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東京五輪を口実に、100年維持してきた神宮の森を再開発/商業施設など高層ビル二棟を建設

 最近、ブログを書く気になれない。何とかしたいという気持ちで書くのだけれど、どうにもならないからである。テーマというか、憤慨すべきニュースは日々山ほどあるのだが。

 例えば今日も朝から、気分が悪くなるようなニュースが続いた。ウクライナ危機で、ヨーロッパへの液化天然ガスLNGの供給が滞ることを心配したアメリカから、日本から融通するように依頼されたことに応じたというニュース。

 依頼と言っても実際はほぼ指示で、断ることもできなかったのではないか。どんな無理難題を突きつけられても、そもそも断る気がない可能性もある。しかもこのニュースを、民放のテレビ局がこう伝えたのである。

 「同じ価値観を共有している欧州に融通することになった」と。民放のテレビ局までが、同じ価値観を共有しているという、安倍晋三が言い出した言葉を使うなんて唖然とした。

 次はアメリカ軍と合同での離島奪還訓練である。こんなことを本気でやっているなんて異常だ。しかも今回は初めて、アメリカ軍による実弾射撃指導があったという。もはや名実ともに、アメリカ軍の下部組織である。

 あまり大きなニュースにはならないが、というより、コロナと五輪のことしか伝えないマスコミに黙殺されているが、自衛隊の基地をアメリカ軍が自由に使えるようになっている。

 いつの間にか、そんなことになっているのである。自衛隊の基地は47都道府県にくまなく存在する。それを自由に我が物顔で使うなんて、そんなことが許されるはずがない。しかし許されている。日本は嫌中一色になっているから問題にもならない。

 そして神宮の森再開発問題。東京都の都市計画審議会で承認されたらしい。腹が立って言葉にならない。五輪を口実に、100年維持してきた公共空間の規制を外し、不要な商業施設を建てるのである。

 居住空間もできて、「神宮の森が一望できる」とか何とかいうキャッチコピーがつけられて売り出され、富裕層が入居するのだろう。考えただけて頭にくる。開発主体は三井不動産、日本スポーツ振興センター、明治神宮、そして伊藤忠である。

 明治神宮自体が関わっているのだから、どうしようもない。日本スポーツ振興センターは五輪がらみだ。もはや東京には土地がないから、再開発するしかない。

 業者はずっと神宮の森を狙っていたに違いない。しかし高さ制限がある。五輪の開催は規制を外す絶好の機会だったのだ。だから国立競技場も、あっという間に壊した。既成事実を先行させた形だ。

 それにしても東京の審議会は何様だ。審議会に法的権限などないはずなのである。そもそも都は規制を守るはずの立場なのに、何を勝手なことをしているのだろう。しかもろくに周知もせず、こそこそと事を進めた。知らない人の方が多いだろう。

  どんなメンツが決めているのか調べてみたら、名簿は今作成中だと言う。ふざけている。どこの誰がどういう議論を経て決めたのか、都民を知ることも出来ないのである。念の為、三年前の名簿を添付しておく。
第220回東京都都市計画審議会委員名簿 | 東京都都市整備局

www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp
 日本はもうインフラ整備は終わった。あとは補修と維持だ。派手な建造物を作る時代など、とっくに終わっている。にもかかわらず、そうなってからどんどん建っている。ゼネコンが生き残るには、建て続けるしかないからである。

 タワマンだって、修繕はもちろん壊すことも立て替えもできないのに、増えるばかりだ。建てて売ってしまえば知らん顔、あとは野となれ山となれである。都市計画が住民の意思などそっちのけで、市場原理だけで進められるからだ。

 バブル崩壊後、ゼネコン不況と言われたにもかかわらず、生き残ったのが間違いだ。重厚長大産業も、もはや産業の中心ではないのに生き残っている。だからIT産業の発達が遅れた上に、軍需産業に変貌したのである。

 日本は今や、アメリカが開発した欠陥機であるF35戦闘機の、アジアにおける修理整備拠点になっている。いや、今後は製造拠点になるかもしれない。ヨーロッパはこの欠陥機から手を引いたのに、日本は重厚長大産業が生き残るために引き受けた。

 もちろん、落ち目のアメリカに身も心も捧げている政府の政策あってこそだが。ここでアメリカから自立しようと言うと、今度は憲法「改正」だの敵地攻撃能力の確保だのと言い出す。日本人は劣化するばかりだ。

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