イーサリアムが世界に与えた影響は!?スマートコントラクトの理解と暗号資産投資
こんにちは。ルピナス暗号資産ナビゲーターのshibaです。
この記事は、暗号資産(=仮想通貨)投資コミュニティ、ルピナスの投資講座の内容に基づき書いています。
暗号資産の投資からWeb3.0、ブロックチェーンのことなど、暗号資産を取り巻く情勢について解説しています。その目的は暗号資産投資のリスクヘッジであり、より小さなストレスで最大の利益を得ることです。
私自身もこの記事を書きながら勉強している身で、この記事を読んでくださるあなたと共に学んでいければと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
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今回のテーマは、イーサリアム(Ethereum)によって普及したスマートコントラクトの理解を深めることです。スマートコントラクトを可能にしているのがEVM(Ethereum Virtual Machine)と呼ばれるプラットフォームです。EVMは、ブロックチェーン上で動作するアプリケーションであるdApps(Decentralized Applications)の開発を汎用化し、スマートコントラクトの普及のきっかけとなった仕組みです。
このたった数行だけでも初めての方には意味不明な単語の連続かと思います。しかしイーサリアムが可能にしたスマートコントラクトを知ることは、他のプロジェクトを知ることにもつながり、投資すべき暗号資産を選択するのにも大いに役立ちます。
暗号資産投資についての理解を深めることで、ストレスフリーな投資にお役立ていただければ嬉しいです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね^^
イーサリアムの本来の姿
暗号資産への投資を始めた方、あるいは興味をお持ちの方であれば、イーサリアムという名前は既にご存知だと思います。ビットコインに次ぐ時価総額(※)を誇る暗号資産の2大巨頭の一角ですね。
※暗号資産の時価総額は、CoinMarketCapで閲覧することができます
実はイーサリアムというのはスマートコントラクトを実行するプラットフォームであり、本来暗号資産を指す名称ではありません。
プラットフォームという概念を説明するのがやや難しいですが、スマートコントラクトを実行する基盤のようなものだと考えてください。一般的にはこれらを総称してイーサリアムネットワークなどと呼びます。
スマートコントラクトとは自動執行される契約のことを指します。ユーザー間の取引などを自動化するためのアプリケーションですね。
冒頭でdApps(Decentralized Applications)という言葉を使いましたが、dAppsとは本来、ブロックチェーン上で動作するアプリケーションのことを指します。したがって、BTCやETHはdApps上で発行された通貨であると言えます。
後述しますが、イーサリアムを考案したヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、EVM(Ethereum Virtual Machine)を実装することでdAppsの開発に対する技術的ハードルを下げることに成功しました。また、通貨発行以外のサービスを提供するdApps開発を促進したことで、ブロックチェーンの汎用化に成功しました。
このような背景があり、イーサリアムネットワークにおけるdApps開発、ETH(イーサ)ユーザーが劇的に増加していきました。
なお、イーサリアムネットワーク上では、スマートコントラクトを使った様々な取引が実行されています。その取引を検証するバリデータ(※)への手数料としてユーザーが支払う通貨がETH(イーサ)です。この手数料のことをガス代と呼びます。日本では、イーサのことも含めてイーサリアムと呼ばれています。
※イーサリアムは2022年9月にコンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSにアップデートしました
そしてさらに、イーサリアムネットワークに関わる人、組織などを含めた経済圏をエコシステムと呼びます。
■イーサリアムのこれまで
イーサリアムは、ロシア系カナダ人のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が2013年に発表したホワイトペーパーから始まりました。
ホワイトペーパーというのは、明確な定義があるわけではありませんが、自社の製品・サービスに関連した様々なお役立ち情報をまとめた報告書と考えていただければと思います。
この当時ブテリン氏は19歳だったそうです。彼は当初ビットコインにスマートコントラクトを実行できる環境を付加したいという思惑があったそうですが、ビットコインの開発チームの賛同を得られずイーサリアムという別のプラットフォームを立ち上げたそうです。
また、ブテリン氏とイーサリアム開発チームは、2014年にはICO(Initial Coin Offering)により約31,000BTC(当時1,800万米ドル)を調達し、2015年7月にイーサリアムを一般公開しました。
イーサリアムは定期的に大型のアップデートを行いながら現在に至っています。
イーサリアムのようなブロックチェーンネットワークのことは、しばしばレイヤー1ネットワークと呼ばれます。特にビットコインやイーサリアムなど初期のレイヤー1ネットワークは、分散性、安全性、スケーラビリティのトリレンマを抱えています。
トリレンマについては、以下の記事で説明していますのでよかったらご一読ください。
ブロックチェーンは基本的に分散性、安全性を優先しているため、取引の検証が停滞するなどのスケーラビリティの問題が顕在化し始めました。スケーラビリティの問題というのは、イーサリアムネットワーク上の取引数が多すぎて認証とブロック生成が追い付かなくなっている状態と考えてください。そして、ユーザーはより速く取引を承認してもらいたいのでガス代は高騰し始めました。
このようなスケーラビリティの問題やPoWの本質にある中央集権化への懸念を改善するために定期的なアップデートが行われています。直近では、2022年9月に「The Merge(マージ)」と呼ばれるアップデートが行われ、コンセンサスアルゴリズムがPoWからPoSへと移行されました。
PoWとPoSについては以下の記事も参考になるかと思います。
イーサリアムのアップデートは、イーサリアムの市場価格の変動だけでなくイーサリアムのレイヤー2プロジェクトや他の通貨にも影響を及ぼす一大イベントですので、暗号資産に投資する際にはチェックしおいてくださいね。
なお、レイヤー2についてもトリレンマと同じく下記の記事で解説していますのでよかったらご覧ください。
■dAppsの執行を支えるEVMとは
先に書きましたが、dAppsはブロックチェーン上で実行されるアプリケーション全般を指します。
イーサリアムに実装されているEVMは、このdAppsの開発を支える仕組みです。プログラムを扱ったことのある方にとっては、コンパイラと呼ぶとわかりやすいかと思います。
dAppsと通常のアプリケーションとの違いは、分散したノード(コンピュータ)によって実行した結果がブロックチェーンに記録されていくことと、ユーザー間の取引を仲介者なしで自動執行することです。
dAppsを作る(記述する)ためのプログラム言語としては、「Solidity」「Vyper」「LLL」「Serpent」「Bamboo」などが使われますが、特にSolidityがよく使われているようです。
そして、イーサリアムにおいてこれらプログラムを機械の言葉に翻訳するコンパイラの役目を果たしているのがEVMです。機械の言葉とは、0と1から成る2進数で、私達一般の人間から見ると意味がわからない文字の羅列です。
なお、機械語への翻訳をコンパイルとかデプロイなどと呼びます。
EVMの役割をイメージにすると以下のような感じです。
スマートコントラクト=アプリケーションというと、「あぁ、要はプログラムのことね」「要するにアプリケーションでしょ」と納得される方もいらっしゃるかも知れませんが、私達が普段使っているアプリケーションとは根本の部分で意味が異なります。
それは、お金という「価値」を取引しているという点です。
イーサリアムが実現したスマートコントラクトの意味
お金の取引と聞いて最初に思い浮かぶのが銀行ではないでしょうか。現代において銀行は、様々なIT技術を取り入れて利便性を向上させてきました。金融に関するIT技術はフィンテックとも呼ばれています。
インターネットバンキングを使えば、概ねいつでも誰とでも取引ができます。ですので、スマートコントラクトもインターネットバンキングなどと同じようなものか、と考えてしまうのも無理はありません。
しかしながら、銀行とスマートコントラクトとでは、管理者の有無において全く異なります。
銀行を介してお金のやり取りをするということは、銀行が取引を仲介しているということと同じです。そして、銀行が管理するシステムを維持するための費用を私達ユーザーは肩代わりしていると捉えることができます。
それ故に、銀行を介して取引をする場合、高コストになっていきます。
一方で、スマートコントラクトは分散型管理のブロックチェーン上で動作しているため管理者がいません。ガス代と呼ばれる手数料を支払う必要はありますが、銀行を介するのに比べればわずかです。
しかも、遠く離れた海外のユーザーとも瞬時に取引することができます。銀行を介して数百万円の単位のお金を送金しようとすると、数万単位の手数料と数週間単位の時間が必要になります。
スマートコントラクトは、これまで中央集権組織を介して行っていたお金という価値の取引を自動執行するという、従来の手法と比較すると180度常識を覆す手法と言えます。
なお、中央集権と非中央集権の取引の違いをいくつか挙げると以下のとおりです。
ここまで契約の自動執行に焦点を当てて書き進めてきましたが、イーサリアムネットワークでは多種多様なプロジェクトが起ち上げられています。他のプロジェクトについても今後触れていければと思います。
投資対象コインを選定する際の視点
ここまで見てきたように、イーサリアムは、スマートコントラクトの機能を持っています。それによって様々な用途への汎用性が高まり、結果的にETHを使用するユーザーは劇的に増加しました。
その一方で分散性、安全性、スケーラビリティのトリレンマは依然としてありました。しかし近年では、イーサリアムと同じレイヤー1プロジェクトでありながら、このトリレンマを乗り越えつつあるプロジェクトが台頭してきています。
これらはイーサリアム・キラーと呼ばれ、時価総額(※)でも上位に位置付けています。
※暗号資産の時価総額は、CoinMarketCapで閲覧することができます
イーサリア・キラーには、以下のようなプロジェクトが挙げられます。
・ADA(カルダノ)(時価総額8位)
・SOL(ソル/ソラナ)(時価総額9位)
・MATIC(ポリゴン)(時価総額11位)
・DOT(ポルカドット)(時価総額12位)
・AVAX(アバランチ)(時価総額17位)
・ATOM(アトム/コスモス)(時価総額23位)
・XTZ(テゾス)(時価総額42位)
・FTM(ファントム)(時価総額67位)
※2022年10月現在
重要なことは、プロジェクトの目的は何かを理解することです。当然、機関投資家やVC(ヴェンチャー・キャピタル)は、通貨やプロジェクトの目的、社会的影響などを考慮し、将来の成長性が期待できるコインに投資します。
社会的意義の大きなプロジェクトでは、将来ユーザーが増える可能性が高くなります。そうなると市場価格も上昇する可能性が高いからです。
私達個人投資家もやるべきことは同じで、将来性の高いコインを見つけて投資していくことが利益を上げるために重要になってきます。
暗号資産投資で何を重視するのか、自信の投資の目的、投資スタイルに合わせて必要な知識を身に付けていっていただければと思います。
まとめ
今回の記事では、イーサリアムの特徴やイーサリアムが社会に与えた影響、付加された機能などに焦点を当てて説明してきました。
最後に簡潔にまとめてこの記事を終わりたいと思います。
■今回の記事のポイント
イーサリアムは、スマートコントラクトを実行するプラットフォームであり、契約を自動執行する機能を持つ
EVMは、開発者が記述したプログラムをコンピュータが理解できる機械語に翻訳するシステムである
中央集権と非中央集権とでは、お金という価値を移転するために必要なコスト、期間が大きく異なる
投資対象のコインを選定する際には、何を目的としたプロジェクトなのか、誰が投資しているのかなどを調べることが重要になる
この記事では、できるだけ初心者の方にもわかりやすく書いているつもりですが、よくわからないところなどコメントいただければ別の記事で補足していきたいと思います。
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以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。