません。

確かに、ほめて愛して育てた子どもは、ネガティブな心がありません。だから、まっすぐで素直なやさしい人に成長します。親の注目を引こうとして問題行動を起こすようなこともありません。ほめて育てることには、良いことがたくさんあるのです。

しかし、人としてやってはいけないことを子どもがしているのに、注意せずに放っておくような子育てはいけません。正しいことと間違っていること、良いこと悪いことは、しっかりと教えなければいけません。そして、間違ったことや悪いことをしたときには叱ることが必要です。ほめる育児=叱らない、ということではないのです。

ポイントになるのは叱り方。上手に叱ることで、子どもの自律や自立を促すことができるのです。そこで今回は、七田家の「叱り方」をご紹介します。

●これをしたら叱る!七田家4つの叱る基準

「わがまま・いじわる・うそ・はんこう」
これは、「これをしてはいけない」 という七田家のルールです。 

「わがまま」とは、人に迷惑をかける行為です。本来、子どもはわがままです。座りたいときは道の真ん中でも座りますし、泣きたければ電車のなかでも泣き叫びます。そうした子どもに、人としてやって良いことと悪いことを教え、わがままを抑えることを学ばせるのが、子育てで重要な点です。耐える力を身につけることで、意志の強い子どもになります。

「いじわる」とは、人を傷つける行為です。肉体的にも精神的にも人を傷つけてはいけません。自己中心ではなく、人に親切にするのも大切なことです。「うそ」が良くないことは言うまでもありません。正直は美徳です。童話や絵本には正直の大切さを教える話がたくさんあるので、そうしたものもうまく利用して、子どものうちから正直さを身につけさせておきたいものです。

「はんこう」とはこの場合、親に反抗したり口答えをしたり、親を馬鹿にするよ うな態度をしたりすることを指します。小さな子どもは善悪の判断が正しくできな いので、理屈抜きに親に従う従順さを身につけることが必要なのです。もちろん、その前提として、親が正しい分別を備えていなければいけません。

この七田家のルール、「わがまま・いじわる・うそはんこう」は、子どもの心を悪くするものです。ここに書いてある四つのことをしてはいけません。もし、これをしたら叱る。これをしなければ叱らない、という基準になるのです。

●家族のルールを、小さな頃から身に付けさせる

このように叱るうえではっきりした基準をつくっておくことは非常に重要です。そうでないと父親と母親で叱るポイントが違ったり、気分によって叱ったり叱らなかったりしてしまいます。すると、子どもは善悪の基準が理解できず、親の顔色を見てから行動するようになり、自律も自立もできません。

もちろん、「わがまま・いじわる・うそ・はんこう」でなくても構いません。ご家庭で話し合ってルールを決めてみましょう。

そしてそのルールを、早いうちから徹底して身につけさせることが大切です。人間の性格は、6歳頃までの幼児期にほぼ決定づけられるといわれます。この時期に子どものわがままを許してしまうと、子どもの性格が損なわれてしまいかねません。いけないことはいけない、と言い聞かせる強さが親には必要です。

ほめるところはほめる、叱るべき場面では基準に沿ってきちんと叱る。子どもが自立できるように、メリハリのある育児を心がけたいものですね。