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【水曜日の澁澤塾】イモツバシ生、一日中イモを食べたらイモ脱出できる説


〇イモだって、一皮剥けたい。


我々が通う一橋大学が、”イモツバシ“という異名を持つことは周知の事実である。
しかし、「イモ」には”田舎っぽい、洗練されていない“などの否定的な意味が込められていることが多く、一橋生は世間から地味で洗練されていないイメージを持たれていることがわかる。

この状況、非常に不覚だ…!!!

ということで、今回はイモツバシ生である我々が「一日中イモと真摯に向き合い、食し、時間を共にしたらイモから脱出できる説」を検証していく。


ここで、澁澤塾ってなに?と思った方はこちら


〇そもそもなぜ私がこの記事の執筆者になったか?


この記事の担当することを知った私は、何かと腑に落ちないところがあった。

”こうも軽い気持ちで全国のイモツバシ生を代表していいのか”


これまで数多くのイモツバシ生が生まれ、大学を卒業し社会に羽ばたいていった。彼らを代表するには荷が重すぎると私は一瞬断ろうとさえ思った。ただ冷静に考えて、私が執筆者に任命された背景には、依頼側の何かしらの根拠があったのだろう。


この根拠とは一体何だったのか?唯一思い当たる節としては、私は普通に考えて服のセンスがない、すなわちダサいという自覚を持っている。T-シャツは合計3枚しか持っておらず、それも全て色違い。ズボンは同じものを4着持っている以外何もない。要するに服装がワンパターンしかない。これをダサいというのかお洒落に無頓着というのかはわからない。ただどちらにせよ、客観的に見れば「イモ」に分類されても反論するのは難しい状況にある。


だがとはいえ、これが私が知らない間に正式に「イモ」認定された理由なのかはわからない。なので今回、この記事を執筆するついでに自分が本当の「イモ」なのかを全くの興味本位で検証していこうと思う。


〇1店舗目:「秘密な焼き芋」


まず先に言っておくと、私は料理が全くできない。入学して当初の頃は少し自炊をしていたのだが、パスタを茹でることさえ危うかったため、潔く自炊するのを諦めた。


そのため、今回イモを食すにあたり、いい感じの芋料理店を探すことから始める必要があった。ただイモ料理と言われても、焼き芋しか思い浮かばなかった私は取り敢えず都心の方で人気の焼き芋店を探した。
色々考えた結果、真の「イモツバシ」にとって相性最悪な原宿にある「秘密な焼き芋」というお店に伺うことにした。


外見からしてわかるが、いかにも原宿感(?)を醸し出しているこの店は、表参道から少し逸れたところにあり、お洒落なカフェなどが立ち並ぶ中でも圧倒的存在感を放っている。

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ネットでこの店を見つけた時、「イモ」として行かざるを得ないと感じた。焼き芋を食す以前に、この狭くて明らかに私のような人をターゲットにしていない店に1人で入ることは一種の挑戦だと思ったからだ。
では、早速入店しよう。


内装はこのような感じ。

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お店には客が私しかおらず、即注文せざるを得ない状態に陥ってしまったのだが、そもそも1人でこの店に入っているという事実に加え、店の前を通っていく若者の視線があまりにもキツかった


肝心な焼き芋に関しては、一番スタンダードなものを頼むことに成功したのだが、その直後に


「店内でお召し上がりですか、それともお持ち帰りですか?」


と聞かれ、私は尋常じゃないほど冷や汗をかいた。


状況として、1枚目の椅子と2枚目のカウンターの間はおよそ1メートルほどしか距離がない。1人が間にたつので精一杯といった感じだ。このような空間で、1人で平然と店員さんの前で焼き芋を頬張れるほど人がいたら紹介して欲しいというレベルだ。


もちろん、私にはそうする度胸がなく、


「お持ち帰りで」


と平然を装いながら即答した。


店員さんから一本の焼き芋が入った袋を渡された後、私は店の外にでたのだが、そこで2つ問題にぶち当たった。


1つは、雨のため差していた折り畳み傘を開こうとした瞬間、普通なら全開になるはずが、中棒だけ伸びて骨は開かず、以下のような状態になってしまった。

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しかもなぜか中棒も縮めることができず、完全にぶっ壊れてしまった。そんな開きもしない、伸び切った折り畳み傘をどう処分すればいいのかもわからず、私は雨に打たれながら困惑していた。


その時、私はもう1つ問題に気づいた。


”この焼き芋をどこで食べればいいのか”


雨の中外で焼き芋を食べるほど見苦しい画はないだろうと思い、左手に焼き芋が入った透明な袋と右手に遠くから見たら箒と見間違えてもおかしくない壊れた傘を持って近場のスタバまで歩いた。


なんて無様な(面白い)画だったのだろう。通りすがった人にヒアリングをしたいぐらいだ。


ただ恥ずかしエピソードはまだまだ続く。
スタバに入り、席についたはいいものの、その席はレジの前、かつ入り口付近にあり、冷静に考えてここで焼き芋を食うのもある程度度胸がいるということに気づいた。


あたかも神が仕組んだかのようにさつまいも色の髪色をした大学生らが入ってくる中、私は焼き芋を爆速で食べ終えた。写真を撮ろうと思ったのだがこれまた恥ずかしかったため、断念した。


なのでその代わりと言っては何だが、持ち帰り袋に焼き芋と一緒に入れらていた「秘密な焼き芋」のパンフレット的なものの写真を載せておく。


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このパンフレットの中には「What is Imogirl?(イモガールとは何か?)」というページがある。単なる造語に過ぎないが、パンフレットにはこのように定義されている。

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『秘密な焼き芋は「いもがーる」と「いもぼーい」と呼ばれる独自の選抜オーディションを通過した美男美女約総勢70名以上が全体となって販売をしています♪
販売活動以外にも商品開発やアイディア出しなどをしています』


。。。。。。ん?


これを読んだ私は、「イモ」とは何なのか、私は一体「イモ」に分類されるのかが益々わからなくなってしまった


あのかの有名な慶應ボーイと肩を並べるとされる「いもぼーい」(嘘)が存在するのであれば、我々イモツバシも誇りを持って「イモ」を名乗ることができるのではないかとさえ感じた。一つの固定概念に囚われず、価値観を閉ざさないことの重要性をこのパンフレットは教えてくれているのかもしれない(何言ってるんだろう)


〇2店舗目:「たぴも茶房」


散々恥をかいた私は、2店舗目を間近にしてメンタルが想像以上にボロボロになっていた。


次の店は1店舗目より恥ずかしいレベルが高い(詳細は後述する)ため、この精神状態であそこに行くのはかなり難しいと思った私は、イモ度でいえば一橋と互角、もしかしたらそれ以上とも言われる(失礼)東工大の友人を助っ人として呼ぶことにした。

企画の趣旨をほとんど彼に説明しないまま、我々は渋谷にある次の目的地、「たぴも茶房」へと向かった。

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店名に含まれている「たぴ」から既に想像できるように、ここはタピオカを主に提供している。


イモ料理を一日食す企画だけあって、やはりキャッサバ芋を原料としたタピオカを飲む必要があるのではないかと感じ、行くことにした(料理とは?)


しかし実際にメニューを拝見してみると、タピオカより芋スイーツというものに目がいき、結果お店定番の「焼き芋アイス」を頼むことにした。普段アイスなどは食べないのだが、恥ずかしさのあまり冷静さを完全に失っていたため健康に害でしかないこともあまり考えていなかった。


他にも、私と東工大の友人がレジの前にたった瞬間、

「フッ」

という音がかすかに聞こえたのだが、今冷静になった考えてみて、あれはあの女性の店員さんが鼻で笑った音だっと断言して言える。失礼極まりない行為だが、2人の男子大学生が芋スイーツを真剣に頼んでいる画など誰も見たくないだろう。こちらとしてはなにかしらの罰ゲームを受けているのだろうと思ってくれていることを願うばかりだ。


商品を注文してから待つ間、私は改めて友人に一緒に来てくれてありがとうと伝えた。ここに1人できて、無数の高校生・大学生に見られながら焼き芋アイスを食べる羽目になっていたら恐らく泣いていただろう。

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彼の1人の存在により、商品自体の美味しさや、アイスの上に振りかけられている謎の銀の玉や、私1人用なのにも関わらずアイスにさりげなくスプーンを2つ付けられていたことなどもどうでもよくなり、無心で完食し店をでた。


友人ともここで解散し、最後の一軒には再び私1人で挑むことにした。


〇3店舗目:テレレ、テレレ、テレレ♪


文面だけでは伝わり切らない部分もあるが、この時点で私の精神はボロボロになっていたことを読者の方には理解していただきたい。これほどまで恥をかいたのは久しぶりで、これも全て単なる一枚の記事のためにしているとなると虚しくなってきていた。


どうにか平和な締めくくり方はないのかと考え始めた私は、取り敢えず渋谷を離れ新宿へ向かった。これまで甘ったるい焼き芋しか食べていなかったため、何とかしてまともなイモ料理はないのかと必死に検索した。


その結果、ドイツ料理があることに気づき感銘を受けた。


美味しいジャガイモ料理を食べながらビールを嗜むのも悪くないなと思った私は、早速新宿のドイツ料理屋を検索し、「Kleine Huette (クライネヒュッテ)」という店に辿り着いた。


レビューや写真などをみた限り割と良さそうだったため、速攻店まで向かった。
だがしかし、

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臨時休業、、、、


とうとうコロナ(百合子さん)にまで苦しめられるとは、、、


私の精神が崩壊するのも時間の問題だと思い始めたのはここからだった。


それでも私は気を取り直し、次は「ツムビアホフ ノイ」という別のドイツ料理屋にいくことにした。
店があるビルに着くとしっかりと広告が貼ってあり、私の期待は上がっていく一方だった。

ようやく平和に料理が食べられる

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何これ???


と、キレ気味になりながら思い、6階のカメラ屋の店員さんに聞くことにした。
帰ってきた答えは


「7階のドイツ屋っすか、閉まってますよ〜」

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この軽々しい発言を受け、私は膝から崩れ落ちるところでした。ラストオーダーの時間が迫る中、私は焦りながら他のドイツ料理屋に電話し、営業状況を伺ったが、全て休業しているとのこと。


もうドイツ料理は諦め別の選択肢を考えようと思ったのだが、頭の中に流れるのは


「テレレ、テレレ、テレレ♪」


という某ファストフードチェーンの店内BGMのみ。
しかし私はファストフードを極めて嫌う人間である上、これほど恥を晒した日の締めくくりをどこにでもあるフライドポテトで飾るのはどうしても納得が行かなかった。


疲労困憊したサラリーマンかの如く、私はイモ料理を探し求めながら新宿の街を徘徊した。そこでなんとあのかの有名な焼き芋専門店ドン・キホーテを見つけ、

最悪ドンキの焼き芋でもいいや

と思い探してみることにした。
しかし、店内を探してもどこにも見当たらない。時間的に帰宅しないといけない時間に迫っていたため、焦りながら店員に聞いたところ、


「今の季節は販売していないっす」


というこれまた軽い受け答えによって、

「テレレ、テレレ、」が更に音量を増して私の頭の中で流れ始めた。
もういい加減諦めてあの黄色い「M」があるお店にいこうとした瞬間、


何と!!!

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イモ料理以前に、料理ですらない焼き芋羊羹というものを発見した!(大泣き)


今日の締めくくりにはぴったりの商品なのかなと思い、一本を32円で購入し、国立へと帰ることにした。
帰宅後食べてみたが、味は私の口には合わなかった。

〇まとめ


ここまで散々書いてきましたが、いかがだったでしょうか?そもそもここまで読んでくださった方がいるのかわかりませんが、もしいた場合、心より感謝を申し上げたいと思う。


この記事はもともと、イモツバシ生がイモを一日中食べたらイモを克服できるのか?を検証するものでしたが、気づいたら焼き芋から始まり、焼き芋羊羹で終わるという何とも腑に落ちない終わり方をしてしまったので、検証失敗と言えるか微妙なラインですね。


今度別の人にしっかりと検証してもらいたいな、、、


とはいえ、この1日を通し私は1つ大きなものを得ることができた。


それは、自分が「イモ」だという自覚そのもの。

イモを克服できるどころか、むしろその逆の状況に陥ったのがこの私だと自負している。またそれに伴い、私がこの記事の執筆担当に任命された理由も理解できたため、収穫は大きかったのではないかなと実感している。
なので

今後も「イモ」らしく、根強く生きていこうと思う。

イモだけに。
。。。。。。。。

最後に、この体験が読者の皆さんにとって何かしらの参考になっていれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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