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11月8日は「いい歯の日」。子どもの歯を丈夫にするために重要な、栄養素と生活習慣とは?

「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」と、日本歯科医師会が推進している「8020運動」をご存知でしょうか。この「8020運動」の取り組みの一環として、今日、11月8日は「いい(11)歯(8)の日」に定められています。

「人生100年時代」と呼ばれるようになった現代において、自分の歯を大切にし、おいしく楽しく食事を摂れるかどうかで、人生の満足度も左右されるのではないでしょうか。

今回は、子どもの歯にとってよい食事についてお伝えします。

●丈夫な歯には、やはり「カルシウム」が必要?


丈夫な歯を守っていくと聞いて、「カルシウム」がパッと思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。永久歯が生えそろうまでの15歳頃までは、丈夫な歯を作っていくためにカルシウムが必要です。ぜひ、積極的にとるように心がけましょう。

カルシウムが多く含まれている食品は、魚介類や海藻類(ひじき、煮干し、干しエビ、わかめ、昆布、海苔など)や、牛乳や乳製品(ヨーグルト、チーズ)が挙げられます。

●砂糖を多く含む食品や飲料水との付き合い方


砂糖を多く含むお菓子を食べると、虫歯になってしまうというイメージもありますよね。

しかし、砂糖を多く含んでいてもそうでなくても、食べたあとに歯磨きをせず、食べかすが残っている状態になっていると、歯を強くするための「歯の再石灰化」(溶けだしたエナメル質を唾液によって元の状態に戻す働き)をするタイミングを逃してしまい、結果として虫歯になりやすい状態を作り出してしまうことになります。また、ずっと食べ物が口に入っていると、虫歯になりやすい酸性の状態になってしまいます。

おやつや食事はタイミングを決めて食べ、食べたら歯磨きをする習慣を身につけましょう!

そして、意外と見逃してしまいがちなのが、市販のジュース。砂糖が多く入っているジュースを大量に飲むことで虫歯のリスクが上昇するだけでなく、子どもの落ち着きのなさにつながってしまう危険性もはらんでいます。

例えば、500ミリリットルのあるコーラには、約56グラムの糖質が含まれています。これは、糖質量3グラムのスティックシュガーに換算すると、約1本分。多量の糖質を摂取したことで血糖値が急激に上昇し、その後急激に血糖値が下がると、イライラ、頭痛、空腹、集中力の低下などを引き起こすことがあるのです。

●歯にとってもバランスよく食べることは大切!


健康的な歯を育てるためにも、カルシウム以外の栄養素をバランスよくとる必要があります。

・歯の基礎となる「タンパク質」:卵、豆腐、牛乳、魚
・歯のエナメル質をつくる「ビタミンA」:レバー、豚肉、ほうれん草、にんじんなど
・象牙質をつくるのに必要な「ビタミンC」:レモン、みかん、パセリ、ピーマンなど
・歯を強化する「リン」:米、牛肉、豚肉、卵など

このように、一言で「丈夫な歯」といっても、さまざまな役割を果たす栄養素をとる必要があります。

バランスのいい食事をとるための「まごわやさしい」というフレーズをご存じですか?「まめ」「ごま」「わかめなどの海藻類」「やさい」「さかな」「しいたけなどのきのこ類」「いも類」、これらの頭文字をとって「まごわやさしい」と呼ばれています。

●噛む力も高めていこう!


嚙む力も鍛えていくことで、体にとってよい効果がたくさんあります。

肥満予防、味覚の発達、言葉の発音がはっきりする、脳の発達、歯の病気を防ぐ、がんの予防、胃腸のはたらきを促進、全身の体力向上、これらの効果の頭文字をとって「卑弥呼(ひみこ)の歯がいーぜ!」と呼ばれています。

よく噛むためには、①急いで食べない、②飲み物で流し込まない③歯ごたえのある食材をとるようにするの3つのポイントを意識するといいでしょう。固いものが苦手な子には、「りんごがシャリシャリといい音がしているね!」「〇〇ちゃんの噛む音、聞かせて!」と音に注目した声かけをして一緒に食べてみましょう。

「食」はその子の体をつくるだけでなく、性質をも形づくるといっても過言ではありません。歯にとってよい習慣を親子で身につけ、家族で楽しい食卓を囲むようにしたいですね!

参考:
11月8日は「いい歯の日」|日本口腔保健協会
今すぐ実行できる!子どもの虫歯予防に知っておきたい食事のポイント|EPARK
乳幼児の「かむ力」を育てる方法|ママ、あのね。