五感を育み、より豊かな生活を。いつもの日常でできる五感あそび
あらゆることが目まぐるしく変化し、明日のこともわからない現代。SNSやリモートなど、直接対面しないコミュニケーションも、すっかり定着しました。そんな時代を生きる子どもたちには、成長していくなかでさまざまな力が必要となっています。
まず、最初の段階は基礎概念。色や形、大小や数、比較や順序など、他社とのコミュニケーションに欠かせない「表現力」につながる力です。
その次の段階は自分で考える力。記憶力、イメージ力、推理力といった力を土台とした、思考力・行動力です。また、語彙やアウトプットなどの力を磨くことで、自分の考えや気持ちを伝える力も身につける必要があります。
そして今回のテーマは、そこからさらにワンステップ上、五感の育み方!より発展的な力、といっても難しいものではありません。日常生活の中で、小さな頃から実践できる方法をご紹介いたします。
●“いつもの日常”のなかでできる五感あそび
五感を育む絶好の機会、それは食事やおやつです!とくに嗅覚・味覚は、おやつや食事に絡ませて楽しく育てることができますよ。
【1st STEP:目をつぶって「なんの味?」】
何種類かの果物を、目を閉じたまま食べて、味だけで何の果物かを当てさせます。口に入れる大きさがそろうように、それぞれ5mm角ほどに切ってお子さんの口に入れてあげましょう。視覚からの情報が一切絶たれることで、嗅覚・味覚・舌の触覚が冴えわたります。
【2nd STEP:目をつぶって「なんの匂い?」】
りんご、バナナ、キウイ、みかんなど…季節の果物を3つほど、皮をむく前の状態で用意します。「匂いだけで何の果物か当ててみて!」と、目をつぶらせて匂いを嗅がせてあげます。形がわかると、匂いを嗅ぐまえに気づいてしまうかもしれませんので、最初はお父さん・お母さんが鼻の近くに果物を持っていって嗅がせるのが良いですね。
【challenge!:お手伝いで複雑な香りを知ろう】
一つひとつの食材の味を覚えだしたら、普段食べている食事はどれだけの味が混ざり合っているかを教えましょう。そのためには、料理の工程を一緒に体験するのがいちばん!塩、砂糖、しょうゆ、唐辛子など...調味料や素材が加えられていくごとに香りが沸き立ち、重なり合っていく工程を知ることで、複雑な味がどの要素でできているのかを知ることができます。
●五感で感じ取り、学ぶ喜びを体験させてあげよう
日常生活のなかで五感を育む方法、いかがでしたか?毎日忙しくて、食事ごとに五感あそびをするのは難しいという場合は、ぜひ季節ごとの行事や特別なイベントでの食事・料理の場を活用してみてください!
たとえば、節分であれば恵方巻き。子どもと一緒に料理するのはもちろん、買ってきたものでもOK。どんな具材を使っていて、どんな香りがして、どんな感触、どんな味なのか。ひとつの海苔巻から、いろいろなことを学べます。また、バレンタインにお菓子づくりをしてみるのも良いですね。
「知りたい」というのは、人間の本質的欲求。新しい物事を五感で感じとり、学ぶというのは、大きな喜びにつながります。ぜひ、日常のなかに五感あそびを取り入れてみましょう。