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【インド映画】Masaan(2015)

監督:ニーラジ・ガーイワーン
出演:リチャー・チャッダー、ヴィッキー・カウシャル、サンジャイ・ミシュラー、シュエーター・トリパーティーなど
上映時間:1時間30分

明日からプラヤグラージ、バラナシに一人旅するので、両方が舞台となっているこの映画を改めて鑑賞しておこうと。実はこれがもう3回目です。
カンヌ国際映画祭ノミネート作品!

いやー、この映画は見れば見るほどおもしろい!
というか、インドに関する知識が確立されるほどおもしろさが分かってくるのだと思います。

例えばディーパック(ヴィッキー・カウシャル)の家業であるガンジス川での火葬業とかがそうですね。ヒンドゥー教では死は不浄なものと考えられており、それにまつわる火葬業はカースト最下層の仕事です。
そしてバラナシはヒンドゥー教の聖地。都市部と違って伝統的な宗教観が重要視されており、カースト差別も根強い。
なので自分よりも上位のカースト出身である恋人のシャールー(シュエーター・トリパーティー)に自分のカーストをなかなか打ち明けられないんですよね。それによって嫌われたり、シャールーの家族に受け入れられないことを恐れているのですね。

そしてインドでは宗教やカーストで住むエリアも分けられています。よって住むエリアでカーストや宗教がわかる。なのでシャールーがしつこく住んでいる場所を聞いてくることにディーパックは困惑していたのです。

これは氷山の一角で、他にもヒンドゥー教にまつわる知識がないとちゃんと理解できない部分がたくさんあります。特にヒンドゥー教の聖地・バラナシなので、他の映画よりもその傾向が強いです。
あと実際に体験しないと事の重要度とかは伝わらないですね。有名な寺院にお参りに行ったり、祭りに参加したり、ガンジス川で沐浴したり(自己責任)。現地で見て体験して、初めてその重大さが分かります。

これらの知識がある程度確立されてやっとわかります。僕は3回目でやっと理解が追いついた感じがします。
分かるとおもしろい!というかなんと芸術的な映画なんだと!
インド映画にありがちな無駄なシーンがまったくないです(無駄なシーン満載のインド映画も大好きですが)。

俳優陣も非常にいい演技をしています。そしてこれがヴィッキー・カウシャルの初出演作!のちにビッグスターになりあのカトリーナ・カイフと結婚します。うらやましい限りです。

ディレクションも良かった!本当にバラナシの見せ方が上手です。
ヒンドゥー教の生死観、カーストの理不尽さを中心に据えながらも、随所でガンジス川の美しさも見せる。
この汚さと美しさが同居しているのがバラナシの何よりの魅力なんです。

そして僕もバラナシの虜です。めっちゃ好きとかじゃないんですけどなんか行きたくなってしまうんですよね~。今回でなんと4回目です(笑)。
それでもまだ新しい発見は必ずあると思うし、今から楽しみでしょうがありません。

ラッシーを飲み、チャイを飲み、チャート(バラナシ名物のスイーツ)を食べ、ガートからゆっくりガンジス川を眺める。いや~最高やで!!

映画の総括としては、バラナシやガンジス川やヒンドゥー教の宗教観を知りたい方は是非見てほしい作品です。
見て勉強しての繰り返しでインドへの理解がかなり進むと思いますし、なによりシンプルにいい映画です。

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