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しっかり書けてる?タブレットを始める前にお絵描きで筆圧を身につけよう

10月〜11月は、多くの都道府県で小学校入学前の「就学時健診」が行われる時期です。初めて訪れる校舎やお手伝いをしてくれる上級生の頼もしい姿に、親も子も小学校生活への期待が高まりますね。

同時に、授業のノートや連絡帳をきちんと書けるかな?といった心配も出てくるのが親ごころ。だからといって、あせってひらがなの練習帳やドリルなどを子どもに始めさせる必要はありません。まずは、正しい文字をしっかりと書くために必要なことができているか、確認してみましょう。

文字を書く力=筆圧は、お絵描きで楽しくトレーニング

文字を正しく書くために必要なこと、それは手に持った鉛筆に込める力、筆圧のコントロールです。

筆圧が強すぎると、紙が破れたり、芯が折れたりします。弱すぎると、書いた文字がうすく読みにくい、ふにゃふにゃと曲がってしまうなど、どちらもきちんと文字を書くことができません。適切な筆圧のコントロールが、正しく文字を書くための第一歩です。

入学前に限らず、子どもが鉛筆で絵を描くようになってきたら、筆圧が身についているかどうか、確認しましょう。

調べる方法は簡単です。宅配便など複写式の伝票に鉛筆で記入、一番下までしっかり写ったらOKです。このくらいの筆圧が出るまでは、お絵描きや色ぬりで筆圧を強くするトレーニングを行いましょう。
 
子どもは、3歳頃からクレヨンや鉛筆を持てるようになり、グルグルと丸を描いたり、ぬりつぶしたり、文字のようなものをかき始めます。このとき、せっかくですから子どもの思うように描かせましょう。絵を描くのは表現のひとつ。好きな色や発想でのびのびと描かせ、「じょうずだね!」とたくさんほめてあげてください。

お絵描きをほめられたことで、子どもは自己表現や絵を描くことに喜びと自信を感じ、ますますお絵描きが好きになります。はじめは紙を破いてしまったり、色鉛筆の色がきれいに出なかったり、うまくいかないこともありますが、続けていくうちに筆圧が身につき、きれいな色で絵が描けるようになります。

ポイントは、水性ペンやクレヨンではなく、筆圧を学べる鉛筆や色鉛筆を使うこと。楽しくお絵描きで筆圧をトレーニングしながら、同時に自己肯定感と表現力も伸ばしていきましょう。


タブレット学習のスタートは筆圧が身についてから

最近では、文字が書ける、読めるようになったころに、タブレット学習を始めることが多いようです。子どもの意欲を引き出す映像や音などを使用する教材は、確かに魅力的ですね。

しかし、タブレット学習を始める前には、必ず子どもの筆圧が身についているかを確認しましょう。最近の小学生は筆圧が弱く、これまでよく使われていたBの芯では濃い文字が書けないため、芯のやわらかい2Bや3Bを使うことが多いそうです。

適切な筆圧で書けないと、授業時のノートやプリントに記入する際の力の加減がわからず、うまく書けない、書いても薄くてよく見えない。結果として、書く=ノートをとる、勉強することが嫌になり、学習意欲の低下につながることもあるようです。

指やペンでやさしくなぞることで画面に線や文字が表示されるタブレットは、手軽で始めやすいメリットはありますが、筆圧を身につけることはできません

タブレット学習のスタートは、高学年以降でも十分です。小さいうちは、しっかりと筆圧を鍛え、文字をていねいに適切な強さで書くための練習をしっかりしておきましょう。デジタル全盛の今だからこそ、手書きで美しい文字を書けることは子どもの大きな自信にもつながりますよ。

参考:侮るなかれ!筆圧が弱い子どもは学習にも支障がでる!?原因や対処法をご紹介 | Dolce far Niente (ykigchi.com)