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質問…そこから一歩二歩踏み込まないと始まらないのよ、って思う件

とある組織でもう6、7年続けている「質問力向上」研修、6時間。
希望者が参加するタイプの研修で、毎年定員を超えて抽選になっている、ということで、今年は日程が追加されました(2⇒3日に)。
考えてみたら2時間くらいの枠で質問とか聞く力ってテーマの研修は散発でやっていますが、6時間みっちりというのはここだけかもしれないです。
このくらいの時間を使うと、いろいろ見えてきます。

今日は名簿を拝見したら「?!」って思う人たちが複数参加していました。それは相談を業務にしているという部署の人たち…!え?今日は初心者向け…なんですが…と始まる前に冷や汗をひっそりかいていたのは内緒です。

始まるとまあ、そういうことはどうでもよくなるんですが(笑)

午前中は質問の周辺から、じわじわとすすみ、コミュニケーションの基本とか質問の種類とかちょっとした(プチ)演習とかをやっていき、午後には応用の演習を少しひねった方向でやって(これは盛り上がるやつ)、少し難しい演習をやってもらって、からの、満を持して「やってみよう」の時間に。

そこで「こちらが用意した事例」を使った質問ロールプレイをやってもらいます。

たとえば
「あなたは新人の教育担当です。最近新人のAさんに細かなミスが目立ちます。現場で注意されていますが注意しても明るくめげない様子で響いていないようです。今日はゆっくり話を聞こうとミーティング室に呼び出しました。どう聞いていきますか」みたいなヤツです。

時間はたったの3分。
ええ、3分って何もできません。
「関係を作りましょう。できるだけ情報を聞ける状態にしましょう」って言っていますし「絶対に解決に向かおうとしないでください。まだ3分です」とも言っています。

でもね、
笑っちゃうほど解決に爆走しちゃうのですよ、みんな(ここは真面目で責任感の強い平和主義者の多い場ですw)。たとえば上に書いた事例を使ってみるとこんな感じ。

(パターン1)
「最近仕事はどうなんだ?なんか悩んでない?」
「ええ?いや別にそんなことはないんですが」
「そっか。でもちょっとこの間もミスがあったんだろ?らしくないよね。どうかしたの?」
「ああ…あれですか…なんとなくちょっとあのときはやる気が落ちてて…」
「そうかそうか、そういうことはあるよね。で、他には何かあるの?」
「いえ特にはありません」
「そっか。じゃあまあ、気を付けていこうよ。あなたには期待してるからさ」
「ありがとうございます。はい。頑張ります」

こういうの、めっちゃ多いです。
あるいは、よく「どうしたらいいんでしょう?」と相談されるパターンですと、
(パターン2)
「〇〇はどうなの?」「◆◆です。やってます」
「~~については準備してる?」「はい、準備しました」
「△△もそろそろ考えておかないとね。どうする?」「そうですね。考えておきます」
…で、「あ、もう聞くことがないけど、何か聞かなくちゃなあ…」ってなる人がたくさんです。

パターン1の場合、重要なポイントをスルーしています。
「ああ…あれですか…なんとなくちょっとあのときはやる気が落ちてて…」
ここ!
そういうことはあるよね、って言ってますが、ちょっと待て。
「そういうこと」ってどういうこと?「あるよね」って何が?
こちら側の想定した(脳裏に浮かぶ)やる気の落ちた人という勝手な妄想で完結させていて、相手が何を伝えようとしているかを聞いていません。

そこは「あのときはやる気が落ちてて…ってどういうこと?」とか、「あのときって、いつ頃のこと?そのとき、何があってやる気が落ちてたの?」というような(ほかにもいろいろ)問い方をしたほうがいいですよね。そこからやっと対話の0地点に立てているという状態です。このパターン1のような会話はやたら多くて、そして「向こうが何も言ってくれない」とか「向こうがやる気がなくてどうしようもない」で片づけられていますよね。

パターン2も似たようなもんです。
やっているのは「一問一答」。出たとこ勝負のアドリブ力が試されています。それなのにつまらない問いを繰り返しちゃっています。あなたのコミュニケーションの目的はなんですか?伝えた、らおしまいですか?
一問一答で終わらせずに、次の問いをその問いの答えに対してちゃんと深めてほしい。
「〇〇はどうなの?」「◆◆です。やってます」
「やっているというのは、具体的にどんなこと?」
「はい、えっと~~の件で連絡を入れてて、当日の会場のほうも手配はしていて、あと、えっと、ニュースリリースがまだ…」
…ってなったら、全然「ああ、やってるんだね」じゃないですよね(笑)

なぜこうなるか、というと、
相手が返してきた言葉に「自分の頭の中の想像=これは自分ならこういう意味だからきっとこういうことだろう」を乗せちゃっているからです。こわ。
相手はどんな意味でその言葉を使ったのか、まったく確認していないんですよ。それなのにね(笑)

で「聞いてもこたえてくれない」「聞いても目新しい情報は出てこない」「聞いたときは問題なかったんで」って言っている現場が非常に多いです。

やってみたあとをふりかえり、もう一度いろいろ大切なことを確認します。

このあとに、用意したケースではなく、自分の日常の中にあるリアル素材を使ってやってみます。こちらはさらにひどくなります笑。うっかりわずか3分という時間しか用意していないのに、説得し始めます。相手のことを聞きましょうって言ってるのに、1分足らず説得にかかります笑。それでうまくいかないから、ここで自分が事例にしたんでしょ?と思うのですが、習ったことが全部ふっとんじゃいますよね(笑)。

そうして研修最後にしみじみと「自分がいかに聞けていなかったのか」を知ることになります。なんとようやくスタート地点です。でもそれでいいんですよ。本当に出来てない、と腹落ちしたところからやっと様々な本、情報、ノウハウが入ってくるのですから。そのあとはやってみるしかなくて、やってみたときに「何が起きてた?」をふりかえれる材料はお渡ししてありますからね。つかってね。

質問力は、相手への純粋な好奇心とつながっています。
そのためには自分の頭の中で勝手に完結させてしまうことを、やめる必要がありますよね。

「相手はこうやって言ってるけど、それってどういう意味なんだろう」
「相手の言い分はわかった…って思ったけど、ほんとにわかってるのか?」
それ、覚えておいてください。

そしてもう一つ。
「そもそもその質問で2人の関係性に何を起こしたいと思っていますか?問うあなたの、目指しているものはなんですか?」
それを忘れて肝心なことを聞けないまま、周囲をうろうろするような一問一答をして終わってしまう、って人も(気の優しい人が多いような)いますよね。

キャリアコンサルタントにとって質問力は初めから終わりまで必須の力です。わたしもまだまだ修行し続けます。


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