見出し画像

ご近所さんとつながるくらし〜高円寺アパートメント〜

"ご近所さんとつながるくらし"には興味がありますか?
都市化が進むにつれ生活が便利になってきている一方で、コミュニティが希薄化するといった弊害が起き始めています。
こういった社会問題がある中、家を街にひらいていき"ご近所さんとつながっていく"新しいスタイルのくらしを「高円寺アパートメント」で実践されています。

高円寺アパートメントはJR中央線の高円寺駅と阿佐ヶ谷駅間の線路脇にあります。
1965年に建てられた築59年の元JR社宅だった建物が、2017年に暮らしを楽しむ住人たちの集う賃貸住宅に生まれ変わりました。

リノベ前のJR社宅

まず特徴的なのが1階のつくりです。1階は住みながら店舗を運営できる4戸の店舗兼用住宅と、焙煎コーヒー店とビール&カレー店の計6店舗が軒を連ね、その前にイベント等ができる芝生広場があります。
建物のバルコニー側からアクセスさせることにより、街との境界を取り払った点が面白い着想です。

1階バルコニー
店舗兼用住宅
店舗

そして、ここの最大の特長は「まめくらし」の宮田サラさんが女将(コミュニティ・マネージャー)として実際に住まい、住人と地域コミュニティの活性化に取り組んだ点です。
基本設計を担当したOpen Aの「賃貸住宅はこれからは運営の時代」という思想から、このプロジェクトがスタートしました。当初は通いという話でしたが、宮田さんの提案から実際に住むという形になりました。
通常、建物は新しいほど価値があり、年月が経過するとともに価値が落ちてしまいますが、このプロジェクトではきちんと運営すればするほど価値が上がっていくという発想です。

運用開始当初は住人間での交流会が主でしたが、ライフスタイルショップ「高円寺アパートメント101」の住人さんと宮田さんが意気投合したことから、街に開くイベント「お披露目マルシェ」が開催されました。今では、このマルシェが恒例行事になっています。
こういった取り組みをした結果、当初子育て世帯は1世帯のみでしたが、今では9世帯まで増えています。こういった実績はまさに築年数にとらわれない価値向上ですよね。

お披露目マルシェ

芝生広場に面した1階では、飲食店2店舗と店舗兼住宅4店舗ありますが、初めは地域に馴染むまで時間がかかったようです。
そこで宮田さん達も店舗兼住宅に、まちに開くお店「まめくらし研究所」を出店しました。普段はここで仕事をしつつ、住人さんが前を通ったらお茶をしたり、朝活として一緒に朝ごはんを食べたりと人が集まる仕掛けづくりを実施していきました。

まめくらし研究所

現在では、地域イベントも徐々に住人主体となっていき、まちに開くくらしが浸透していっています。
コミュニティ・マネージャーも「まめくらし」から物件管理者の「ジェイアール東日本都市開発」に引き継がれました。
このような形で属人性に頼らずに回っていくと理想的です。

"ご近所さんとつながるくらし"「高円寺アパートメント」はいかがでしたか。
きちんと運営すればするほど価値が上がっていくという発想は素敵ですよね。
孤独・孤立の社会問題化が最近進んでいますが、こういったライフスタイルですとご近所の人と気軽に話せて、孤独・孤立を感じずに過ごせそうです。
今後もこういったコミュニティ賃貸が増えていくと楽しくなっていきそうですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?