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【洋画】ガンジー(1982)

監督:リチャード・アッテンボロー
出演:ベン・キングスレー、キャンディス・バーゲン、アムリーシュ・プリーなど
上映時間:3時間10分

インド独立の父、マハトマ・ガンジーの伝記映画。
イギリス・インド・アメリカの3か国による合作映画です。
1983年のアカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞を受賞。

もう結論から言うと、凄い映画でした。何がって、まずは製作陣の熱量です!ガンジーの人生を忠実に見せることに全精力を注いでいます。そこから我々にに「何か」を感じ取ってもらうことを目的に作っていたのかなと。
そのために最高の構成・演出・俳優陣を用意しています。

主演のベン・キングスレーは本当に最高の演技でした!アカデミー主演男優賞も納得の演技。特に素晴らしかったのは演説のシーン。
個人的にガンジーの凄さの一つは、当時3億5000万というインド人を動かしたリーダーシップとカリスマ性だと思っています。
それを象徴するのが観衆の心を打つ演説であり、演説のシーンは特に大事になってくると思っていたのですが、声の重さ・話すリズム・立ち振る舞い・マナー、もう完璧です。
説得力ありまくり。もし自分があの群衆の中にいたら絶対に立ち上がっています(笑)

演出も素晴らしかったです。断食や塩の行進など有名な抗議運動やインド独立の瞬間などをあえてドラマチックにしないのが良かったです。
娯楽的要素を完全に排除し、事実に忠実に描いていました。
ガンジーの人生という素材自体が最高なので、その素材を生かすために過剰な演出はしない。おいしいトンカツは塩で食べる、みたいな感じですね。

ただ所々で見せ場を作ることも忘れず。特にヒンドゥー・イスラム間のコミュナル暴動時に抗議運動として行った断食を終える瞬間のカメラアングルはニクい!!あんなん泣くわ!
その後のガンジーも最高の表情でした。。

そして映画を通じて思うこともたくさんありました。
まずは何よりもガンジーの偉大さ。インド人を一つにまとめ上げ独立に導いた功績も勿論ですが、やっぱそのカリスマ性ですよね。
そのカリスマ性がどこから来ているのかというと「ブレない信念」です。

インドをイギリスから解放するためには投獄されることも、なんなら自分が死ぬことさえも厭わないという姿勢。その強い信念が3億5000万人の心に火をつけたのだと思いました。

あとは、ガンジーの思いの通じない部分もあるということ。
それはやはりインド・パキスタンの分離独立。そしてそれによるコミュナル戦争。せっかく独立したのに、多くの人が血を流す結果となりました。
ガンジー自身もヒンドゥーとムスリムの融和を目指した結果、ムスリムに肩入れをしすぎだということで過激派のヒンドゥー教徒に殺されます。
そしてその対立は今もなお続いています。

殺しあった歴史や領土問題などがあってとても難しい問題なのですが、いつか解決してほしいと切に願っています。
そしてそのキーワードはガンジーが作中で放った「怒りを抑える勇気」なのかなと、この映画を通じて感じました。

かなり学ぶべきことがある映画でした。
3時間超とかなり長い作品ではありますが、でもガンジーの人生を一本の映画にまとめることを考えたら、それぐらいはかかるよな~とも。
インドについて知りたい人のみならず、全人類に見ていただきたい作品です。

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