Ghost love〜時の約束〜

1st Memory「時の約束」
「メリークリスマス!!」
その一声によって、我が家のパーティが始まった。
ここはとある町の一軒家。
今日は雪が街中降っていて、多くのところでホワイトクリスマスとなっている。

クリスマスパーティが終わった頃、
自分の部屋に戻ると、そこには大きなかぼちゃがあった。
「かぼ…ちゃ??クリスマスプレゼントかな?にしても、なんでかぼちゃ??」
とかぼちゃを触ろうとすると、何か落ちる。
「ん、なんだろ?」
と何かを拾うと、それは手紙だった。

手紙を開くと
"メリークリスマス!
開いてみて!未知の世界へ!
よいクリスマスの夜を…。"

「…開く??」
とかぼちゃを触ると、かぼちゃが開き、部屋中光に包まれた。
光が消えると、そこには彼の姿はなかった…。


「…ん?」
と目を覚ますと、森の中にいた。
「ここは…どこ??」
とあたりを見渡していると、
ガサガサっ
と草が動く。
「え、何!?」
と怯えている彼。
と、草むらから出てきたのは…

「確か、ここら辺だったよなあ。…あ!え、大丈夫!?」
と金色の髪の女の子が出てきた。

「私はアリス。名前、なんて言うの??」
「僕の名前は、トキハ。ここどこなの??」
「えーと、ここはウォークシティて街なの。もしかして、違う街から来たの??」
「うん。僕の街はアワータウンって言うんだ。」
「そうなんだ、聞いた事ないな…。」
「アリスちゃんって、なんでここに来たの??」
「私の家の窓からこの森が見えるんだけど、ここがさっき光ったから、何かあったのかなって来たの。」
「そうなんだ。」
「あ、そうだ。ここにいても仕方ないから、私の家来る??めっちゃ広いんだよ!!」
「行く!家族の人いる??」
「お父さんがいるよ!お父さん、物知りだから、何か聞いたらわかるかも!あ、こっち来て!」
「うん!」
と森を抜けると、

"大きな時計台があった"

「ここ、私の家!!」
「え、デカすぎない!?」
「ただいまっ!!入って、入って。」
「おかえり〜。ん?見ない子だね、どうしたのその子?」とアリスパパ。
「光ったとこにいたから、連れてきたの!パパ、何か食べるものある??」
「あの光、やっぱり…。あ、机の上にあるよ!パパ、ちょっと調べものするから彼と一緒に食べてて。」
「はーい!一緒に食べよ!」
「うん!お邪魔します!」

こうして、アリスの家でご飯を食べたり、時計台を探索したり、アリスパパに話を聞いたりした。
聞いた話では、光の原因は不明で、昔にも光ったとこから人が出てきたという話を聞いたことがあるみたいだった。
「そのかぼちゃを見た時間帯とかはわかるかな?」
「たぶん、0時だと思う。部屋に入る前が0時前だったから。」
「なるほど。…じゃあ、0時にあの場所でアリスともう一度行ってみたらどうかな?きっと、その時間にひかるはずだから。」
「え、でも危ないから、僕1人でも。」
「君、勇敢だね。でも、アリスがいたほうがいいと思う。土地勘が人一倍あるし、この街ではゴーストが出る時間帯だから。」
「ゴースト?」
「トキハくんを襲う、こわ〜いおばけだね。アリスなら迷うことなく行けると思うから、どうかな?」
「アリスちゃんと一緒に行きます!」
「お利口さんだ。じゃ、0時までもうちょっとアリスと遊んで来なさい。」
「はい、ありがとうございます!」
と部屋を出る。

ー0時ちょっと前。
「今日はお世話になりました!」
「しっかりしてるね。またおいで。あと、これを持っていきなさい。アリスにも。」
と懐中時計を受け取る2人。
「パパ、なんで時計なの??」
「お守りかな。さあ、行って来なさい。もうすぐ0時だ。」
「はーい、行ってきます!」
と扉を閉める。

外では、ゴーストらしき、犬に似たお化け達が見回りをしていた。
「見つからないように早く行こ!」
「うん!」
森の奥に行くと、光の空間があった。
しかし、その周りにはゴーストが。
「トキハくん、私が合図したら、振り向かずにそのままあの光に走って。」
「でも、それじゃあアリスちゃんが。」
「私は大丈夫。家、すぐそこだしなんとかなる。」
「分かった。」
と光の方を向くトキハ。
「トキハ、こっち向いて。」
「ん?」
とほっぺとほっぺをすりすりする2人。
「…くすぐったいよ。」
と笑いながらいうトキハ。
「おまじない。トキハ、また会えるよね、きっと。」
「うん、絶対会おう。約束だね。」
「約束だから、破ったらメッだからね。」
と笑いながら言うアリス。
「わかったよ…。」
と笑いながら言うトキハ。
「じゃあ、合図するね。」
「うん。」
「3…2…1…Go!!」
「ありがとうっ!」
と光に向かって走り出す。
ゴーストに吠えられながらも振り返ることなく走り、光の中に入る。
アリスちゃん、帰れたかな、と光に包まれながら目をつむるトキハ。

目を開けたら、自分の部屋のベットの上にいた。
外はもう朝だった。
夢を見ていたのかな、と思いながら起き上がると何か落ちた。
拾うと、時間が止まった懐中時計だった。
夢ではなかったんだ、と確信すると懐中時計をもって、自分の部屋を出るトキハだった。

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