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シャンプーを飲んでみた話

これはむかーしむかし。まだマゾ猫ちゃんが、口にはいるものはなんでもとりあえず味見していたころの話。

マゾ猫は活字中毒者

活字中毒(かつじちゅうどく)とは、活字(文章)に過度に執着を見せることを意味する侮蔑語。 また、そのような執着を持つ人物は活字中毒者という。 内容ではなく“書籍”という物体を愛する「ビブロフィリア」(愛書家、書物崇拝狂)とは区別される。

Wikipedia 活字中毒

マゾ猫は昔、文字を常に読んでいるに等しかった。
学校に居る時には教科書で文を、休憩時間には本を。家に帰れば本、新聞、なんでも読んでいた。
要は暇だったのである。
暇だったからついたこの悪しき癖は、食事中や入浴中にも発動する。
要は落ち着きがなかったのである。
落ち着きがない。通信簿に確定で書かれていたこの言葉(そして気分の浮き沈みが激しいもめっちゃ書かれた)何かしらのあれやそれに引っかかるとおもうじゃん?
引っかからなかった。なんでだよ!!!!!!!!!

なぜこのような事が起きていたかというと、今なら理解できる。

マゾ猫はつまらんのが嫌いなのだ。
つまらんというだけで人の話は聞きたくないし、文読んでた方がたかだか10歳くらいの小童と話すより面白い。落ちが無い話とか聞いてなんになるん?????気分の浮き沈みは仕方ねえ。マゾ猫を怒る奴が悪い。

そんなこんなで常に文を読んでいた。

マゾ猫はシャンプーの裏を見た

ある日お風呂に入っていたマゾ猫。
母猫に「50数えるまでお風呂から上がっちゃダメ」と教育されていた為、50秒暇であった。
だがしかし、せっかく買ってもらった小説を前日にお風呂に持って入って読んだら、さんざん後から入る母猫を待たせた挙句、小説をお風呂に落として水没させていたマゾ猫。
当たり前に”お風呂に本の持ち込み禁止”を食らっている。

仕方がないから、目の前のシャンプーの裏を読むことにした。
目の前のシャンプーに書かれていた文章は今でも覚えている。

”これは飲み物ではありません”

……。
…………。
………………。
…………………………。

飲むことは止めてねえな!?!?!??!?!?!?!?!?

一応、お風呂場のあらゆるものを確認した。
ハイター等のマジでヤバいものには「口に入ってしまった場合、速やかに洗い流してください」と書いてる。

やっぱ止めてはねえ。
じゃあ飲んでみてもええな?????

思い立ったが吉日

早速シャンプーを手に取り、口に入れたマゾ猫。
サイズは500円玉ぐらい。
化粧品でも”500円玉大に取って~”と言われてためらう量である。

でもマゾ猫は「小さいからあげ、からあげの味わからんくね?」理論により躊躇なく多めにとった。

すするマゾ猫。

甘かった。

人間ってすごい

ここで人間には、体に要らねえものが侵入しようとすると、吐きだそうとする性質があることをお伝えしておく。

シャンプーは異物か、否か。

考えんでもわかる。異物である。
そもそも飲み物ではねえ。

心理的なものか、肉体的なものかはわからないが、とにかくせき込むマゾ猫。

その咳と唾液が混ざったのか、くちからシャボン玉がふわりと浴槽に漂っていった……。


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