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耳から始まる衣替え

今日、冬を感じた。

例年、季節は境界線が曖昧で、グラデーションのように移ろいで行く。

けれども今年は、1日で切り替わったように感じた。

それも、秋というより冬へと─。

しかし、まだ街には季節の変化は来ていない。

紅葉も見かけないし、ハロウィンだってまだ先──。

そんなことを思いながら、いつも通りヘッドホンで耳に蓋をする。

何を聴こうかと、プレイリストから曲を探す。

不思議と選曲は、切なく、美しい、バラードの曲。

自分の中では冬がすでに始まっていたのかな。

指先に落ちた雪が、体温によってじんわりと溶けるように

冬の音色が、鼓膜へと染み込んでくる───。

たまには街に先取って、耳から冬を楽しむのも悪くない。

そう思った1日でした。      


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