空想食事日記~妖怪編~

これはマゾ猫が食べた、世界の珍味にまつわる記録である。

がしゃどくろ酒

がしゃどくろは、日本の妖怪。戦死者や野垂れ死にした者など、埋葬されなかった死者たちの骸骨や怨念が集まって巨大な骸骨の姿になったとされる。夜中にガチガチという音を立ててさまよい歩き、生者を見つけると襲いかかり、握りつぶして食べると言われている。

Wikipedia がしゃどくろより

がしゃどくろは主に、内地戦が行われていた土地で観測される。
がしゃどくろ酒は沖縄に行った際、小料理屋に入った際に飲んだものである。

コーレーグス(島唐辛子を泡盛に付け込んだ調味料)のように、たまに落ちているがしゃどくろの骨をよく水で洗って泡盛に付け込んで作るもので、調味料として煮物や炒め物に入れるのが一般的だが、ほんのり骨から出た動物性の出汁が感じられるもので、がしゃどくろ酒としても提供される。

がしゃどくろ酒には、少し塩を入れるとなおうまい。
泡盛のキツさの中にある甘くふくよかな味と、出汁の味が塩で引き立ち、さっぱりと飲めるお酒である。
だが、度数が強いので飲みすぎ注意である。

からかさ餅

からかさ小僧(からかさこぞう、唐傘小僧)は日本の妖怪の一種で、傘(からかさ)の妖怪。から傘おばけ、傘おばけ、傘化け(かさばけ)、一本足(いっぽんあし)、からかさ一本足(からかさいっぽんあし)、おばけかさなどとも呼ばれる。

Wikipedia からかさ小僧

からかさ小僧は、現在東京都下町で観測される。
だが、からかさ餅につかえるからかさ小僧は、昔傘のからかさ小僧のみで、現在はビニール傘のからかさ小僧の個体数が多くなってしまったため、貴重な食材となってしまった。
雨あがりの夜の出現数が多いため、翌日の朝から路地裏の餅屋で売られることがある、師玉の逸品。

からかさ餅とは、からかさ小僧の傘の部分を使って蒸したものである。
餅の中にかさ小僧の脚の部分を細かく切り、しょうゆ、酒、日本酒、砂糖、を煮込んでとろみをつけたものが入っており、米で作る肉まんのような味になっている。
使われたからかさ小僧によって味は異なるが、骨に竹を使っていたからかさ小僧のかさで蒸したからかさ餅が、ほんのり竹の匂いがしておいしい。

一反木綿汁

一反木綿(いったんもめん)は、鹿児島県肝属郡高山町(現・肝付町)に伝わる妖怪。伝承地では「いったんもんめ」「いったんもんめん」とも呼ばれる。

Wikipedia 一反木綿

一反木綿汁は鹿児島県肝属郡高山町の郷土料理で、うどんの起源である。
高山町でしか一反木綿が取れなかったが、そのおいしさが口伝で伝わり、再現しようとできたものがうどんやきしめんである。

一反木綿汁は、一反木綿を食べやすい太さに切り、塩の入った窯で茹で、甘みのある醤油と出汁を混ぜて煮た汁をかけて食べる。さつま揚げを乗っけてもおいしい。
取ってきた一反木綿は、その日のうちに食べないと乾燥して、もちもち感が薄れてしまうので、夕方に取ってきてそのまま晩御飯に出すのが良いとされている。
まれに道の駅で乾燥一反木綿の一反木綿汁セットが売っている。乾麺としてはかなりクオリティが高い味がする。

鵺のみそ焼き

『平家物語』などに登場し、猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇。文献によっては胴体については何も書かれなかったり、胴が虎で描かれることもある。また、『源平盛衰記』では背が虎で足が狸、尾は狐になっている。さらに、室町時代には頭が猫で胴は鶏のものが出現したと書かれた資料もある

Wikipedia 鵺

鵺は主に京都で捕まえられる事が多いが、比較的全国で観測される。
身体の各部位が色々な動物で構成されているため、部位によって食べ方が異なる。
主に、胴体部分は汁もの、手足はひき肉にして鍋に、尾は塩焼きにして食べられる事が多い。
また、観測されている個体も様々なため、個体ごとに適切な調理法が異なることが多い。

特に美味しいのは鵺のみそ焼きで、胴が鶏、しっぽが狐になっている個体を選ぶとよい。
全体的にもも肉のように脂がのっており、みりん、ごま、砂糖、赤みそを練ったものを表面に塗り、炭火でじっくりと焼いて、最後に味噌側に炭を近づけ焼き目を付けると完成である。
食感はぷりぷりしており、味も濃厚な鶏の味がして、酒も米も進むうまさである。

しっぽの狐部分も、毛をあぶって処理した後に、鵺の骨をしっかり煮詰めて出汁を取り、そこにしっぽと季節のキノコを入れて、塩で味を調えた鵺のすまし汁と一緒に食べると、最高である。しっぽ部分は可食部が少ないので、骨をしゃぶって食べねばならないので、人と一緒に食べると少し恥ずかしい。

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