ロコモと姿勢

ロコモティブシンドローム(ロコモ)

運動器の傷害のために移動能力の低下した状態

(ロコモチャレンジ!推進協議会:ロコモパンフレット 2020 年 度 版.Available from: https://locomo-joa.jp/assets/pdf/i ndex_japanese.pdf )

ロコモは日本整形外科学会が提唱している概念です。重症度を表すロコモ度テストは、立ち上がりテストと2ステップテストおよび質問表のロコモ25から成り立っており、地域だけでなく病院などでも多く使用されています。

最近、地域の運動教室のお手伝いに行ってきました。
そこで“姿勢はどうですか?”と聞かれ、姿勢は色々だから良いんですよと答えましたが、姿勢が良くなると何が良くなるんだろうと気になったので、調べてみました。

参考になった論文が…
(渡邉健人, ”骨粗鬆症患者におけるロコモティブシンドロームと脊柱骨盤矢状面アライメント異常の関連について” in the J. Spine Res. 12: 1174-1180, 2021)

外来受診している原発性骨粗鬆症患者198名(71.3±7.6歳)のロコモ度と脊柱骨盤矢状面アライメントの関連を多重ロジスティック回帰分析で調査しています。

ロコモは加齢とLumber Lordsisの減少(腰椎後弯化)が関連

その他の先行研究においても、PT,SVA,LL,PI- LL といった脊柱骨盤の矢状面アライメントとロコモは関連しているようです。

画像1


矯正固定術(下位胸椎〜骨盤)を行った成人脊柱変形患者の術前〜術後2年のロコモの変化を調査した報告では下記のような結果となっています。

術後2年時のロコモ身体機能検査において、2ステップテスト・片脚立位時間は改善を認めた一方で、立ち上がりテストには改善を認めず。

(大場哲郎, ”成人脊柱変形患者におけるロコモティブシンドロームの解析~脊椎骨盤パラメータと術後2年成績に着目して~” in the J. Spine Res. 12: 1174-1180, 2021)

姿勢の改善はロコモの改善にもつながるんですね...。

また、バランス練習は、運動時の転倒リスクもあって集団では取り組みにくいと勝手に思っています。ただ、姿勢の改善を図るような運動なら、転倒リスクを増やし過ぎず実施できそうですし、結果として参加者のバランス能力の向上にもつながるなら結構ウケもいいも...と勝手に妄想しています。


最後までお読み頂きありがとうございました!

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