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イーサリアム系ウォレット、メタマスクとは!?ERC-20を簡潔に解説

こんにちは。ルピナス暗号資産ナビゲーターのshibaです。

この記事は、暗号資産(=仮想通貨)投資コミュニティ、ルピナスの投資講座の内容に基づき書いています。

暗号資産の投資からWeb3.0、ブロックチェーンのことなど、暗号資産を取り巻く情勢について解説しています。その目的は暗号資産投資のリスクヘッジであり、より小さなストレスで最大の利益を得ることです。

私自身もこの記事を書きながら勉強している身で、この記事を読んでくださるあなたと共に学んでいければと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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今回のテーマは、Metamask(以降、メタマスク)です。メタマスクと言えば、Ethereum(以降、イーサリアム)のメインネットワークであるERC-20規格に対応したトークン(暗号資産)を保管する主要なウォレットの一つです。ERC-20については後ほど説明しますね。

慣れてくるとシンプルで使いやすいウォレットですが、暗号資産を扱い始めたばかりという方にとって取っ付きにくい部分があるのは否めません。今回はそのメタマスクに焦点を当てて、インストール方法やネットワークの追加方法、ERC-20の意味などを解説していきたいと思います。

暗号資産投資についての理解を深めることで、ストレスフリーな投資にお役立ていただければ嬉しいです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね^^

メタマスクとは

メタマスクとは、イーサリアム系の暗号資産を保管するためのウォレットです。2016年9月にConsenSys(consensys.net)という会社によって作成、公開されました。

メタマスクを検索するとよくヒットするのが、「イーサリアムウォレット」「イーサリアム系の通貨を保管できる」「イーサリアム系のトークンを保管する」などのイーサリアムとの関連性を示す説明です。

でもこの「イーサリアム系」というのはどういう意味なのでしょうか?

下記の記事でも解説していますが、イーサリアムというのは暗号資産という意味だけでなく、もともとはスマートコントラクトを可能にするdApps開発のプラットフォームです。

イーサリアムで開発され発行されたトークン(暗号資産)はERCという規格に準拠しています。

メタマスクは、このERC規格に準拠したトークンを管理できるウォレットなのです。

以下、ERCについて簡潔に解説していきます。

■ERC規格とは何か

ERCとは”Ethereum Requests for Comments”の略です。日本語に訳すと「イーサリアムに関するご意見募集」という感じです。

そもそもイーサリアムは分散型管理台帳に取引が記録されるブロックチェーンで、中央集権的な管理者は存在しません。しかし開発者コミュニティ(上下のないチームのようなもの)は存在します。

イーサリアムの改善、アップデートの際は、この開発者コミュニティの中で議論が行われます。その際提出される改善提案のことをEIP(Ethereum Improvement Proposals)と呼びます。ERCはこのEIPの一種で、イーサリアムで発行されるトークンの規格を決めるための意見募集です。

ERCの規格には順番に通し番号が振られており、使用頻度の高いナンバーとしてERC-20、ERC-721、ERC-1155があります。

以下、それぞれ簡単に解説します。

■ERC-20とは

ERC-20規格こそ、いわゆるイーサリアム系のトークン(暗号資産)の規格です。別の言い方をすると、イーサリアムで開発される代替性トークンの規格です。

代替性トークンとは、代替が可能なトークンのことです。どういうことかと言うと、1ETH(ETHは通貨としてのイーサリアムの単位)は誰が持っても同じ1ETHです。Aさんの1ETHとBさんの1ETHは交換可能で、つまり代替が可能ということになります。

このような、誰が持っても同じトークンのことを代替性トークンと言います。

そして先ほどから規格という言葉がたくさん出てきていますが、規格とは何でしょうか?

少し具体的なお話をすると、ERC-20には6つの取り決めがあります。

  • totalSupply:トークンの総供給量を返す関数

  • balanceOf:指定されたアドレスの残高を返す関数

  • transfer:転送先のアドレスと転送する金額の指定を行う関数

  • transferFrom:自身に代わって送金する権限を与えるための関数

  • approve:残高に対して出金可能なトークン数を制限する関数

  • allowance:出金可能なトークン数を確認するための関数

上記の関数と呼ばれる命令(プログラム)に対して決まった動作をするというのがERC-20の規格の意味です。このような取り決めがあることによって、後発で開発されるメタマスクのようなアプリケーションがブロックチェーンからデータを入手し管理できるようになります。

どのトークンでも、同じ命令に対して同じ動きをするからこそ1つのウォレットで管理することが可能になるということです。

■ERC-721とは

ERC-20が代替性トークンであったのに対して、ERC-721は非代替性トークン(Non-Fungible Token)の規格となっています。近年盛り上がりを見せているNFTですね。NFTについてはまた別の記事で取り上げたいと思います。

非代替性トークンは、代替ができない、すなわち交換ができない世界で1つだけのトークンという意味です。

一般に流通しているNFTとして多いのがデジタルアート作品ですが、ERC-721規格はデジタルアート作品の真正性と所有権の記録を証明することができるようになっています。

■ERC-1155とは

ERC-1155は、半代替性トークンの規格と言われています。半代替性というとまたわかりにくいですね。

ブロックチェーン上で動くゲームを例として挙げます。ゲームの中で使用する代替性トークンとしての通貨や非代替性トークンとしてのアイテムを使い分けたいとします。

上述したERC-20、ERC-721では、各トークンに対して一対一対応のスマートコントラクトを開発する必要がありましたが、ERC-1155規格のもとでは一つのスマートコントラクトの中で複数種類のトークンを扱えるようになったのです。

主要なERC規格を説明しましたが、暗号資産を取り扱う上でまず知っておきたいのがERC-20規格です。

暗号資産の購入にあたっては、ERC規格の細部を知る必要はないかも知れませんが、メタマスクで扱えるトークンには何があるのか、その関係性によって人気がでるトークンは何かなど考えるきっかけになるかも知れません。

今後の投資銘柄の選定の参考になれば嬉しいです。

メタマスクのインストール

メタマスクは、Webブラウザの拡張機能やスマホアプリとして使えるソフトウェアウォレットの一つです。暗号資産のウォレットは、その仕組みによって以下のように分類されます。

  • ホットウォレット(オンラインウォレット、取引所ウォレット)

  • デスクトップウォレット

  • モバイルウォレット

  • ハードウォレット

  • ペーパーウォレット

暗号資産の保管におけるウォレットの意味は、公開鍵、秘密鍵の保管です。

下図は、公開鍵、秘密鍵の役割を概念化したものです。

暗号資産の送受信における公開鍵、秘密鍵の役割

なお、ホットウォレットは、インターネットに常時接続されているウォレットで、オンラインウォレットとも呼ばれます。暗号資産をBinanceやCoincheckなどの取引所に保管している場合を例にとると、これはホットウォレットということになります。

デスクトップウォレットやモバイルウォレットは、暗号資産をPCやスマホなどのデバイス(端末)に保管するタイプのウォレットです。常時インターネット上に保管しているわけではありませんが、多くの場合デバイス自体がインターネットに接続しているのでホットウォレットとみなすこともできそうですね。今回ご紹介するメタマスクはデスクトップ型・モバイル型のウォレットです。

ハードウォレットはUSB接続するメモリ機器に暗号資産を保管しておくタイプで、常時インターネットに接続していないことからハッキングによる資産喪失のリスクは低くなります。

さらに、ペーパーウォレットは、秘密鍵を紙のメモで保管することを指します。

ウォレットの種類については、下記の記事でもまとめていますので併せてご覧ください。

■メタマスクの対応ブラウザ

先ほど、メタマスクはWebブラウザの拡張機能として利用できると書きました。対応しているブラウザは、今のところ以下の5つのようです。

  • Google Chrome

  • Firefox

  • Brave

  • Edge

  • Opera

対応ブラウザは、下記サイトで参照していただけます。


メタマスクの対応ブラウザ

以下では、メタマスクをGoogle Chromeにインストールする方法を解説します。

■メタマスクのインストール

PC上でGoogle Chromeにメタマスクをインストールする手順を説明します。

メタマスクをインストールするには、まず下記のサイトを開いてください。

そして、「Chromeに追加」をクリックします。

メタマスクをGoogle Chromeの拡張機能に追加します

インストールした後は、「開始」→「同意する」とクリックして進みます。

インストール後の手順「開始」→「同意する」

初めてウォレットアカウントを作る場合は「ウォレットを作る」を選択します。次にパスワードを設定して「作成」をクリックします。

既存アカウントのインポートか新規アカウントの作成かを選択します

次にシークレットリカバリーフレーズの説明動画が出ますので、動画を視聴して次へ進みます。シークレットリカバリーフレーズは、PCが故障したりPCを買い替えたりなど別のデバイス(端末、PCなど)にアカウントをインポートする際に必要になります。

シークレットリカバリーフレーズがわからなければ二度とアカウントを復活することができなくなる恐れがあります。必ずメモを控えてなくさないようにしましょう。

シークレットリカバリーフレーズの説明動画を視聴します

次に進むとシークレットリカバリーフレーズが表示されます。これらのフレーズを表示されているのと同じ順番で控えて、厳重に保管してください。

シークレットリカバリーフレーズを確認しメモに控えます

次のページでシークレットリカバリーフレーズをきちんと控えたかどうか確認されます。先ほど控えたのと同じ順序でフレーズを並べ替えて「確認」をクリックします。

シークレットリカバリーフレーズを並べ替えます

シークレットリカバリーフレーズの確認がとれれば最後に「すべて完了」をクリックして終了です。

「すべて完了」して終了です

いつでもメタマスクを開けるように、拡張機能のメニューにピン留めしておくと便利です^^

拡張メニューにピン留め

メタマスクのインストール手順は以上です。お疲れ様でした^^

ネットワークの追加

最後にメタマスクで簡単にネットワークを追加する方法を説明しておきたいと思います。ネットワークを追加することで、例えばBinance coin(BNB)やAvalanche(AVAX)などのERC-20規格に適合したイーサリアム以外の通貨の保管、送受信ができるようになります。

ネットワークの追加は、通常メタマスクアプリから進んでいけるのですが、メタマスクから追加しようとすると以下のデータの入力が必要になります。

  • ネットワーク名

  • 新しいRPC URL

  • チェーンID

  • 通貨記号

これらを調べて入力するのは手間なのですが、ChainlistというWebサイトは上記のデータを準備してくれていますのでデータ入力を省略することができとても便利です。

以下では、Chainlistを使ったネットワークの追加手順を解説します。

まず下記よりChainlistのWebサイトを開き、”Connect Wallet”からメタマスクを接続します。


Chainlistサイトを開きウォレットを接続します

“Connect Wallet”をクリックするとメタマスクが立ち上がるので、「次へ」→「接続」と進みます。

メタマスクが立ち上がるので「次へ」→「接続」

次に、追加したいネットワークを見つけて”Add To Metamask”をクリックし、「承認」→「ネットワークを切り替える」と進み終了です。

”Add To Metamask”をクリックしてネットワークを追加します

いかがでしょうか。Chainlistを使うと何も入力する必要がなく、クリックするだけでネットワークの追加が完了するので便利です。

新たにメタマスクに送信したいトークンがある場合は上記の方法でネットワークの追加を試してみてください^^

トークンの追加

続いてトークンの追加方法を解説します。ネットワークを追加すると、レイヤー1ブロックチェーンとそのネイティブトークン(基軸通貨)を扱えるようになりますが、レイヤー2に属するトークンを扱えるようにするためにはメタマスクにトークンをインポート(追加)する必要があります。

レイヤー1やレイヤー2については、下記の記事で解説していますのでご一読いただければと思います。

トークンのインポート方法は大きく以下の2つです。

①メタマスク上でトークンを検索してインポート
②価格追跡サイト等でコントラクトアドレスを調べてメタマスク上でインポート

ただし、①の方法はイーサリアムメインネット(つまりERC-20)系のトークンのみ使用できる機能で、その他のネットワークに対応したトークンをインポートするには②の方法をとる必要があります。

では、①、②それぞれのインポート方法を見ていきましょう。

■メタマスク上でトークンを検索してインポート

トークンの検索は、メタマスク上の「トークンをインポート」から行えます。下図の4ステップです。この方法は、インポートしたいトークンが決まっている場合に使える方法ですね。

トークンのティッカーシンボルで検索することができます。ティッカーシンボルというのは、ビットコインならBTC、イーサリアムならETHといった銘柄を分かりやすく識別するために用いられる文字列です。

メタマスク上でトークンを検索してインポートする方法

■価格追跡サイト等でコントラクトアドレスを調べてメタマスク上でインポート

次にコントラクトアドレスを使ってトークンを検索し、インポートする方法を解説します。

コントラクトアドレスは、CoinMarketCapのような価格追跡サイトで調べることができます。いくつか例を挙げておきますので参考にしてください。

BscScanはBEP-20チェーンに対応し、EtherscanはERC-20に対応しています。同様にplygonscanはPolygonチェーンに対応しています。

ですので、チェーンがわからない場合はCoinMarketCapCoingeckoの方が使いやすいですね。ほとんどのトークンはこの2つのサイトのどちらかで調べることができます。

ちなみに、コントラクトアドレスというのは、スマートコントラクト上の場所を指しています。メタマスクは、私達のトークン所有量などの情報を抜き出して管理するためにこのコントラクトアドレスを使用しています。

今回はCoinMarketCapを使ったコントラクトアドレスの調べ方を解説していきますね。

まずCoinMarketCapにアクセスし、トークンを検索してください。

CoinMarketCapサイトでトークンを検索

トークン個別のページに行くとコントラクトアドレスをコピーできるボタンとメタマスクのマークがあります。メタマスクマークがない場合はインポートできませんので、メタマスク以外のウォレットの使用を検討してください。

以降では、コントラクトアドレスをコピーする方法とメタマスクマークからインポートする方法の2通りを解説します。

トークン個別のページでコントラクトアドレスをコピー


メタマスクマークからインポートする方法とコントラクトアドレスを使ってインポートする方法はそれぞれ下図の2ステップです。

トークンのインポート

いかがでしょうか?

初めはコントラクトアドレスって何???となるかも知れませんが、メタマスクがトークンを識別するための文字列ぐらいの認識でよいかと思います。上記のように簡単にインポートできますのでチャレンジしてみてください。

まとめ

今回の記事では、メタマスクのインストール方法やメタマスクが取り扱うことのできるERC-20規格について解説させていただきました。

最後に簡潔にまとめてこの記事を終わりたいと思います。

■今回の記事のポイント

  • メタマスクはイーサリアム系ネットワークに対応したデスクトップウォレット、モバイルウォレットである。

  • イーサリアム系ネットワークとは、ERC-20規格に準拠したネットワークである。

  • メタマスクはブラウザ拡張機能としてインストールすることができる。

  • Chainlistを使うとメタマスクへのネットワークの追加が簡単にできる。

  • メタマスクでネイティブトークン以外を扱う場合は、別途トークンをインポートする必要がある。

  • トークンのインポートにはトークン固有のコントラクトアドレスを使用する。

この記事では、できるだけ初心者の方にもわかりやすく書いているつもりですが、よくわからないところなどコメントいただければ別の記事で補足していきたいと思います。

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以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。

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