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田端大学でMVPを狙うためのTips〜傾向と対策〜

はじめまして、shibuyaと申します。

普段はIT企業でアプリサービスの企画をしています。2019年春、仕事でコミュニティの変遷を調べる機会があり、mixiやFacebookといった主要オンラインサービスから、最近では珍しくなった近所の住人同士の回覧板といったものまで、様々なかたちのコミュニティを見つめ直す時期がありました。

そのなかで「オンラインサロンって実際どうなんだろう」「田端大学はイケてるかも」という同僚との何気ない会話がキッカケで、僕はオンラインサロンに興味をもち、実際に田端大学に参加することにしました。

「田端大学」をご存知ない方に説明すると、現在ZOZOの執行役員でいらっしゃる田端信太郎さん主宰のオンラインサロンです。(以下campfireの紹介文より)"当サロンは、月に1度の定例会で、その月の課題図書や課題ドラマを選定し、メンバーからの課題に関するプレゼンと田端からの解説コメント、そしてその月の最優秀発表者であるMVPの決定という大学のゼミ的なスタイルでいきます。"

ほかのオンラインサロンと比較して、田端大学がイケてると評される理由の一つとしては、この定例会(※)を中心とした参加者のコミットメントの高さが挙げられるかと思います。定例会の発表を通じて最優秀発表者(MVP)に選ばれると、月会費(8,800〜9,800円)の免除や田端さんと食事に行けるシステムになっており、参加者は発表者に選ばれるために毎月工夫を凝らすというわけです。
※ 定例会は東京開催で、大阪会場でもライブビューイング配信があります

200名ほどのコミュニティには、経営者や会社員、フリーランスや学生など様々なバックグラウンドをもったメンバーが所属していて、MVPを目指す過程はちょっとした天下一武道会みたいになっています。

2019年4月に入会してから約半年が経ちましたが、ここ最近は特に発表のレベルが上がってきているように感じます。

幸いなことに僕は今月MVPを頂くことができましたが、これから田端大学でMVPを目指したいと考えている方々の参考になればと思い、自分自身が課題提出の際に意識していたこと・注意していた点をtipsとしてまとめて、参考までにシェアさせていただきます。

Tips.1  課題の捉え方

■まずはセンター試験で足切りされないように

田端大学の定例発表は、大きく分けて2つの段階があります。大学入試のセンター試験にあたる課題提出と、二次試験にあたる定例発表です。

MVPを狙うためにはまず発表者に選ばれないといけないので、より重視すべきは前者のアウトプットです。実際の課題提出者は毎月数十名程度ですが、この中から数人に選ばれる必要があります。(これまでは3名程度でしたが、最近は10名弱程度と増加傾向にあります)

基本的には課題内容に沿ったプレゼン資料を作成するパターンが多いですが、その際は課題の出題意図を丁寧に読み解く必要があります。この辺りの与件の整理については、2019年8月にMVPを獲得された宇山さんのnoteに分かりやすく解説されているので、是非そちらを参照されるとよいかと思います。

なお、課題図書が発表されて実際の課題内容が告知されるまで若干のタイムラグがあります。課題提出の向けた戦い方という意味では、個人的にこの間は課題図書をそこまで精読する必要はないと考えます。一点注意すべきは、2019年9月の課題図書「週4時間」だけ働く。のように電子書籍版がない本だと一時的な品切れで購入できないリスクがあるので、商品確保の点だけ気をつけたほうが良さそうです。

正直、本を買わなくてもAmazonのレビューなどを眺めて適当に引用しながら、強引に自分の経験を交えるかたちで課題図書の提出はできるかもしれません。でも、本当に目指すべきは、発表を通じて他の方の役に立つ・誰かにとっての有益な示唆を提示することのハズです。易きに流れるような中途半端なやり方はあまりオススメしません。

10月の定例課題に話を戻します。今回はイレギュラーな形式で、課題提出にあたってはプレゼン資料を用意する必要がなく、140字以内の文章提出だけで済みました。いつもより提出のハードルが低かったパターンです。実際の課題内容は以下の通りでしたが、個人的に重要だと思った箇所を太字にしています。

17日の定例に向けた課題発表です。今回は尾原さんに対し、この本の課題図書の限界を指摘するディベートを挑む構図でやります。今回やりたいのは、ストーリーテリングなプレゼンではありません!ディベートで尾原さんに勝つことですw。そのためには、反証となる実事例の発見と、それがなぜ、「ITビジネスの原理」でに対する反証事例になりえるのか、を解説することが最重要です。実際にサービスの固有名詞をあげながら、できるだけ具体的に「尾原さんは、”ITビジネスの原理”の中ではXXXのように言っているが、実際に2019年の現在、〇〇〇という成功事例が出てきている。なぜ、〇〇〇は、既存の”ITビジネスの原理”を超えて、成功できたのだろうか?」というスタイルで尾原さんに論戦を挑みましょう。
田端がセコンドについて、皆さんの議論をサポートします。

IT評論家の尾原和啓さんに著書の矛盾を指摘して、ディベートをするというものです。(無謀すぎる!)田端大学だからこそ出来る贅沢な企画ですね。そして、私が実際に提出したアウトプットがこちらです。

【反証】ヤフオクと後発サービスを比較し「ヤフオクに行けば商品があるのだから他のサイトに行く意味がない」と説明しているが、実際には2019年現在メルカリが成功事例として出てきている。なぜ収穫逓増のフェーズに入っていたヤフオクを抑え、フリマアプリとして新規参入したメルカリが成功できたのだろうか? (140文字)

今回の課題提出にあたって特に注意した部分は「反証内容だけを見て、誰が見てもその意味が理解できる内容になっているか?」です。

そのためには必要以上に難しい言葉を使わないことを意識しました。例えば「ユーザーのインテンションを先鋭化させる」という言葉が本の中に書かれていますが、課題図書を読んでいない人にとってはパッと意味が掴めないかもしれません。もし自分がそういった言葉を反証の説明に使いたければ「ユーザーの意図を正確に汲み取る」ぐらいに置き換えていたでしょう。

田端さんに安心して発表者に選んでもらうためには、サロンメンバー全員にとって役に立つ発表をしてくれそうかという観点で、分かりやすいシンプルな表現が求められていると(勝手に)想像しています。こういった部分がクリアになっていない状態で、いくらコメント欄で140字の反証以外に補足・追記をしても、今回のセンター試験の足切り突破は厳しかったかもしれません。

Tips.2  発表資料の作成手順

■基本的にはストーリーテリング重視の傾向

田端大学の発表で通常求められるのは、ストーリーテリングなプレゼン内容です。分かりやすく言い換えると、プレゼン課題がどんな内容であれ、発表者自身の経験を交えて語ることがマストで求められるということです。

それは会社員としての経験でも、仕事に関係ない経験の話でも構わないと思うのですが、大事なことは他の方にとっての新しい気づきが得られるストーリーでないとあまり評価がされないという点です。そのため、とびっきりのエピソードをお持ちの方は課題内容がどんなものであれ、無理にでもそのネタと結びつけて語ることがMVPヘの一番の近道だと思います。

田端大学の発表で残酷だなと思うのは、何度も発表者に選ばれるうちにネタにできるエピソードも少なくなり、新規入会者のフレッシュさと戦い続けないといけない部分にあると思います。

最近は特に田端さんの独断でMVPを選出するというよりは、オーディエンス(観客)の拍手で決まるケースも続いているので、一般ウケしそうなエピソードの選定が課題提出にあたって最も重要なプロセスといえそうです。長期戦になればなるほど、難易度が上がる仕組みですので、自分は勝負できそうな月に絞って課題提出をしました。(6月に試しで提出してB評価、本チャンで8月と10月提出でS評価といった感じです)

●課題提出までの流れ
課題内容を確認→与件の整理→自身のエピソードを選定→発表資料の作成

今月の課題は先ほど書いた通り、イレギュラーな形式でしたので、発表者に選出されるまで当日発表用のプレゼン資料を作成していませんでした。

ちなみに、私はプレゼン資料の作成がそこまで得意なほうではありません。特に田端大学のスライド資料にはちょっとしたコツが求められ、会場全員が内容を理解できるように文字の大きさに注意を払ったり、基本的には途中で笑いを挟むような構成にする必要があります。田端大学の発表におけるトレンドとして「笑いを一番とった発表がMVPの傾向は確かに存在するので、これはなかなかの難易度だと思います。

ただ、今回はディベート形式かつチーム戦でしたので、いつもと違うやり方でも問題なさそうでした。自分が提供すべきは、笑いを交えた盛り上げよりも、アカデミックな視点でどこまで新しい気づきを提供できるか、という解釈です。

個別に田端さんとzoomで作戦会議をさせていただいた際も(贅沢な時間!)「100点を目指す必要はなくて、70点でいいっすよ」という会話がありました。このときに強敵・尾原さんとのディベートにあたっての自分の役割は、誰が聞いてもふむふむと納得できる反証を提示し、序盤の段階でチームに勢いをつけること(=100点には届かないかもしれないけど確実に及第点の70点はとってくる)だと理解しました。

その時点で、当日の発表順も恐らくは最初の方であることを予想して、スライドにも今回の課題内容を前もって記載していたのでした。

ちなみにこのように考えたとき、今回自分がMVPになれる可能性はそこまで高くなさそうだな、と思っていました。私の知る限り、トップバッターの発表で過去MVPを獲得した方はいなかったように記憶していだからです(もしいらっしゃいましたら失礼しました🙇‍♂️)

そのため、今回はMVPを絶対獲ってやろうなどとは思わず、また獲れるともあまり考えていませんでした。定例会が少しでも盛り上がったらいいな、ぐらいの気持ちでいました。

さて、発表者の選定から定例会までは大した時間もありません。今回イチから資料を作るのは避けたかったのでenvato elementsというサイトでkeynoteのテンプレを購入しました。決して安くはありませんが、プレゼン作成が苦手な方にはオススメしたいです。

以下、実際に今回作成したスライドです。これはあまりよくない例なのですが、その理由としては会場のモニターで映したときに文字が小さすぎるためです。特にライブ配信でご覧いただいていた方はほとんど読めなかったと思います。特にオーディエンスの拍手でMVPが決まるような回では致命傷のミスになるのでご注意ください。(失礼しましたmm)

なお、そもそもプレゼン資料なんて作ったことがないよ、という方にはこちらの図書をオススメします。わかりやすい資料を要領よくつくるためのコツが載っていて、資料作成の基礎が学べます。

そして一度でも発表を経験するとわかりますが、資料準備も結構大変だし、当日もほんのちょっと緊張します。発表を「実際にする」のと「ただ聞きにいく」のとではかなりの違いがあります。ぜひ、この過程を実体験してみてください。

Tips.3  具体的なプロットの考え方

■誰も置き去りにしないように、を意識して

今回とても嬉しかったのは、尾原さんに論理構成がしっかりしていると評価いただけたことでした。

プレゼンをするうえで重要なことは、スライドをめくりながら話し手と聞き手が一緒に内容を理解していき、何が問題点でそれをどうやったら解消していけそうか?ということの共同確認にあると思います。

今回でいうと、ディベートのテーマはなんだっけ?(=田端さんがすでに書いてくれてる!)、反証したい部分ってどこだっけ?(=尾原さんの本にきちんと書かれてる!)、他の人がもっと理解しやすい内容にするには何を具体例にしたらいいだろう?(=時間の許す限り探してみるか)、そこから導けそうな蓋然性の高い原理としてはどんなことがいえそう?(=ここが今回の腕の見せ所だ!)って感じです。

これらのプロセスを独りよがりではなく、常にほかの人と一緒に理解しながら進めるイメージでいけば、そこまでおかしな構成にはならないと思います。

定例会は、サロンメンバーの皆さんに自分の経歴などを自慢をするゲームではないので、ご自身の経験や考え方から、どれだけ新しい気づきや物の見方を提供できそうかということを心がけるといい結果が出せるもしれません。

田端大学に入学したばかりの方、これから入学を考えている方へ

■知り合いがいなくて不安な気持ち、わかります

オンラインサロンのいいところは、新しい出会いや、他の参加者から得られる新たな気づきの発見にこそあると思います。

私自身も最初そうでしたが、定例会で1人も知り合いがいないなか会場の後ろのほうでポツンと立っているのは、結構寂しいものがあります。

大人の集まりなので自分から動かないといけないというのはありつつも(ちなみに田端さんはサバイブできる人だけサバイブできればよいという小乗仏教の方針の持ち主ですw)最初に誰かと知り合いになるまでのハードルはどうしても高めです。

田端大学だけではなく、オンラインサロンの総じて弱い点は、顧客満足度・参加継続率の文脈でまさにここにある気がします。

そんな状況を少しでも解消できればと思い、田端大学のLINEOpenchatをつくりました。(入会後にFBグループで探してみてください!)

特にまだ知り合いがいないという方はぜひ参加してみてください。定例会でいきなり誰かに話しかけづらいという方がいらっしゃれば、Twitterにでも直接ご連絡いただければ当日ご挨拶させていただければと思います。定例会で食べるピザは、一人よりも誰かと一緒のほうが絶対美味しいです🍕

そしてこうしてできたつながりは、もしかしたらみなさんのMVP獲得をちょっとだけ手助けしてくれるかもしれません。

想像してみてください。いよいよ定例会も終盤に差し掛かり、最後にオーディエンスの拍手でMVPが決まるあの張り詰めたシーン。甲乙つけがたい発表者が目の前に2人立っていて、それぞれ話したことのある人とない人だとします。

さて、あなたならどちらに拍手しますか?

最後に

MVPになったからこそ言えることかもしれませんが、田端大学のMVPになったからといって世間的にはso what?(=で、だから何なの?)です。一方で、目的が何であれ田端大学に所属しているのであればMVPにトライする価値はあると思いますし、オンラインサロンで出会った仲間から「おめでとう!」と言われる経験はまた特別なものです。(自分はたまたま運がよかっただけで偉そうなことは全く言えませんが…)

そんな田端大学に入るキッカケを作っていただいたのが、実は「自撮ラー」として幅広く活動されているりょかちさん(@ryokachii)でした。この場をお借りして改めてお礼を言わせていただければと思います。ありがとうございました :)

そして遠路遥々バリから東京までお越しいただき、今回「ITビジネスの原理」をテーマに沢山の新たな気づきをくださった尾原和啓さん。お忙しいなかzoomやFacebookメッセンジャーで課題の相談にのっていただいた田端信太郎さん。本当にありがとうございました!

またいつか御二方と肩を並べて写真が撮れるように、インターネットで世の中をよくするための努力を地道に続けたいと思います。

さて、田端大学の追加メンバー募集は毎月1日の0:00からとなっています。
新しい強敵(ライバル)のみなさん、天下一武道会でお待ちしています!


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