#71 知識と知恵
田坂広志さん
「成長し続けるための77の言葉」
より引用します。
知識社会とは、「知識が価値を持つ社会」ではありません。本当は、知識社会とは、「知識が価値を失う社会」なのです。なぜなら、現代の社会においては、言葉で表せる「知識」は、その大半が、ウェブサイトにおいて無償で公開されており、いまでは、誰もが容易に、欲しい「知識」を手に入れることができるからです。では、知識社会においては、何が価値を持つのか。
「言葉で表せない智恵」すなわち、容易に手に入れることのできない「智恵」が、価値を持つようになるのです。
「智恵」とは「経験」と「人間」を通じてしか掴めないものである。
我々の中には、常に「楽をして大切なものを掴めないか」という安易な発想があります。そうした発想は、長い時間を要する「経験」を積み重ねるということを嫌います。
「経験」の積み重ねを避け、「人間」との真剣勝負を避ける姿勢を持つかぎり、本当の「智恵」は身につかない。だからこそ、最初に、覚悟を定めるべきなのです。
「知識」とは、言葉で表せるものであり、書物などで学ぶことができるものである。
これに対して、「智恵」とは、言葉で表せないものであり、経験と人間を通じてしか掴めないものである。
簡単に手に入るものは簡単に離れる。
真剣に向き合う覚悟。
時間はかかるし、摩擦や葛藤、挫折もあるだろう。だからこそ覚悟がないと、継続して自分の課題と向き合えない。
時代は「知識の勉強法」から「智恵の修得法」に向かう。
学校も知識を教えることから、生き方、在り方、心得などを教科を通して、これまで以上に伝えていく必要がある。
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