ゲーム紹介『それでも勇者は行く』第2版
当記事を開いていただきましてありがとうございます。
ゲーム自主制作をしております「しばくり」の作品・サイコロ&カードゲーム 『それでも勇者は行く』 が、このほど第2版となって再登場することになりました。
なのでこの機に、 『それでも勇者は行く』 とはどんなゲームなのか、その内容をご紹介します。
ストーリー
ここは剣と魔法の世界。
人々はおそろしい魔物の影に日々おびえて暮らしている。
それに敢然と立ち向かうのが勇者たち!
魔物の断片的な目撃証言をあつめ、その全体像と力量を見きわめよう。
そして戦ってたおし、強い勇者として名をとどろかせるのだ!
●こんなゲームです
人びとが見た魔物の姿とは?
目撃証言をあつめ、魔物に挑戦!
『それでも勇者は行く』は、魔物と戦う勇者となって、「いかに強い魔物に挑み勝利したか?」……を競うゲームです。
プレイヤーはそれぞれ、配られたカードの組み合わせで、魔物の姿を描き出します。
自分が戦う魔物の正体が決まったら、7つのサイコロを振ってバトル!
魔物に手傷を負わせたぶんだけ得点に。
そうして魔物への挑戦をくりかえし、一定の得点に最初に達した人がゲームの勝者 = 「もっとも名を馳せた最強の勇者!」です。
カードには、魔物の特徴がひとつ描かれています。
魔物を見たという人から勇者にもたらされる、その魔物の断片情報です。
カードにある「打ち破る条件」というのは、魔物と戦うときにサイコロを振って出すべき目の指示です。
この例では、「青色のサイコロ(2個の合計)で 10以上の目を出すこと」で、その特徴を克服して、魔物に手傷を負わせることができます。
カードは48枚。
組み合わせで、多彩な姿の魔物が誕生します。
このカードを、プレイヤーに6枚ずつ配ってゲーム開始です。
プレイヤーは順番に、じぶんの前にカードを1枚ずつ出して、正体不明の魔物に輪郭を与えていきます。
人々を苦しめているという魔物はどんな奴なのか?
自分が戦うべき魔物について情報収集していくイメージです。
この間、「他のプレイヤーの魔物に自分のカードを付ける」 こともできます。
ライバル勇者の魔物を強化して、妨害してやりましょう。
全員がカードを出すのをやめて、魔物の正体を見定めたら……いよいよ、勇者として、敢然と戦いを挑む時!
サイコロを振っての挑戦です。
サイコロは、赤×3、青×2、黄×1、緑×1 ……の7個。
これをいちどに振って、出したカードの指示をどれだけ達成できたか判定します。
たとえば、この魔物。
「獅子をも一呑みの大口」 からは 「焼き尽くす炎を吐く」、
「無数の触手」 で動き回り、
「木立もひと薙ぎの巨大な尾」 と 「禍々しい長槍を持つ」……
想像するだになかなか奇妙で恐ろしい魔物です。
これら各カードの指示を、サイコロの目が 「すべて同時に」 満たしたなら、
みごと! 勇者は魔物を討ちたおしたことになります。
「すべて同時に」なので、同じ色のカードの指示はいちどに満たす必要があります。
この魔物の場合、
赤(3個):「12~17」と「15~」を同時に満たす「15~17」の範囲
青(2個):「8~」
黄(1個):「3~」と「~5」を同時に満たす「3~5」の範囲
緑(1個):カードが出ていないのでいくつでもよい
……の目を出してはじめて「討伐成功!」 となります。
討伐成功となったら、各カードに描かれた★の合計数ぶん、得点になります。
でも、完全な討伐は難しく、なかなか成功しません。
討伐しきれなかった場合でも、色ごとで達成したぶんは得点できます。
(上の例の魔物で、黄色だけ成功したら、そのカードぶんの得点=合計2点は獲得できます)
得点を稼ぐためには できるだけ多くカードを出すことですが、
サイコロ挑戦の確率が極端に低くならないように組み合わせをコントロールすることも重要。
高得点のカードはたいてい成功確率も低く危険です。
とはいえ、ときには勝利のために、分の悪い勝負に出なければならない場合もあるでしょう。
そんなときは……勇気をもって挑戦です。サイコロに込める念が、運気を引き寄せてくれるかも知れません!
カードは自分に出して挑戦するばかりでなく、ライバルに出して妨害に使うこともできます。
「ちょっと待った。あんたが退治に行くその魔物、こんな力もあるらしいぜ!」
魔物の意外な能力を明かして、ライバルの見込みをはずしてやりましょう。
――勝率を見積もりながら魔物の姿を描き出し、ライバルのカードや得点数も気にしつつ、サイコロの確率に挑戦。出た目に一喜一憂する。
計画と運のコントラストがテンポよくコンパクトにまとまった一作です。
●データ
プレイ人数 3~6人
プレイ時間 20分~
おすすめ年齢 10才~
(用語・漢字や、確率を読んで判断する等を考えると このくらいかなあと)
内容物
カード ×48
サイコロ 赤×3 青×2 黄×1 緑×1
ルールサマリーカード/スコアシート用コマ × 各6色ずつ
ドクロ ×1
スコアシート ×1
説明書 ×1
●第2版になって変わったこと
◎パッケージと説明書のイラストを差替えました
説明書は内容も少々調整。より見やすくなりました。
◎ルールサマリーカードを新たに導入しました
ゲームのルールを簡単にまとめたカードです。
ひとり1枚ずつ手元に置いて、いつでも確認できます
いちど説明書とともに遊んで流れを理解したら、あとはだいたい
このカードを見るだけでプレイできるようになると思います。
◎サイコロは統一サイズに
第1版は、同色サイコロはサイズ違いのものでパッケージしていました。
しかし第2版では統一しました。
サイズ違いを活かした別のプレイルール提供も検討していましたが、
それはできなくなってしまいましたけれども。
◎サイコロは専用袋入りになり、保護度アップ!
◎スコアシート と スコアシート用のコマを変更
スコアシートは布製になりました。
紙製だった第1版では折り目が気になることがあったと思いますが、
その心配はなくなります。
あわせて、スコアシート用のコマはキューブに。
●魔物の特徴は48種
魔物の特徴をしめすカードは48枚。
その組み合わせで生まれる魔物の姿はじつに多彩です。
ゲーム中にできあがった魔物それぞれ、その性質や背景、振る舞いなど想像してみるのも楽しいですよ。
この魔物は……
「鞭のような長い首」 「蛇のような長胴」 「引き裂く鉤爪」 「飛ぶ」 「木立もひと薙ぎの巨大な尾」
……という特徴をもっています。
巨大な長ーい身体は大蛇を思わせますが、それでいて鉤爪を持ち、翼もなく空を飛ぶ姿は、東洋の龍を思わせますね。
こちらの魔物の特徴は……
「夜にだけ現れる」 「巧みな言葉の誘惑」 「苔をまとう岩のような」 「失われた宝冠」。
「夜にだけ現れる」 というこの魔物の特徴は、身体の様子から想像しますに……
日中にはいないというより、山中などで自然の地形に同化して動かず、その存在がわからない、ということなのかもしれませんね。
そして夜にだけ、ひそかに動き出す。
「失われた宝冠」 を手に入れるべく その姿を探し求める勇者は多いかもしれませんが、
首尾よく発見できたとしても 「巧みな言葉の誘惑」 によって気づけば意のままに操られている危険がありそうです。
この魔物は、「輝くようなたてがみ」 「疾く駆ける四足」 「流れる髪のような金毛の尾」 「炎をまとう」 ……と
非常に優美で、かつ神秘的な姿を想像させます。
しかし、「透明になる」 ことで自在に身を隠すこの魔物に出遭うことは、きっと容易ではないでしょう。
それにその姿に魅かれてうかつに近寄れば、魔術による思わぬ攻撃があるはずです。
(ちなみにこの魔物、黄色カードの特性が重なりすぎたせいで、ゲームとしては完全に討伐不可能な存在になっています)
●余談 : カードのちょっと変わった用途
カードの組み合わせでさまざまな魔物を生み出すこのゲーム。
普通に遊ぶだけでなく、時にカードを別の遊びに活かすこともできると思います。
たとえばテーブルトークRPG等を遊ぶ方は、ファンタジー世界に登場する魔物の姿・能力を考える際に、
このカードでランダム組み合わせを作ったりして補助に用いる方もいるようです。
●紹介マンガ
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