印象に残る人物ファイル 1（不倫上司）

名前：黒沢S
性別：男
自分との関係：会社の元上司
妻子あり（女の子二人）

私の人生の中でも一番長く仕事で関わったのがこの男です。
年数で言えば、２０年位でしょうか。
この人、仕事は出来るのですが、とにかく性格が悪く、なにか話し出したと思えば、他人の悪口と自分の自慢話でした。
これは、誇張しているのではなく、本当に他人の悪口と自慢話でした。
そして、非常に女にだらしがない人でした。
平気で不倫をし、その事を事細かく私に話してきました。
どうやら「不倫する俺カッコいい」と思っているみたいでした。
要は、自慢話として私に話していたということです。

一番あきれたのは、自分の子供の友達の母親と不倫をしていたことです。
自分の携帯の待受画面に不倫女の写真を設定していたことには驚きました。
私から見せてと言ったわけでもないのに、自慢気に携帯の待受画面を私に見せてくるのです。
結局、不倫相手の旦那にバレそうになって終わりにしたらしいです。

また、独自の考え方の持ち主であり「女は男のアクセサリー」だそうです。
人間のクズだと思います。

ある日、大きな事件が起こります。
黒沢Sが同じ会社に勤めている「O子」に対してセクハラ行為を行います。
それも、ストレートにホテルに行こうと言っていたのです。
メールもしつこく送っていました。
なぜ、そんな事を私が知っていたかというと、黒沢Sが自慢気に私に話していたからです。
自慢になる話じゃないのに本人にとっては自慢出来る事だったみたいです。
本人曰く

「O子は、不細工だからすぐに落ちるだろう」

との事でした。
今、思い出しても胸くそ悪い発言です。

ある日、専務が私に話があるということで商談室にいってみたところ、専務、常務とセクハラを受けているO子がいました。
O子は、涙を流して目が腫れていました。
ただ事ではないと思いました。
なぜ私が呼ばれたのか分からなかったのですが、とりあえず専務から話を聞きました。
話の内容はこんな感じ。

O子が黒沢Sにセクハラを受けている事。

O子が退社する時を見計らって待ち伏せされている事。
（ストーカー行為）

黒沢Sから頻繁にメールが来る事。

O子は、それらが原因で精神的におかしくなり、会社を辞めたいとの事。

警察に相談し、黒沢Sを解雇するとの事。

黒沢S解雇後は、私が黒沢Sがいたポストにつくという事。

ここでの話は、口外しない事。

ざっとこんな感じの話でした。
私にとっては、悪い話じゃなかったのですが、出世欲の無い私は、正直、出世なんてめんどくさいと思いました。
黒沢Sは、人間のクズだけど、私にとっては、色々な意味で都合の良い男だったのです。
そこで私は、O子にいくつかの提案をしました。

今すぐに警察に相談するのは止めて欲しい事。

その代わり、次に黒沢SがO子に接触した時は、 O子の好きにして欲しいという事。

私が説得（？）して、O子を諦めるさせる努力をする事。

以上の提案をした後に話し合いは終わりました。
しかし、ここでの出来事を口外しないで黒沢SにO子を諦めさせるのはどうしたものか？
考え込んでしまいました。

翌日、予想外な出来事がありました。
社内に田代という男がいたのですが、
彼は社内では「スピーカー」と呼ばれていました。
あること、ないことを社内の色々な人に話すということで「スピーカー」と呼ばれていたのです。
どうやら、田代はどこからか昨日の話し合いの情報を得て、その話が黒沢Sの耳に入った様でした。
田代も人間のクズだと思っていたのですが、情報収集力だけは感心します。
その後、黒沢SのO子に対するストーカー行為、セクハラ行為はなくなりました。
運の良い男だと思いました。
しかし、結局O子は、会社を辞めてしましました。
そりゃそうでしょう。
スピーカー田代によって社内に今回の話が知れ渡ってしまったのですから............
風の噂によると、O子は地元の温泉施設に就職したとの事。
それ以来、O子にはあっていませんが、幸せにくらしていてくれたらと思います。

一方、黒沢Sに関しては、一切おとがめなし。
実に理不尽だと思いました。
私はというと、数年後にこの男とは関わりたくないと思い退社して今の会社に転職しました。
同じ県内で生活をしているのでどこかで黒沢Sと出会うかも知れないと思ったのですが、それっきり見かける事はありませんでした。