見出し画像

マリンスタジアム再整備事業

千葉ロッテマリーンズの本拠地である「zozoマリンスタジアム」が、施設の老朽化を背景に再整備を検討しているようです。
zozoマリンスタジアムは風の強いということでも有名ですよね。風速10m以上はざらにあります。笑
今回はマリンスタジアムがどのような方針で再整備を検討しているかまとめていきます。

zozoマリンスタジアムは千葉市の海浜幕張駅から徒歩15分ほどにあり、海の真ん前に位置しているため風が強い事で有名な球場です。
1990年竣工で築年数は34年ほどではありますが、海に近接しているため塩害で施設の老朽化が進んでいます。
こうした状況を受けて千葉市は議論を進めるため、調査会社に委託し「マリンスタジアムのあり方検討基礎調査」を実施しました。

調査の結果、やはり施設の劣化が大きな課題のようです。浜風に含まれる水分や塩分で金属部分がさびたり、コンクリートの劣化が進んだりして、外壁の一部がひび割れています。
こうした現状を受けて、調査会社の報告書では6つの案を挙げています。

挙がった課題

【現地改修の案】
①設備改修だけを行う「現状維持」
②新たな施設を導入する「機能向上」
③②に追加でベルーナドームのような開放型の屋根を付ける「機能向上と開放屋根」
【別の場所への移転・建て替えの案】
④現在と同じ「屋外オープン型」
⑤東京ドームのような「固定式ドーム型」
⑥開閉式の屋根を備えた「開閉式ドーム型」

建設工事費に加えて新球場完成後30年間の管理運営費や修繕費を加えた支出の総額で見ると、最も安いのがケース①でおよそ1000億円、最も高いのがケース②でおよそ2500億円になっています。
また、標準収入で支出の総額を賄えるのはケース①のみでした。

事業ケース6案

次に移転・建て替えの場合の立地についてです。立地の候補地としては「幕張海浜公園内」か、「幕張メッセの駐車場」で検討しています。どちらの候補地も県の所有地であるため、まず県との合意形成が必要になりそうです。

立地候補地マップ
幕張海浜公園
幕張メッセ駐車場

今後、千葉市では今回の調査結果を基に、令和6年度中に「基本構想」と「基本計画」をまとめる予定です。重要施策として進めるために特命の担当部長を置いたり、「マリンスタジアム再整備推進課」も新設し、市としての体制も強化しています。

マリンスタジアムは幕張新都心全体の中でも重要な役割を担っています。野球の開催だけではなく、SUMMER SONICなどライブ会場にもなっているため、まち全体に与える経済効果はかなり大きいです。

SUMMER SONIC

昨今、野球場のボールパーク化が進んでいることを考えると「幕張メッセ駐車場」への移転は面白いかなと思います。イオンモール幕張新都心と連携したボールパーク事業ができるだけではなく、海浜幕張駅と幕張豊砂駅どちらへも徒歩でアクセスできるため、まち全体の回遊性も向上します。
また、海から少し離れるので塩害の被害も少なくなりそうです。

マリンスタジアム再整備事業が今後、どのような展開になっていくか楽しみですね。
開閉式ドーム型の球場をつくれたらベストですが、管理コストが相当かかってしまいます。かと言って、標準収入で支出の総額を賄える現状維持を選んでも施設の老朽化はますます進み、問題を先送りしているような気もします。
コストとの兼ね合いは難しいですが、再整備事業でまちが盛り上がるボールパークができるといいですね。
今後、動きがあったらまた取り上げたいと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?