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一人親もワンオペ親も、とにかく時間貧困との闘い…というなかで。

今日、日経新聞でこんな記事があった(有料記事なので読めない人はごめんね)。最近私の周りの30代の夫婦はずいぶん変わってきたけれども、記事によれば「妻と夫で分けると、妻の80%が時間貧困だったのに対し、夫は17%。石井特任准教授は「夫の家事への参加時間の少なさが、働く妻の余裕をなくしている」らしい。

まあそれを今は言及するつもりはない(長くなるので)

そもそも日本では男女の家事育児時間格差が激しいのはいうまでもないことで、みなさんご存知。データとしてはこちらをどうぞ。

一人親家庭(母子はもちろん、父子だって親などのサポートが得られなければ同じ。)はさらに圧倒的に時間がない。子どもが乳幼児のうちはずっと綱渡りだ。

で、わたしもこう見えて筋金入りの一人親なのだが(次女が生まれてすぐ死別・ちなみに次女はもう27歳の大人、長女だけのときも夫は激務で全然当てにならない人だったからワンオペからの一人親・笑)、そんな自分の昔をふと思い出してみた。どうやっていたんだろうな…って。

あ、わたしはそうはいっても実家の親が支援をしてくれたので、インチキ一人親ですよ。少なくとも長女が小学校に入った以降はね。

ということで、長女0歳から次女2歳(長女6歳)までのことを思い出してみました(当時は名古屋市内で3人暮らし)。

仕事は、時短勤務制度なんてものは当然なく、9時から17時30分くらいが定時。とはいえ、私以外のすべての人はエンドレスで働いていたあのころのリクルート(今はホワイト企業ですよ・笑)。インターネットもまだなくて、家庭用のFAXが20万くらいしました(なぜ知ってるかというと、自宅に買ったから)。携帯電話も長女が乳児のころはなかったねえ。なので、メールもないし(LINEなんてもちろんないし・笑)。
仕事は終わらないので、自宅に持ち帰る、といっても「紙で」。間に合わないものはFAXで送ってもらうと、家に帰ると蛇のような紙がFAXからあふれ出してました(ロール紙だしオートカット付いてなかったし←意味わかるかなあ。A4普通紙になったのはずっと後です・笑)その紙を折りたたんで読める状態にして、子どもを寝かしつけたあとに赤ペン片手に読んでFAXでライターさんに送って電話する、なんてことが夜9時半とか10時とか。
でもまあ、今も働く母たちは夜中に起きだして仕事しているから、そこは同じ(ツールが違うだけ)です。

家事は本当に最小限だったけど、保育園が当時は「布おむつ」で…苦笑、洗濯サボると詰むので、年中家の中に布おむつが干してある状態でしたっけね。6時に迎えにいって、元気だったら帰りにスーパーによって、7時くらいに夕食で食卓ぐちゃぐちゃのまま8時前にお風呂に入って、洗濯機に全部放り込んだまま子どもを寝かしつけて…2回に1回は寝落ちして(笑)、夜中に脱水が終わって乾きかけてしまってる洗濯物と、惨状になっている食卓を眺めてため息をつく、ということが起きていて、それらを片付けてると目が覚めちゃうので仕事したりしてましたっけね。寝落ちしない日は9時半くらいから自分の時間になって、ビール片手にドラマ見て、やっぱり家事は最低限しかしなくて、家の中がどんどん荒れていくわけです。
木曜日にはだいたい力尽きるので、お迎え後にスーパー行ったら「レトルトカレー」一択。キャラもののカレーを子どもに好きに選ばせて、あとコロッケとか適当なものを買って、そのまま自宅でカレー&ビール。
酷いもんです。自己啓発?オンラインセミナー?そんなことしている今の人たちって、どんな凄いの?と心から思ってます。

土曜日はときどき保育園に午前中だけ連れていくと、当時の保育士さんがめちゃくちゃ優しくて、本当は仕事じゃない日だから登園自粛なのに全身で歓待してくれるんですよ。「今日は会えないと思ってたのに嬉しい!」って。その言葉に甘えて午前中自宅の掃除したり、近所の喫茶店に一人でいってゆっくりコーヒー飲んだりするのが一番の楽しみでしたよね。

「1人でコーヒー飲んでゆっくり新聞読んでみたい。」
それがそのころの一番の望みだったなと今でも覚えています。

仕事では編集企画を考えるのが仕事なのに、何もインプットが出来てなくて、自宅のテレビはいつも「おかあさんといっしょ」の録画かトトロかアンパンマンが映っているだけのもので(繰り返しますがネットもスマホもありません)、本は読もうとすると子どもがバンバン叩いて邪魔するし、破るし(笑)、頭の中に材料なさ過ぎてそれが日々しんどかったなあと思います。

幸い編集というセクションには雑誌が山ほどあって、それを仕事中にめくっていても誰にも咎められないので、定時の中に仕事を詰め込む身の上でしたが昼休みとか、隙間を縫って「anan速読」とかしてました(笑)。わたしは(世間に多い生真面目なワーママと違って)自分に激甘な都合のいい解釈をできちゃうタイプなので、そういうことをしていましたが、本来はそんなことしている場合じゃないくらい「お前チーフの癖になにしてんだ」って期待を受けて(応えられてなくて)だったんですけどね。でも、多分それがなかったら、私はとっくに辞めちゃっていたんだろうなとは思います。

このことを考えるとき、時間貧困の怖さがよくわかります。

わたしは実は時間貧困ではなかったんだなということ、そしてそれは職場や職種に「たまたま」めぐまれていたことと、自分の生来の性質の賜物でもあったということです。そうでなければ(別に一人親になっていなくても)全力で子どものためと、職場の期待に応えるため「だけに」時間を振り分けていたでしょう。
多くのワーママはそうやって、まず「子育て」「家のこと」の時間を取り、次に「仕事(期待されるやるべき成果」に時間を取って、最後の最後に「仕事(自分のやりたいこと)」や「自分の純粋なやりたいことの時間」をふりわけています。そうすると、子育ても家のことも、仕事も全部「中途半端でダメ」と思うので、3つ目の「自分の純粋なやりたいことの時間」なんてなくなっちゃうんですよね。知らず知らずに。それでじわじわとダメージは溜まってきます。だって、夫には今もあって、独身の過去の自分にもあったものなのですから。その中途半端感がつらくなって、結局は仕事を手放す(退職)とかあきらめる(マミートラックや非正規)とか、そんな風にもなり、そうなったなら「子育ては全力で」ということになり、そこからは行き過ぎた干渉をしてしまうのも、ある意味自然な流れだったりします。

なんてことを書いているのはわたしの経験してきた時代ですが、こうして今の時代になって、いろんな制度が出来、社会の様子が変わってきても、まだまだこの「時間貧困の偏り」はしぶといなあと改めて思います。

これについてはなにかを悪者にしたいというわけではなく、考えたい論点がとても多いので、またゆっくりと書いていきたいと思います。


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