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アジャイルコーチから学んだコーチングでチームを良くするために大事なこと

この記事はEngineering Manager Advent Calendar 2023 10日目の記事です。

11月から、あるアジャイルコーチの方と一緒にお仕事をすることになりました。

コーチとしてチームに参加いただいた中で、コーチングを通じてチームを良くしていくことについてとても大きな学びがあったので、今回まとめたいと考えました。

なお、これは私がアジャイルコーチと対話した中で気づいたこと、学びになったことを言語化したものであり、コーチの方自身の仕事内容を直接的に示すものではない点はご了承ください。

「全員がリーダーシップを持てること」を大事にする

アジャイルな組織というと、自己組織化したチームといった表現がよく使われます。

自己組織化したチームには何が必要なのだろう?

この問いに対して、私は明確な意思を持てていませんでしたが、アジャイルコーチの仕事を拝見すると「全員がリーダーシップを持つ」こと対して一貫性を持って働きかけているように感じました。

「リーダーシップとは何か」を紐解くと、全員がきちんと意思を表明しチームの活動に意志を持って参加する、それによってチームの目標に向かって進んでいくことであることであると思います。

これらを実現できるよう、チームに働きかけることが大事だと学びました。

リーダーシップを発揮するには意義が必要

自分の意思を表明し、リーダーシップを発揮するためには、個々人がチームの活動に対して意義を感じていなければなりません。

外から与えられた動機ではなく、自分の内側からくる内発的な動機付けが必要です。

他者から与えられた役割をこなすだけの仕事を何年も続けるだけでは、リーダーシップを発揮し続けるのは難しいでしょう。

そのためのサポートをするのも重要な仕事だと改めて感じました。

意志を持って改善を積み上げる

もちろん、いきなり全員がリーダーシップを獲得できるわけではありません。チームとしての役割を果たしながら、学びのプロセスを経ることが大事になってきます。

「プロセスが正しくできているか」ではなく「ある目的のために改善を積み重ねていけているか」を大事にされているように感じました。

また、スクラムのように繰り返し改善を重ねていくプロセスは、図で表されるイメージとして、平面をぐるぐると回っているように見えます。

しかし実際には、螺旋のようにぐるぐる回りながら積み上げて登っていくことがとても重要で、プロセスを繰り返して、目的に近づいていない、成長できていないと感じるのであれば、進め方を疑うべきであるという観点に気づくことができました。

大事なものを大事に扱う

どんなことでも、認識を合わせるのは時間がかかります。

時間を効率よく使いたいという気持ちから、私たちは「誰かが叩き台をつくって、問題があれば指摘してもらう」というスタイルを取りがちです。

これに限らず「反対意見を言われなければ全員が同意したとみなす」というケースはとても多いと思います。私もよくこの方法をとっていました。

ですが「個々人は何に合意したのか」「個々人は合意したと言えるのか」と考えると、明確には答えられないケースも多いのではないでしょうか。合意したはずの文章に対して「ちゃんと読んでいなかった」「さらっとは見たが、あとから必要になって読んだら疑問点が出てきた」といったことは日常的にあると思います。

全てには当てはめなくとも、チームにとって大事なこと、個々人が大事にしたいと思うものについては大事に扱うべきだ、という学びがありました。

時間や手間はかかっても、明確に全員が意思表示をして、変更があった時にも全員が同意をする。大事にするべきことを大事に扱うという姿勢がないと、自分たちがやってきた仕事が上滑りしたまま流されてしまい、積み重ねることができないと感じました。

情報を理解してもらうための手間を惜しまない

これまで触れてきたように、個々人がリーダーシップを発揮し、意思表示ができる状態にするためには、必要な情報を丁寧に伝える必要があります。

これは非常に時間がかかる場合があり、どの程度きちんと伝えることにコストをかけるべきかは悩ましいところです。

ですが、自分達の隣接するチームに絞ったり、大事なものだけに絞ったり、工夫をしながらでも、情報を発信する立場になった時は、きちんと時間をかけて理解してもらうことが大事だと思いました。

行動変容を促すのがコーチの役割

コーチングとはなにか、と考えた時にこれまでは「相手から気づきを引き出すこと」というイメージを持っていました。

これだけでは解像度としては低く、アジャイルコーチは「行動変容を起こすにはどのように働きかける必要があるか」という観点を大事にされているように感じました。気づくだけではダメで、行動に映すところまでをサポートしていくというイメージです。

ここまでが私が得た教訓です。
そして、最後に一番大事な学びに触れたいと思います。

基礎を大事にする

これまで書かれてきたことは目新しいものではなく、さまざまな書籍で書かれている基本的なことだと思います。改めて読み返すと当たり前のことしか書いていません。

ですが、この当たり前を大事にして、一つ一つしっかりと実現できるように積み重ねていくことが、個人を、チームを、そして組織をより良い方向に導く力になるのだなと感じました。


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