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【#9いちごの街・新発田】プロジェクトの起爆剤となるか!?新品種が新発田ファームに上陸

もとは米の専業農家であった私達が、「いちごの街・新発田」をテーマにした苺栽培プロジェクトを立ち上げたのは2021年。
農業で地元を元気にしたい――。そんな想いで継続するプロジェクトの今を綴ります。

新発田ファームの苺といえば?


超基本ですが、新発田ファームが栽培する苺は『越後姫えちごひめ』という新潟県が生み出した県独自のブランド苺。
「可憐で瑞々しい新潟のお姫様のような苺」という意味を込め命名されました。
丸みのある円錐形をした可愛らしい真っ赤な果実は、他の苺と一線を画す柔らかさ。ジューシーな甘い果汁を含み、風味の良さも魅力です。

越後姫についてはこの記事も見てみて下さい♪

生粋の新潟県民の私としては、苺=越後姫として25年以上生きてきました(笑)なので、とちおとめを始めて食べた時の衝撃は今でも忘れません。
「か、かたい!!!!!!あとすっぱい!!!」
決して侮辱しているわけではなく、越後姫の味しか知らなかったいたいけな少女だった私には、20年たった今でも記憶に残る出来事だったのです。

ここまで言っといてなんですけど、とちおとめは苺の大産地・栃木大先輩県の苺なので心からリスペクトしているし、大スター的存在だと思っています(汗だらだら)。

己の常識は非常識だった。新潟の外では…

ほかの記事でも何度も書いていると思いますが、新潟県外では越後姫って超マイナー。
「なにそれ?」状態で、存在すら知られていないことが多々あるんです。
新潟で生産され、県外に出荷されるのはざっくり1割
9割ほどが新潟県内で消費されているのです。

上にも書きましたが、10代初頭で経験したとちおとめこそが世間の常識。
全国の子供たちが頬張るショートケーキの上には越後姫ではなく、とちおとめが鎮座。
大人になった私は再び大きな衝撃を受けたのでした。

なぜ県外に出回らないのか

越後姫は誕生し早26年。今だに新潟にひきこもる越後姫。
良い年した娘がこれでは、お母さん心配になっちゃいます(誰)。

県外の至る小売店に卸せばいいやんと思うし、よく聞く「美味しすぎて県民が自分達で食べきってしまう」なんて言葉「はあ?」と正直思ってしまいます。

そんなわけあるかーーーーー!!

すみません、最近寒くなってきて情緒不安定気味…(笑)
その理由には実の柔らかさにあるのです。
スーパーでよく見かけるパック売りの苺。王道の販売スタイルです。

そうそう、これこれ。

この状態で越後姫を例えば東京へ出荷する、となるとどうなるのかというと
まず、下段の苺がグジュッと少し潰れます。
そして上段の苺も、苺同士が触れている部分が輸送の衝撃で擦れてグジュグジュッと潰れたようになり、場合によっては果汁がパックのそこに溜まることも…。

オーマイガー( ;∀;)チーン

実のしっかりとしたとちおとめやあまおうは、輸送に耐えることができるからこそここまで広く知られるようになりました。
とちおとめも越後姫も品種登録をされたのは同じ1996年。
同じ年月を過ごしているのに歩んできた道のりは、まったく異なるものだったのです。

そんな中舞い込んできた新品種栽培のチャンス

越後姫で少しもんもんとしていた私たちに、ある1つの苺が飛び込んできました。
それは、三好アグリテックという種苗会社が開発し、2021年に品種登録されたばかりの『ベリーポップすず』です。

レトロな女の子がマスコットキャラでかわいい!

このベリーポップは「すず」と「はるひ」という2つの品種に分けられ、それぞれ異なる特徴があります。

ベリーポップすず
果実が硬く、甘くてコクがあります。果皮、果肉とも赤い品種です。
ベリーポップはるひ
果実が硬く、酸度と糖度のバランスが取れた美味しい 品種です。果皮色は橙赤色。

三好アグリテック公式サイトより

新発田ファームでは試食を行い、「すず」を採用。
試験栽培として、今年は160本の苗を植えました。
越後姫よりも実がしっかりとしており、輸送に耐えうる苺なのではないか、と期待しているところです。
さらに、12月下旬に収穫ができる早生品種。その後の1月中旬に越後姫の収穫もスタートします。少し出荷期間が延びるのも嬉しいポイント!

11月28日。苺がうっすら色つき、2番花の花芽が出始めています。越後姫は花がぽつぽつ咲いている状態なので、その差は歴然!

全国的にまだまだ生産農家は少なく、ましてや新潟県内では5軒に満たない程。これから実績を積んで、この苺の魅力や適した栽培方法を模索していくつもりです★

遠回りのようでも、急がば回れ。
無駄な道はないと信じて!

本当のことを言えば、越後姫を大々的に県外へ出荷したいのですが、それが今の私達では難しく、乗り越えるのに時間がかかってしまうのが現状です。

品種は違うけれど、バイオスティミュラント資材などを活用し「減農薬・減化学肥料」に取り組む私達の苺の美味しさを感じ、ファンになって貰えるための起爆剤的存在となってくれればと考えています。

やはり、愛着のある越後姫の美味しさは格別で、目指したいのは認知度のアップ。
流通量の少なさから「幻」と言われますが、せめて「その名前聞いたことある!」レベルまで上げたいな、と思いますw

全国の皆さん、越後姫という美味しい苺のある新潟県を新発田市を応援宜しくでーす!

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